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おりおりいっぴつ #043(あなたは誰を守り抜きますか?)

家族を

守るのは

わたしです


大切な人を、思ってもみない方向から傷つけられた経験があります。自分には想像し得なかったことなので、その時はただただ、驚くばかりでした。

大学時代、児童文学研究会の隣の部室が、「同和問題研究会」。その隣の「交通研究会」の隣が、「在日問題研究会」でした。みんな素敵な人ばかりで、いつも仲良く学んだり、遊んだりしておりました。しかし、学祭が終わってから、突然部室に遊びに来なくなった友達がいたのです。

色々探ってみると、同じゼミの人や、バイト先の先輩からきついいじめを受けているということでした。ある日の夜、当事者である李さん(仮名)が、僕に淡々と話してくれました。

内容はここでは言えませんが、辛すぎて、怖くて、大学を辞めるしか方法がないと思えるくらいの壮絶なエスカレート状態でした。

僕が少し立ち向かって、なんとか被害者を逃がそうとしても、人はターゲットを決めると、追い詰めるまで止めません。ましてや、逃げようとするものを追いかけるのは、本能なのでしょうか。もしかすると、加害者は楽しくなってきてるの? と思えるほどです。

この問題は、一体誰に助けを求めればいいのか、どうやって解決に導けばいいのか、存在が消えてしまえばそれで済む問題では当然なく、かといって戦うこともできず、逃げることも許されず、にっちもさっちもどうにもこうにも状態になりました。そんな時に僕はどうしたか。

結局、何もできなかったのです。

ただ、友達の話を聞いただけだったのです。そして最後に僕は、言ってはいけないことを言いました。

「くっそー・・・。どうすりゃいいんだ。それだけ言われて苦しいならもう、言われているだけじゃなくて、李君も言ってみたら? あんたらもし、自分の家族が俺と同じようにされたらどう思う? って」

李さんは、その後、長い間黙り込んで、最後、悲しげに僕を見て、ゆっくりと立ち上がり、その場から出ていきました。

それから程なくして、彼は学校を辞めてしまいました。

僕は愕然とし、自分を責めました。きっと僕の言葉が心に引っかかってしまったんだ。僕のせいだ・・・。

李さんはとても優しい人でした。誰かに強い言葉で罵られて言い返す人ではありませんでしたし、喧嘩なんて絶対にしない人でした。

だから僕になにも言い返さなかったのでしょう・・・。

八幡様:「はい。なのに、最後はいじめた人たちに対し、素敵な啖呵を切って辞めていったことを、アニキは知らなかったのですね?」

僕:「ええええええっ!!! 喧嘩したんですか?」

八幡様にその顛末を聞いて驚きました。喧嘩ではありませんでした。

李さんにとって、「家族」というキーワードがとても重要だったそうなのです。しかし、笑い嘲る人々に対して、そういうことを自分の家族にできるかどうか? と聞いたとしても、返ってくる言葉は、さらなる嘲笑だったと想像されます。そこで、李さんはこう言ったそうです。

「僕は、あなたたちの言葉を忘れません。ありがとうございました。僕には、弟がいます。その弟がこの世界で生きていくには、辛すぎることがわかりました。僕はいますぐ、家族を守るために帰ります。皆さんとは、もう2度と会うことはないでしょう。おかげで大切なことに気づかせていただきました。本当にありがとうございました」

なんの嫌味もなく爽やかに、笑顔でお礼を伝えて、去っていったのだそうです。

僕は驚きました。いつも恐怖で怯えていた彼とは思えない行動とセリフだったからです。

「覚悟したのです」

と、八幡様。

「アニキは、怯えている人(李さん)に手を貸すことなく、覚悟させるように話をしたということです」

・・・そ、そうなのか? 僕はそんな考えで話していたわけではありませんでしたが、なるほど。人間は、覚悟が決まれば、手段を講じることができるということなのですね。

確かに、覚悟を決めれば、立ち向かえる強さが芽生えます。自分だけではない、誰かの力を借りようとする意思も生まれます。どうしようもなければ、公的な機関に相談をすることも可能になります。覚悟を持ってしゃべることで、自分が家族を守る! と前面に出すことができるので、周りの協力も得られやすくなります。

李さんは、大人でした。自立していました。恐怖体験をし、それを受け入れ、世の不条理を理解し、人の弱さや怒りを知り、家族を守るのは自分だと気づきました。世の中や友達の助けに期待して待つのではなく、自分が動いて、大切な人を守ることに決めたのです。

大切な人は、自分が守る。

なんとしてでも、自分が守る。

たとえ自分が傷ついたとしても、自分が守る。

誰かに守ってもらおうとか、その誰かが傷ついても構わないとか、そう思っている間は誰も守れません。

あなたは、誰を守り抜けますか?

僕は今、若かりし頃の自分の弱さや、無力さが改めて恥ずかしいと感じています。でも、これに気づいたことをお伝えしたくて、一筆したためました。これは、弱い自分に贈るエールでもあります。

あなたに、今日も幸あれ。


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