【無料記事】 いいだ人形劇フェスタの学び (2日目)
2023年8月6日。
2日目の公演会場は、飯田市民ギャラリーでした。
室内会場なので、暑さ対策と設営の心配はありません。
しかしこの日は、くまさん本舗としては初挑戦の企画となる、人形制作ワークショップの開催も予定しています。
靴下を使った簡単なパペット作りをしていただいて、そのパペットを使った「パペット・カウンセリング」を知ってもらおう、というワークショップです。
STAFFは見た! いいだ人形劇2日目
飯田市民ギャラリーにて
2023年8月6日
パペット・カウンセリングとは、くまさんが長年培ってきた人形劇師としての経験を活かし、パペットを使って簡単に相手や自分自身とのコミュニケーションできる方法を学ぼう、というものです。
始まる直前、誰かが気づきました。素材が足りなくなるかもしれないと。
靴下パペットに使う素材として、毛糸やフェルトのパーツの下準備は前もってしてきていたのですが、現場を確認したスタッフの機転で、もっと数を増やしておこうと急ぎパーツ作りをすることにしました。
素材もあっという間にできあがります。
今回、くまさん本舗のスタッフだけでなく、なんとくまさんを長年応援してくださっている方々も、遠方からわざわざ飯田にまで駆けつけてお手伝いしてくださっていました。
総勢6名のスタッフが、くまさんという演者に最高のパフォーマンスをしてもらえるよう、観客の皆様が最高の笑顔になってもらえるよう、細部にまで気配りして場を作り上げてくださったのです。
午後1時過ぎ、徐々にお客様が会場に入ってこられました。
用意したゴザ席も椅子席もほぼ満席の約60名ほどの客席となり、いよいよゴンちゃん登場です。
舞台袖の黒い幕から、ひょっこりゴンちゃんが顔を出すと、会場には大きな拍手。
今回は鬼のゴンちゃんを怖がる子どもはいないようです。
みんな興味津々でゴンちゃんの話に聞き入っています。
自己紹介が終わって、ゴンちゃんは子どもたちに質問します。
ゴン:「僕の一番好きな昔話はなんだと思う?」
お客様:「桃太郎!」
ゴン:「それはさっきちょっとやっても〜たやつや。他にないか?」
お客様:「浦島太郎!」
ゴン:「おお!! ようわかったな!」
昨日と同様に、子どもたちとの元気な会話が弾みます。
「よし。じゃあ今日は、浦島太郎のお話をするね。昔話といっても、ゴンちゃんは986年生きてるから、これは聞いたお話ではなくて、実際に見てきたお話だよ。だからみんなが知っている昔話とはちょっと違うかもしれない。でも、これがゴンちゃんのほっそい目で見た、本当のお話。」
おそらく、一人の子どもが言った言葉を受けて、即興で浦島太郎の話を作り出したのであろうくまさん。
見事に、本来のファンタジー要素がある昔話とは違う、残酷さもネガティブさもない、リアルで優しい、新・浦島太郎を誕生させました。
話に聞き入る子どもたちの、真剣な表情が印象的でした。
そして約30分の人形劇が終わると、ゴンちゃんとくまさんは一旦ステージから退場。
お客様にも一旦会場を出ていただき、スタッフ6名で急ぎワークショップ用の机の配置設営します。
予想を上回る参加人数に、臨機応変に対応してくれる設営スタッフたち。
お客様の誘導係。
パペット作りの準備係。
みんな手際良く動いてくれて、スムーズにプログラムを進行できます。
パペット作り
まずは、準備した色とりどりの靴下と、パペットの髪の毛となる毛糸のパーツを選んでもらいます。
子どもにも大人にも作ってもらえるよう、十分な数を準備しました。
選ぶときから楽しそうな親子たちを見ているだけで、私たちスタッフも笑顔になります。
靴下パペットの作り方をレクチャーするのは、くまさん本舗の新鋭スタッフあいちゃん。
パペット作りの先生役となって、初めてとは思えないほど流暢な指導で、パペット作りが進行します。
作り方に手こずっている小さなお子さんや、お父さんには、他のスタッフたちが席を回ってスピーディーにフォローしていきます。
親子でパペットを使って会話しながら制作していたり、目のパーツをどの形にしようか、あれこれ悩んでいる姿は、とても楽しそうで、幸せな光景でした。
おおかたのパペットが完成したところで、今度はゴンちゃんではなく、パペットカウンセラーとしてのくまさんが登場です。
パペットで、喜怒哀楽を表現する簡単な動かし方や、会話の仕方を、わかりやすく楽しく伝えるくまさん。
それを聞きながら、パペットで遊び合う親子やお友達。
会場はとても賑やかです。
みんながパペットに慣れてきたところで、くまさんがパペット・カウンセリングにいうものついて、誰にでもわかるようにお話します。
パペットは、遊び道具だけど、それだけではなく、心を癒し、悩み事さえも解消してくれる、身近な友達にもなってくれるものだということを。
とくに熱心に聞いて頷いてくれている大人のかたもいらっしゃいました。難しいことは理解できなくても、この日自分で作ったパペットが、その人にとって一人の友人となってくれるといいなと、願っています。
単にパペットを作る。というだけのワークショップではなく、そのパペットが、自分にとってどんな存在になりえるのか、親子の会話、友達との会話、自分自身との会話に、どれだけ役に立ってくれものなのか、そんなことを知ってもらうことが目的のワークショップです。
終了後にいただいたアンケートを見ると、そのあたりもなんとなく伝わってくれていたのではないかなと、嬉しく思いました。
アンケートの感想の一部をご紹介いたします。
ワークショップ参加者からのご感想
今回のいいだ人形劇フェスタは、4年ぶりの通常開催となり、私たち演者側にとっても、運営される側にとっても、観劇される側にとっても、特別な年だったことと思います。
他のいくつかの会場を回らせていただきましたが、どの会場も賑わっていて、大人だけで参加される人、親子で参加される人、皆が笑顔で楽しんでいる様子に、大袈裟かもしれませんが「平和」を感じました。
くまさんが人形劇を35年間も続けている理由、そして目指しているもの、それを少し体感できたような気がします。
つくる人、演じる人、観る人、支える人、皆が幸せになれる空間。人形劇に限らず、エンターテイメントはやはり平和の根源なのではないでしょうか。
そして、微力ながらその一役になれるよう、これからもくまさん本舗としての活動を続けていきたいと思います。
またぜひどこかの会場で、あの平和で幸せな空間を作れますように。
八幡様との振り返り
スタッフの皆様からの感想
八幡様:「充実の2日間でしたね。」
僕:「はい。支えていただき、演じさせていただき、笑っていただき、泣いていただき、愛をもらいっぱなしでした。心からの感謝でいっぱいです。」
八幡様:「最後にもう一つ、みぃちゃんを含め、スタッフ全員の気持ちをまとめてくれたお手紙がありますね。それをここで。」
僕:「あ、ここで、ですか。そうですね。
これは僕への私信と受け取っておりましたが、スタッフとして参加いただいた皆様が、これからの活動の応援と、今回の感想と、愛の励ましを送ってくれました。それをまとめます。」
八幡様:「応援を直接いただけることのありがたさ。よかったですね。これからの決意とともに、ご紹介をお願いいたします。」
僕:「はい。こちらです!」
捨てて、認めて、譲ること
ありがたい感想とともに、今回の学びについて簡潔にまとめます。
僕は、人形劇を35年間やってきました。
とはいえ、今のスタイルになるまでは、紆余曲折ばかりでした。
あらゆる人形を作り、失敗し、反省し、物語を作り、演じさせていただき、また失敗し、反省し、もっとより良いものを表現したくて、挑戦し、失敗し、反省。の繰り返しでした。
それでも僕が生涯をかけてやりたいことは、いわゆる「パペット・カウンセリングシアター」なのだと、今、再確認しております。
僕は、人形を扱うこと以外は、本当に不器用です。台本も覚えることができない人間です。
しかし、人形を使って、他の人や自分を応援することは得意なのです。
人形を使って、自分を許してきました。心を支えてもらいました。
つまり、人形で自分自身をカウンセリングしてきたのです。
ある時期、人形と一緒に逝こうとすら思ったこともありましたが、それも人形たちに助けられました。
ずっとずっと昔、大阪の阪急電車の終電。
誰もいない車両で人形が僕に、こう言ったのです。
「そういや、まだハワイに行ったことないなあワシら。なあサル吉。」
「うん! まだ行ったことない! 行きたい! 行きたい! 生きたい!」
猿の親子の会話を聞いて、彼らの心の奥を知りました。
そう言われてみればまだ、行ってみたいところにも行ってないし、もっと広い世界を見たいと思っていたのに、仕事がうまくいかないだけで人生からも逃げようなんて思ったりした僕に、人形たちはエールを送ってくれたのです。
僕は風呂敷を開いて、人形を抱きしめて、深夜の電車の中で静かに泣きました。
この人間世界では、いわゆる僕は落ちこぼれです。
学校では教室にすら入れてもらえなかった時期もあり、勉強も遅れるわ、なぜか出席日数も少ないわ、友達からいじめられるわ、はたから見ると、壮絶な学校生活を送ってきたと思われていますが、僕に寄り添ってくれた先生や、数少ない友達と、家族に助けられてなんとか生きてこれました。
大学を卒業し、入社した会社では、傲慢な僕が出現し、人を傷つけて、苦手な事務仕事は人に任せっきりにし、細かい仕事もできないのに、人形劇ができるからというだけの営業法で数字を獲得していく稀な働き方。
今思えば、とてつもなく優遇されていたことがわかります。
そんな僕を大切にしてくれた周りの人に助けられて、少しずつ更生を重ね、生きてきました。
今回の人形劇も同じであることに気づきました。
八幡様:「どう同じなのですか?」
僕:「はい。僕ができることは、限られているのです。
得意なことは、お客様の感想を読んでいてよくわかりました。
苦手なことは、数字の計算、スケジュールの管理、時間の使い方、人の使い方です。
ロードムービーでもお分かりの通り、行き当たりばったりの臨機応変アドベンチャーが好きな理由は、あらかじめ計算したり計画したりすることができないからなのです。」
八幡様:「ようやく、気がついたのですね?」
僕:「いえ、気がついてはいたのですが、自分の無能を信じたくなかった。。。というのが本音です。」
八幡様:「自分の能力の得手不得手をわかっておくことは、一緒に仕事をする人たちにとっては重要です。
そこがわかっている周りの人たちは、アニキの使い方を間違わなくていいからです。たとえ間違えたとしても、修正が速いのです。」
僕:「はい。。。」
八幡様:「とことん捨てなさい。
かっこよくなくていいのです。
素敵な人と呼ばれなくてもいいのです。
昔は仕事の成績がよかったなどと、自慢する心を捨てなさい。
昔は髪がたくさんあったことなど忘れなさい。
過去の素晴らしさは、直接今に繋がるものではありません。
歩んできた栄光は、ただの思い出で良いのです。
むしろ、過去の過ちから学んだアニキが少しずつ成長している様が素敵なのです。
昔の経験を赤裸々に語り、同じように間違う人を未然に少なくしていることがかっこいいのです。
髪は、なくてもいいのです。その分、最高の笑顔が重要であることに気づけます。
捨てて、認めて、自分を曝け出し、あとは人に譲りなさい。」
僕:「捨てて、認めて、譲る・・・。」
八幡様:「アニキの人形劇の面白さは、そこにあります。
安定した台本ありきの物語は、人々を安心させますが、セオリーと慣習を捨て去り、その場の雰囲気で即興芝居をしてしまう感性は、誰も持っていませんし、未来のわからない、先の見えないドキドキ感が癖になっていきます。
その手法を会得するには35年かかるのです。
そしてこれからアニキは、その手法をこのnoteやおりらレイディオや動画などで紹介していくのです。つまり皆様にお譲りしていくのです。」
僕:「そういうことですか。納得しました。捨てて、認めて、譲るんですね。心して、動いていきます。」
おわりに
人形劇をすればするほど、楽しくて、大好きで、たまりません。
子どもたちが可愛くて仕方ありません。
それを見守る大人たちも可愛くて仕方ありません。
何もできない自分を超えることができるからです。
ダメな自分を超える機会があること自体幸せです。
今日はどんな自分を演じることができるのだろう。
今日はどんな子どもと笑い合えるのだろう。
今日はどんな大人の心の中に入っていけるのだろう。
たった30分ですが、濃厚な時間を過ごすことができるのが、幸せです。
また来年も飯田で人形劇をします。
今回、ここにこうして記録として長々と残した理由があります。
来年の僕、再来年の僕の成長の観察ができるからです。
いずれ皆様にも、生で見ていただきたいと思います。
名古屋の「くま蝉」では、シークレットで人形劇もさせていただきます。
お楽しみにしていてくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それではまた次回、お愛しましょう♡
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