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おりおりいっぴつ #027
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水あるところに
人の生活あり
人あるところに
団欒あり
「ちゃぶ台」ってご存知ですか? 昭和の時代によくあった、丸いテーブルです。
なぜちゃぶ台が丸いのか。それには、こんな理由があるそうです。
丸いと、その周りに座る人数が増えても減ってもバランスがよくなり、会話も目の前に人の顔が近いので弾みますし、見た目も可愛いですし、折り畳めば転がして運べるので、非力な人でも箪笥の隙間などに片付けることができました。
片付ければ、そこにお布団を敷けて、みなが寝る場所になった時代があったわけです。
丸い形は、デザイン性もよく、力の伝わり方も均等ですし、便利です。
ちゃぶ台がある時代は、人の団欒が当たり前にありました。
八幡様はおっしゃいます。
丸い形が一番強く、優しいもの。
その理由は(僕の解釈ですが)、見た目が丸いだけで優しい気持ちになれますし、例えばトンネルのような丸い形状は、山の圧力にも堅牢であるということ。
僕の浅はかな知識と経験ではそれくらいしかわかりませんが、八幡様はさらにこう言います。
この世にある全てのデザインは、丸からできていると。その丸だけで絵を描いていけば、ほとんどのデザインが完成するらしいのです。
デザインセンスのない僕にはその検証はできませんが、よくよく見れば、確かに、世界には丸がいっぱいです。
さらに八幡様はおっしゃいます。
丸に見えないものも、円を重ねてその点を結び、形作られているのだと。
僕には完全に意味がわかりませんが、つまり、全ての基本図形は、丸の上に成り立っている、ということでした。
その丸の中に生活している僕たちは、人生をスパイラルしながら動いています。行ったり来たりしているようですが、少しずつ成長して登っていく渦巻きの中にいます。
水がないと生きていけない人間として思うことは、水が近い場所に街ができて、水の美しさに感動して、水と一緒に生活し続け、水に生命を維持させていただいているということ。
当たり前のようなこの命のスパイラルに、どうしても必要な水。
その水の分子も丸くて可愛いし、それが繋がりあって川になり、海になり、雲になり、丸い雨粒になって大地に落ちてきます。
雨がやみ、丸い水たまりの中に、青空が映り、深い感動を得られます。
大切な水のありがたさと、全てが丸でできているこの世界への感謝と、今、この命を燃やすことができる時間があるということを知ることが大事なのではないか。僕はそう思います。
だからこれからも僕は、いろんな失敗もあるけれど、謙虚に、できるだけ愛らしく、丸く水のように、人との出会いが繋がって、それが大きく手を繋ぎ合い、その縁がやがて世界に繋がっていくイメージで動いていこうと思います。
今日も、あなたに幸あれ。
<お知らせ>
3月31日(日)まで、福井駅前のギャラリー「ART SITE 25」にて開催中です。
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