ご相談 その26. 受け取りベタな人について
とーこさん、いつもありがとうございます。
確かに、おっしゃる通りですね。言葉を受け取る力ってたぶん、言葉を発するのと同じくらいの力が必要だと思うんです。
八幡様。いかがでしょう。
なかなか受け取ってもらえない人に対して、『あなたを認めているよ』という想いを、もっとしっかり受け取ってもらうコツを教えていただけますでしょうか。
あなたは指導者
八幡様:「はい。とても良いご質問です。ありがとうございます。
実はこれはとても壮大で、答えがひとつではありません。
とーこさんは指導者になるべき人なのかもしれませんね。ご自分で出されたこのご質問ですが、すでに答えはお持ちのようです。
しかし、行動に移すとなると、なかなか難しい。
未経験の部分も多く、本当にそれがいいのかわからない。だから、何か参考になればと思って質問をしていただいたのだと思います。」
僕:「とーこさんってば、賢いお方。。。あと、このご質問のほかに、前世物語もリクエストされていますが、こちらも大丈夫ですか?」
八幡様:「もちろんです。ただ、とーこさんの前世物語は今度また、リアルにお会いした時にいたしましょう。その時はまたこれも、ファンタジーとしてお聞きくださいね。」
僕:「 また会えた時に、直接。楽しみですね! よろしくお願い致します。」
八幡様:「まず、アニキは質問者さんをどう視ますか?」
僕:「えっと、僕が思うに、ご質問の文章を読んでいるとおそらく、とーこさんはコミュニケーションスキルが相当高い方ですよね。
相手の気持ちを察することにたけているというか、相手の気持ちに寄り添えるというか。
だから、すでに尊敬しかありません。」
八幡様:「そうですね。この方の根っこは、とてもまっすぐなのだと思います。野球で言えば、毎回、直球勝負で三振を取りにいくエースです。」
僕:「かっこいいっ!」
八幡様:「アニキとはある意味、反対のやり方なのかもしれません。」
僕:「そりゃあそうでしょう! ・・・え? でも僕もかなり直球勝負なところがあるんじゃないかと、自分では思うのですが。」
八幡様:「アニキの場合、直球勝負を挑むのは、相手にとって命の危険が及ぶ時とか、どうしてもそれを伝えなくてはならない窮地に陥った時のみです。
つまり、刺し違える可能性もある、のが直球勝負のコミュニケーションになります。もちろん、それも立派な対話法のひとつです。」
僕:「ふむ。じゃあ僕、いつもはどんなコミュニケーションなのかなあ。」
八幡様:「自分では、わかっていないのですね?」
僕:「考えたこともなかったです。そうですね、直球じゃなかったら、変化球とかでしょうか?」
八幡様:「いいえ。アニキは、必ずストライクに入る、とても打ちやすい大リーグボール1 号です。いや失礼、1 号もどきです。」
僕:「言い直し! ちょっとそれ、『巨人の星』の星飛雄馬(ほしひゅうま)の魔球じゃないですか! 今ではわからない人の方が多いですよ!
ええっと、その魔球がどんな球だったかっていうと、、、僕も忘れてます!」
八幡様:「それは失敬。その魔球とは、ピッチャーがバッターの動きを予測し、投げたボールをバットにわざと当てさせてゴロやフライに仕留めてアウトにしてしまうという、恐るべきものです。」
僕:「相手がヒットを打てない!? じゃあ僕は会話のキャッチボールができないってことなんですね。だったら会話が楽しくなさそうです。。。」
八幡様:「誤解しないでください。もどき、と申し上げました通り、完全ではない魔球ですので、ヒットは打てます。
しかも、どんな球でも必ずバットに当たるので、どんな球でもストライクなんです。バッターにしたらとにかく、打ちやすいのです。
打ちやすいですが、一応魔球ですから、ヒットになる可能性は低いです。
しかし、打った人は、大リーグボール1 号を打ったという嬉しさから、アウトになったとしても楽しいわけです。してやられたぜ! と明るく言う感じです。」
僕:「あはは!セリフも昭和だなあ〜!
でもなんか、僕のこれ(コミュニケーション)って普通ですか? 特殊なんじゃないでしょうか。一般的ではないような気がします。」
八幡様:「いいえ。まず、アニキは打ちやすいボールを投げているわけです。
ですのでもちろん、良いところに当たればヒットやホームランも出ますよ。バットが出る場所に投げているのですから、バッターのタイミングさえ合えば、いい感じで打てるわけです。
しかも、同じような球しか投げませんので、相手のタイミングはどんどん上がっていきます。つまり、2 人の呼吸が合っていくわけです。呼吸が合うと、打ち返す事はたやすくなります。
いわゆる、『打たせて取る野球』ですね。」
僕:「えっと、打ちやすくても、いいんですね?」
八幡様:「良いのです。打っているほうも、守っている方も、楽しい野球ができるのですから。」
僕:「よかった!」
八幡様:「会話も同じく、楽しくなければなりません。
打っている方は、魔球に挑戦できる。打ったら大きい。打てなくても、大リーグボール1 号(もどき)に挑戦できてうれしい。
守ってる方は、同じ球しか投げないのに、打ちとる確率が高くて面白い。打ったとして、それをアウトにできる喜びも大きい。
何より大リーグボール1 号(もどき)といった珍しい投球法を持っている。そんなエース、アニキに賞賛が集まります。」
僕:「いや、、、僕はエースでもないですし、賞賛もいらないんですけど。
でも確かに、僕はそもそも三振を取ろうとする気合いもありませんし、相手を丸め込んだり、打ち負かしたり、どうしてもわかってもらおうと頑張る事はしませんね。
もっと言うと、自分の話ばかりの人に、僕を認めてもらおうと必死になることもありません。ていうか、そんな器用なこと、できません。」
八幡様:「そういえば、先日の会話は面白かったですね。」
僕:「あ、はい、あれですね。
もう7 年くらいお付き合いしている、芸術系の大先生がいらっしゃるんですが、会食した時、先生が珍しく僕自身のことを質問してきたのでそれに答えていたら、先生、びっくりしてました。
「君って結構面白い人なんだねっ!」
て。その瞬間に、いままで7 年間、僕の話を一切聞かなかった事実が露呈し、先生自身も驚いてましたし、その驚きにもっと驚いたのは僕だったりします。
しかし、その後も、先生は今まで通り自分の話しかしませんし、僕も普通に聴き続けています。それで全く構いません。」
八幡様:「たとえアニキの話が分かってもらえなくても、当たり前だと思っているのですか?」
僕:「はい。僕は当たり前だと思っています。興味がなければ僕に質問なんかしないでしょうし、それは僕自身に魅力を感じていない証拠だと思います。
人の心は、それぞれに自由ですから、僕の言葉を反対に受け取る人すらいて当然です。
今、その人が置かれている立場によって、言葉というものはどんどん変容していくものだと思っていますので、僕はただ、会話はその時の流れを楽しもうと思っています。」
八幡様:「それもひとつの答えですね。たしかに、わかってもらいたい! という意識を、会話の中ではアニキはたくさん持ってはいません。
しかし、このnoteに書かれている記事の多くは、読者の皆様にできるだけ詳しく理解していただこうとするための言葉の積み重ねです。
そこは、わかっていただこうとしていますよね?」
僕:「はい。それが礼儀だと思っているからです。文章で伝えることはとても難しいですが。。。
できるだけわかりやすくしようとして、文章が長くなってしまい、読み疲れしてしまう可能性もあるなと思いつつも、できる限り丁寧に書いてはいるつもりです。本当に、まったく未熟ではありますが。」
八幡様:「そうですね。相手の気持ちを察しながら、相手にわかりやすい言葉で表現する。これは基本中の基本になりますね。
礼儀と出ましたが、まさにその通りです。文章を書くときのルール、とでもいいましょうか。」
僕:「はい。そうはいっても、ここは強調しておきたいのですが、僕が完璧だと言っているわけではけっしてありません。事実はその逆です。
僕は文章を書くにあたって、人に伝えるにあたって、たくさんの失敗を経てきました。しかもその失敗がちゃんと役立っているのかも怪しげです。
人とお話しすることが、もともと得意だったわけではなく、むしろ引っ込み思案で、内気で、どうやったら会話から逃げることができるかばかりを考えていた、小心者なのです。」
八幡様:「それは知っています。では、なぜアニキは大リーグボール1 号(もどき)を投げることができるようになったのか、それをここで教えてください。」
僕:「また! そんなこと知らないd・・・はっ!? 」
八幡様:「どうしました?」
僕:「まさか、あれでしょうか。今日もまた僕の薄汚れた過去をお話ししなくては、先に進めないということなのでしょうか?」
八幡様:「察しが早いですね。でも、薄汚れてはいませんよ。アニキにとっては話すのが苦しい過去かもしれませんが、皆さんにとっては学びになる貴重な経験だと思います。どうぞ遠慮なく。」
僕の知られたくない歴史
僕:「では遠慮なく、いや、観念して。。。お話しします。
僕は大学卒業後、教育教材を営業販売する会社に勤めておりました。
保育園や幼稚園などに営業車で訪問し、道具箱やクレヨンやハサミなどの販売、そして園庭遊具の交換や、腐らない木製総合遊具の販売をしていました。
さらには公共施設のプールや、観光案内板など、販売するものは様々です。
そこで特に保母さん(保育士)との人間関係づくりに役立ったのが、大学時代からはじめていた人形劇です。各園で自主的にさせていただいていた人形劇は好評で、そのおかげでまたご縁が広がっていくという、嬉しいスパイラルもありました。
先輩方のおかげで、引っ込み思案もなんとか克服し、少しずつ注文数が伸びていき、入社1 年目で近畿ブロックの新人賞をいただきました。」
八幡様:「新人賞、素晴らしいですね。」
僕:「はい。そこで僕は、あっけなく、天狗になってしまったのです。」
八幡様:「私としては、あの天狗っぷりにこそ賞をあげたいくらいでした。」
僕:「天狗賞は辞退します。」
八幡様:「そうなってしまった原因は何でしょうか。」
僕:「やはり、先輩方より急速に売り上げを立ててしまったことによる、自分はできる男だ。という傲慢さがあったのだ思います。
伊藤次長(仮名)は特に、僕の天狗っぷりに気づきながらも、いつも微笑みながら、僕を指導してくれました。
社内で孤立するかもしれないくらい鼻が伸びすぎていた僕に、バイク旅行に誘ってくださったり、野球チームを作って僕に4 番を打たせてくださったり、たくさん気を遣っていただいたのです。」
八幡様:「そのとき、くま天狗は自分の立場をどう思っていたのですか?」
僕:「くま天狗っ! 想像すると可愛い!
・・・いや実は、その質問をされると困るなあと思っていたのです。言いたくないですが、どうせ言わされるので言います。
そのとき僕は『ここまで優遇されるのは当然だ』と思っていました。」
八幡様:「まさに天狗の鏡ですね。」
僕:「鏡なら割りたいです。でも僕は正直、僕がこの店の中心人物であり、僕がいなければ、この店は回っていかない。とすら思っていたのです。」
八幡様:「偉そうですね。」
僕:「本当に偉そうでした。恥ずかしいです。数字を上げている人間が、数字を上げていない人間よりも上に行くことは当たり前だと思っていました。
身勝手な僕は、大切な仲間たちを下に見てしまっていたのです。」
八幡様:「最低ですね。」
僕:「はい。最低でした。。。はああ。。。もう以上です。」
八幡様:「まだあるでしょう。続けなさい。」
僕:「うぐ、はい。。。
成績絶好調が止まらない僕は、ある月末、僕がとってきた大きめの営業案件を、いつもお世話になっている伊藤次長に差し上げて、次長のお手柄にしていただこうとしました。
しかしそれを知った次長は、笑顔でこう言いました。
『鈴木。その数字はもらわれへんよ。お前が一生懸命営業してとってきた数字を、俺がもらったらみんなどう思うと思う? それに、俺の数字は、俺が稼ぐ。見ときや。(ニヤリ)』
そう言われてもまだ、せっかく僕が次長の代わりに働いてあげようと思ってるのに、なんでそれを拒否するんだろう。偉そうに。なんて思っていました。」
八幡様:「最悪ですね。」
僕:「最悪中の最悪です。だからこんなところで言いたくなかったのですが、贖罪の一環だと思って、全部話します。
当時の僕はそんな最悪な人間になっていることには全く気づかず、半年ほど、このような偉そうで高慢チキな人間として営業を重ねていたのです。」
八幡様:「そこから脱却したのはなぜですか? どんなきっかけがあったのでしょう」
僕:「勤務先のトップである浅田店長(仮名)に誘われて、サシで飲みに行ったのが転機になったのは間違いないです。
僕はまだスーパー天狗モードの真っ最中で、この日も店長から直々に褒められる機会だとばかり思っていました。
だって、営業成績は上がる一方ですし、この店を引っ張っているのは自分だという自負もありました。
なのでテンション高めに、今日のご馳走は何かな〜? とか言いながらスキップする気持ちで店長の後についていきました。」
八幡様:「ほんとにその日は褒められると思っていたんですね?」
僕:「はい。思っていました。おめでたいですよね。
万が一、何らかの理由で叱られたとしても、成績を上げて何が悪いのか。僕は最強の武器を持っているから何も怖くない、とも思っていました。」
八幡様:「最強の武器とは?」
僕:「なんでも購入してくださるお客様リストです。それが僕にとっての最強の武器でした。」
八幡様:「なるほど。それこそが好成績の源泉だったわけですね。」
僕:「はい。でも浅田店長は割烹料理屋さんの座敷で、好物のカレイの煮付けを突っつきながら、僕にこう言いました。
『そろそろええやろ。なあ鈴木、配置換えや。』
僕は目の前が真っ暗になりました。」
八幡様:「営業のテリトリーを動かすという意味ですね?」
僕:「そうなんです。僕が入社間もない頃にもらったテリトリーは、実は誰が行っても商品が売れる、営業ビギナー向けの地域だったのです。でも、そこからはもう卒業させるという通達でした。」
八幡様:「それが意味するところは?」
僕:「営業が難しい地域への移動です。僕の最強の武器だった顧客リストはもう一切使えません。」
八幡様:「天狗の鼻が折れて、くまったわけですか。」
僕:「ぷっ! ちょっと、ふざけないでください!
僕は思ったんです。想像でしかありませんが、おそらく、浅田店長は僕に対して期待半分、お怒り半分なんだと。
天狗になるだけの力を持っているのならば、この難しい地域に対しても、同じだけの、いやそれ以上の数字を上げることができるんじゃないか? という僕に対する期待。
同時に、今まで散々甘い汁を吸ってきたのだから、傲慢なやり方で仲間たちを煽って、先輩に敬意を払わず、金の亡者のような言い方で、人の気持ちを逆なでする仕事のやり方なんて、金輪際やめなさい! と言われてるような気がしたのです。」
八幡様:「アニキはなぜそう思ったのですか?」
店長の言葉
僕:「こんな言葉をいただいたのです。いまもその場面をありありと思い出せます。浅田店長は僕にサッポロの瓶ビールを注いでくださりながら、こう言ったのです。
店長:「鈴木。言葉はな、道具や。お前は、その道具を使えとらん。
言葉を使うには、その口で発する前に、いちど心の中で言ってから、出さなあかん。
お前の言葉は丸裸で、何も身に付けていない状態や。
何も持っていないくせに、相手に与えた気になっている。人を喜ばせる言葉を使えないくせに、喜ばせた気になっている。
皆に助けられてこそ数字を上げられるのに、自分のおかげで皆が助かっているって思ってるんじゃないか?」
と、静かに、笑顔まじりで話してくださいました。」
八幡様:「店長はアニキのことをよくわかっていたのですね。」
僕:「はい。僕の傲慢さが、店の雰囲気を悪くしていること。
僕の言葉遣いの至らなさが、先輩方の仕事のやる気をそいでいること。
僕の邪気が、人の元気を奪っていること。
なぜみんな、僕のようにできないんだろう。なぜこんなことすら難しいのだろう。と、おごりたかぶった自分の心に、店長の言葉がぐさりと刺さったのです。」
八幡様:「そしてアニキはどうしたのですか?」
僕:「翌日の朝礼で、全員に謝罪しました。
営業車に乗る前の皆さん、それぞれに謝罪しました。
心から謝っていると涙がどんどん溢れてきて、同時にみなさんの表情が柔らかくなっていくことに気づきました。気がつけば、みなさんも泣いていたのです。
そうしたら伊藤次長が僕に後ろから近付いてきて、一言、こうおっしゃいました。
『お前なら気づくと思っていた。鈴木、やっぱお前はすごいわ。』
そう言って、肩をポンポンと叩いてくれたんです。
浅はかで、傲慢で、天狗になった自分を、結局次長は一切汚い言葉を使うことなく、柔らかく気づかせてくれたのです。」
八幡様:「なるほど。テリトリーの配置換えをして、それからどうなったのですか?」
僕:「もちろん、大変苦労しました。先輩方の苦しみが、本当によくわかりました。
僕は、浅田店長に与えていただいたそのテリトリーで、ゆっくりとですが、成長させていただけたのです。」
八幡様:「しかし、配置換えした後は成績が振るわなかった。」
僕:「はい。どうやったら売れるのかさえ、分からなくなっていました。完全にスランプ状態です。
必死に数字を追えば追うほど、その数字は遠ざかり、僕はどんどん疲れていきました。
そんな時、先輩の内藤さん(仮名)が僕にこっそり耳打ちしてくれたのです。以前その地域を担当したことのある先輩です。
内藤さん:「鈴木くん。その地域は、伊藤次長のことが大好きな地域だから、次長の話題をちょこちょこ出すと喜ばれるよ。」
そう聞いて、早速園長先生に、次長の近況をお話ししたら、大笑いしてとても喜ばれて、話が弾みました。そこでまた気づいたのです。
営業は、個人プレーではなく、チームプレイなんだと。」
八幡様:「その場で言う、チームプレイとは?」
僕:「あらゆる情報を、先輩や、次長や、店長や、事務員さんに、聞きまくることです。
聞くためには、高飛車な言葉は絶対使えません。へりくだって、教えを乞いました。教えていただいたら、それを必ず行動に移しました。
すると、自分の数字だけではなく、お店の数字全体が上がってきたのです。」
八幡様:「言葉という道具を、真心で使い始めれば、相手にちゃんと届くことがわかったのですね。」
僕:「はい。大失敗をしたおかげで、気づかせていただきました。思い出すだけで、後悔で心が苦しくなってしまうのですが、これがあったことで、絶対に忘れません。
自分の愚かさを、何度も何度も胸に落とし込んで、気をつけるようになりました。
もちろん、まだまだ至らない点はたくさんあるのですが、相手より少しだけできる自分を認めてもらおうなどという、おこがましい言葉や態度は、もう生涯とりません。」
とーこさんに伝えたいこと
八幡様:「さて今回、とーこさんに、どう伝えますか?」
僕:「え? 僕からですか? 」
八幡様:「はい。アニキの意見を聞かせてください。」
僕:「そうですね。。。まず、今回もまた話題がずれにずれてしまいましたが、お許しください。あと、僕なんかが一切偉そうなことは言えないので、僕が僕自身に対して思っていることを発表していいですか?」
八幡様:「もちろんです。」
僕:「僕は、伊藤次長のような人になりたい。と思っているのです。優しくて、忍耐強くて、心のある人です。
なんのひねりもないですが、それが正直な僕の思いです。
次長は天狗になってしまった僕が人を認めなくなり、人の言葉も受け取らず、横柄で、傲慢で、偉そうな言葉を口に出しても、まずはそれを受け取ってくれました。
そして、僕が気づくのを待ち続け、信じ続け、怒らず、腐らず、自分の行動で示し、僕のそばから離れず、見守り続け、君ならできる! 大丈夫だ! 心配するな! と、笑顔で伝えてくれました。
そして、その姿勢をずっとぶらさずに行動してくださいました。
僕も叶うことならいつか、そんな人間になりたいのです。あ、涙出てきた、すみません。」
八幡様:「大丈夫です。続けてください。」
僕:「伊藤次長は、僕に対して、体当たりもせず、ぶつかり稽古もせず、ただただ、僕の話をしっかりと聞いてくれました。
それに対し、自分の意見もしっかりと言ってくれました。今思えば、その時はいつも即答してくれました。
次長がうーんと考え込んだ姿は、1 度も見たことがありません。
どんな難題でも、悩まず、あせらず、落ち着いて、僕にきっちりと伝えてくれたのです。
そうか。。。もしかすると?」
八幡様:「どうしました?」
僕:「もしかすると、大事なのは言葉の強さではなく、想いの強さなのかもしれませんね。」
八幡様:「やっと出てきましたね。それが答えです。
人の想いが、言葉となって出てきます。その想いの形を、人は自由自在に操れることができるのです。
その言葉は、柔らかくもでき、鋭くもでき、大きくもでき、小さくもできます。言葉を大切に使える人は、自分の心も大切にできる人です。」
僕:「言葉って、心そのものなんですね。」
八幡様:「はい。ですから、自分の心を大切にできる人は、人の心も大切にできる人なのです。
人の心を大切にすることができれば、その言葉はますます美しくなっていきます。
頑張って説得しなくちゃいけない。気づかせなくちゃいけない。ちょっとは辛い思いをさせなくちゃいけない。あのわからず屋にどうやってわかるよう持ってけばいいのか。よし、もう喧嘩するしかないな!
では、伝わりません。アニキ、どうすればいいかわかりますか?」
僕:「はい。正解かどうかはわかりませんが、僕自身がやっていることは、相手のことを好きになることです。」
「好きになる」こと
八幡様:「そのとおりです。では、どうしても相手のことを好きになれない場合はどうしますか?」
僕:「あ、それは大丈夫です。必ず、人には良いところがあります。それは間違いありません。ただそれが、まだ見えていないだけだと思います。
だから僕の場合、最初にそれを探します。話していれば何かしら見つかるものです。逆に、ちゃんと話さなければなかなかわかりません。
たくさん喋って、たくさん笑って、たくさん思いを汲んで、相手の伝えたいことをよく聞きます。
その中から、きっと生まれてくるはずだと思っています。」
八幡様:「何が生まれてくるのですか。」
僕:「僕が、伊藤次長に抱いた感情です。尊敬の念です。相手を敬う気持ちです。これがあれば、うまくいくと思います。
相手に、自分の心や自分の気持ちを受け取ってもらいたいときにはなおさら、相手に自分を尊敬してもらうのではなく、自分がまず相手を尊敬することから始めないと、いつまでたっても伝わらないことを、僕は学びました。」
八幡様:「では、相手が自分を試そうとしてくるのは、どういう意味なのでしょう?」
僕:「ああ、それは、自分への尊敬がどれくらいあるのか。とにかくそれを試したくて、場合によっては攻撃してくるのかもしれません。
しかし、相手がこちら側の『尊敬』に気づくと、今度はこちらを『尊重』してくれます。
何度も何度も、会話するたびに重なっていく敬う気持ちは、どんどん尊敬に変わっていくのだと思います。
これもまさに、伊藤次長から学んだことです。」
八幡様:「素晴らしい。アニキの良いところは、経験から学び、それを言葉にできることです。
さて、とーこさん。あなたの周りには、無条件で応援してくれる人が100 人いますか? その100 人のことを尊敬していますか?
尊敬まで行かなくても、尊重する気持ちはありますか?」
僕:「それも間違いなく大丈夫です。すでにとーこさんは、応援者をたくさん持っていると思います。
だって、冒頭でこうおっしゃっています。
つまり、とーこさんはたくさんの方の辛い心に寄り添ってこられたと思うのです。だから、応援者は多いと断言できますし、そのことを知った僕だってもう、応援団の一員のです。」
八幡様:「そーいうことです。」
僕:「どーいうことですか?」
八幡様:「アニキは随所で言っていたとおり、とーこさんを尊敬しているということです。
強い思いを持って、何事も挑戦し、考え、動き、人の心を支えていこうとしているとーこさんの支持者なのです。
そんなアニキがとーこさんに対し、どうやって言葉を尽くしたか。今回の記事から、それを抜き出すだけでも良い学びになるのではないでしょうか。
とーこさん。良いご質問をありがとうございました。」
僕:「いやいや、僕が言葉を尽くせたかどうかはわかりませんし、ていうか皆さん、僕の言う事なんか一切頼りにしないでください!
ひとつだけ確実に分かるのは、とーこさんも僕の先生だということです。
こうやって、八幡様を介して教えをいただいています。おかげさまで、ありがたいのです。
とーこさん、前世物語はまた今度、お会いした時にゆっくりお話しいたしましょう!」
おわりに
いかがだったでしょうか?
記事の投稿を重ねるたび、どんどん昔の僕のダメダメが明らかになっていくのと同時に、八幡様の僕への教育が激化しているように感じています。
それでもなんとか食らいついていこうと、毎回覚悟をバージョンアップしている感覚です。
それでも時折、気絶しそうなくらいの困惑を感じることもありますが、なんとかとどまっております。
次回もご相談をじっくり承りますね。
ではまた、お愛しましょう♡
ここから先は
KAMI ing out マガジン
「僕のアニキは神様とお話ができます」「サイン」の著者、アニキ(くまちゃん)が執筆。天性のおりられ体質を活用し、神様からのメッセージを届けま…
ご支援ありがとうございます。このnoteはサポートのお志で成り立っております。メッセージにお名前(ご本名とご住所)も入れていただけると、感謝とサチアレ念をダイレクトに飛ばさせていただきます。