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おりおりいっぴつ #024


魔去る

神気に

崩るる怒り


楼門の屋根に、猿が支えになっている神社が滋賀県にあります。

どこからどうみても、可愛い猿。その愛くるしい所作も、表情も、僕の心を優しくしてくれます。その一方で、自然の中で生きていかなくてはならない野性の強さも感じて、心が痺れます。

実は僕、かなりのネガティブニンゲンでして、明るく元気に振る舞ってはいますが、正直怖がりで、ドキドキしいで、小さな失敗にクヨクヨして、しつこいほどにマイナス感情を継続させます。

この日の僕もそんな感じで、自分の不甲斐なさに苦しんでいました。

そんなモードになってしまった理由は、前日、新幹線で僕の隣に座った見ず知らずのおじさんが、僕の靴の汚れについてお説教を始めたからです。

はい。確かに、汚れていました。汚れた時点で拭くこともできたのですが、それを怠ってしまったのは事実です。トイレに入って、トイレットペーパーで拭こうかと思ったのですが、おしっこもしたくありませんし、それだけのために入るのを躊躇してしまいました。

そして僕は結局、思った瞬間に動くことができず、後回しにしてしまったことを悔いました。それがきっかけで、自分のことを怒りで責め始めてしまったのです。

こうなると、長い。

僕は、やるべきことをできなかった自分の心の弱さや不甲斐なさに、溺れます。息が苦しくなります。

僕に靴の汚れを指摘してくれたおじさんは、スーツをバリッと着こなしていて、高そうな腕時計をしていて、男の美学! そのものでしたので、僕のような疲れたおっさんを見て許せなかったのだと思います。ですから、つい口を出したくなったのでしょう。

僕は連日のミッションで、靴もズボンも土まみれ。袖も襟も汗で油まみれ。その日は、夜走りのミッションで磐座の宮に行く途中です。

そんな自分の身なりに反省しつつ、自分への怒りを消すこともできず、ここにやってきたら、境内にお猿さん。

その可愛さに、心が溶けました。

自分の格好への美学の無さはたしかに問題ですが、自分らしさはこれから気をつけつつ、それなりの美学を身につけていくきっかけをもらえたことに感謝できるようになりました。

心の魔は去りました。

縮こまった怒りの塊も粉々になりました。すると、思いがけない天啓が降りてくるものです。

その日の帰り道。

車の中に入れておける、整理用の透明ケースを買いました。ミッションに使うための道具や着替えを入れておくものです。必要な時にすぐに取り出せるように機能的に整理することができました。

靴の汚れを指摘されてウジウジしていたけれど、こうやって新しい工夫で成長できると感謝が生まれます。おじさん、ありがとう。

あなたに、今日も幸あれ。


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本日、午後8時からインスタLIVEをします!

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