おりおりいっぴつ #023
人の造形は
誰かを喜ばせる為の
結晶也
人は、昔からどんな想いでさまざまな造形を遺してきたか。
それは、未来の僕たちを喜ばせるために汗をかき、知恵を絞り、心を使い、夢を実現させてきたと思うのです。
僕たちは、それを見て畏怖し、歓喜し、敬意を表します。
八幡様はおっしゃいます。
「五重塔を見て、アニキは自分であれを作れると思いますか?」
僕は即答します。無理です、と。しかし八幡様は、さらに言います。
「では、あれを作ったのは誰ですか?」
僕は、それは人間です。と答えます。
「ほう。では、アニキはなんですか?」
人間です。。。がしかし、知識も経験もない僕がどうやってあれを作るんですか?
「想いです」
作りたい。という想いがあれば、人間であるならば、作れるのだ、と力説するのです。
作りたいという想いは、人を勉強させ、経験を深めさせ、誰かを喜ばせるためなら全力を出して取り組める大きなムーブメントを引き起こし、周りの人たちをも感化させ、どんなに苦しくても、やり遂げてしまうのだというのです。
「そして、未来の人に褒めてもらいたいのです」
なるほど。未来の人たちのことを考えて行動していたんですね。
歴史を意識して書き残す手紙も、家や船や庭などの造形も、彫刻や絵の芸術も、全て残す前提でのものだから、素晴らしい造形になっていくらしいのです。
「今、それを意識している人は少ないです。今さえよければそれでいいと思っている人も多いのです。だから、歴史をかえりみて人が遺してきた偉業に感謝する人も少ないのです」
人の偉業?
僕はそもそも、この日本が植民地化されず、日本人の尊厳を殺されることなく、現代に残っていること自体が偉業なのではないかと思います。
最近よく耳にするのが、GHQに日本人は骨抜きにされた。だからだめなんだ。というセリフです。僕は思います。
「そっか! そうだったのか! だったらここから日本人の誇りを取り戻していけばいいんだ! やったー!」
になります。教育が操作されて、本来の力を発揮できない日本人だとしても、ここから気づけば、世界がどんどん変わっていくと思うのです。
今の生活が楽だからと何も考えず、ただ生きているだけでそれでいい期間も大事です。だけど、その期間が終わったら、今度は、
「いま自分が幸せを享受できていることは、誰が作ってきたものなのか?」
を考えてみてもいいのかもしれません。
普段、当たり前に生活していますが、家にあるものを一つ一つ見ていけば、誰かが思いを込めて作ってくれたものばかりだと気が付きます。自分で作ったものといえば、土をこねて焼いた作品くらいです。
外に出れば、道路があって、会社のビルがあって、お店があって、あったかい食べ物があって、学校があって、市役所があって、そこには市民のために働いている皆さんがいて。
素敵な環境が当たり前だと感じている皆さんは、もしかするとそれをありがたいと感じていないのかもしれません。
とてもありがたいことです。
人が作った造形には、思いやりが詰まっています。それを使っていて、すごいなあと思います。昔の人の偉業は、未来の人が喜ぶだろうことを、お金を使い、時間を使い、労力を惜しみなく使ってきてくれました。
その結晶を見るたびに、胸が熱くなります。
ありがとう。ありがとう。
あなたに、今日も幸あれ。
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