見出し画像

おりおりいっぴつ #055(可愛いは、永遠に不滅です)

新緑に

潤う風景を残す 

人々の技


僕は、歴史的建造物が大好きです。

このおりおりいっぴつでも何回か紹介していますが、人間たちが残す素晴らしい技の数々を見るたび、驚嘆を禁じえません。

その中のひとつがこれ、熊本県にあります、「通潤橋」です。

水の通り道を確保するために、石を積み上げて作った橋です。嘉永7年(1854年)、水不足に悩む白糸台地に水を送るため、惣庄屋である布田保之助氏によって造られたそうです。

近世最大級の「石造アーチ水路橋」ですね。しかも、石造アーチ橋の中では唯一、“放水”ができる橋だそうです。

ちょうど今の季節、緑に囲まれて、美しくそびえ立っています。放水する時間帯ではなかったので、ちょろちょろと水が滴っている姿しか見れませんでしたが、石積みの丁寧な作りは、僕の心を何度も震わせました。

八幡様はおっしゃいます。

「必要に駆られて、人は何かしらを作ります。ただ作るだけではなく、それを見栄えよく、楽しげに、しかも使い勝手が良いように、さらに後々の人も使いやすいように、細かく考えて、たくさん実験をし、完璧なものを作りたがります。

それはなぜだか、わかりますか?」

僕は答えます。

「おそらくそれは、人間としてのDNAだと思うんです。遺伝子がそうさせるんじゃないでしょうか。ほら。子猫が何も教えていないのに、前足で顔を洗ったり、排泄をした後に、ガシガシ砂をかいて隠そうとしたり。自然に刷り込まれている生命体のクセというものがあって、人間も、ついついそうしてしまうものなのではないでしょうか」

八幡様:「人の文化を作る想像力と、生活に根ざした創造力は、無限といってもいいでしょう。時代にあったやり方で、細かい創意工夫があって、その時代に作られたものを見るだけで、人の思いがわかります。可愛げのある形状は、どんなに時を経ても、色褪せることがありません」

僕:「そうか。確かにそうですね。骨董品や、アンティークを集めている方の心の中というか、魂の中に、それを懐かしみ、可愛がる気持ちがあるということですよね。『可愛いは、永遠に不滅です』いうところでしょうか」

八幡様:「その通りです。可愛いものが、なぜできるのかというと、作る人間が可愛いから、です。可愛い人が、可愛いものを作れるのです」

僕:「あれ? じゃあお言葉ですが、可愛くない人は可愛いものが作れない、と言うことですか?」

八幡様:「いいえ。人間の中に、可愛くない人はいません。ですので、すべての人が自分にとって可愛いと思うものは作れます」

僕:「ですよね。この世の中には可愛くない人なんていないって八幡様はおっしゃってましたもん。つまり、誰もがみんな、可愛いものを作れると」

八幡様:「そうです。自分にとって可愛いもの、ですよ。それは時代を超えて、その人の魂が何度も生まれ変わり、洗練されていったとしても、その人が作った可愛いものは、何故かわからないけど、可愛いのです」

僕:「ということは、昔のもので、可愛いものを見つけたら、それは前世で自分が作ったものである可能性も高いということですか?」

八幡様:「ありえますね。それを見た時に、どうしても可愛くて、大好きで、惚れ惚れしちゃって魅力的で、自分のものにしたい欲求が止まらない時、それはあなたの前世が関わっていた、もしくは自分で作っていたものかもしれません。それとも、あなたが大好きだった人が持っていたものかもしれません」

僕:「わあ〜! それはメロンコリックー!」

八幡様:「・・・ロマンティックと言いたかったはずですが、まあいいでしょう。いずれにしても、どうしても気になるものがあったときは、何かつながりがあると考えた方がよろしいと思います」

僕:「ちょっと聞いていいですか? 僕、どうしても気になる場所があるんですけど、それって自分の前世に関係あるかもしれないということでしょうか?」

八幡様:「場所の場合、少し別です。大地には、あらゆる気のエネルギーが充満しています。それを感じやすいアニキの場合は、気になる場所だらけだと思いますが、そうではないですか?」

僕:「はい、気になるところだらけです。何も考えず走ってると、あり? ここはどこ? なんでここきたんだろう? という場所にたどり着いていることもあります」

八幡様:「自分の前世と関わりがあった場所を見つけるのは、なかなか難しいものがあります。ただ、風景を見て懐かしいな。どこかで見たことがあるな。ここにいると心が溶けそうに柔らかくなっていくな。ここが好きだな。ここは汚したくない。美しいままで保存したい。そうだ、ゴミを拾おう。美しくしよう! と思えた場所は、前世で関係していた場所かもしれません」

僕:「なるほど。そこにいて気持ちいい場所。そこを守りたくなる衝動に駆られる場所。つまり、大好きな場所・・・」

八幡様:「アニキにそういう場所はありますか?」

僕:「はい。あります」

八幡様:「それはどこですか?」

僕:「懐かしいなぁ。と感じた場所は、函館です。次に神戸です。最後に、長崎です」

八幡様:「ふふふ。すべて、美しい夜景で有名な場所ですね」

僕:「あ、ほんとだ! しかも、その夜景の風景は、全部見ています。現世で」

八幡様:「アニキの前世に関しては、一切語らないことにしているので、ここでは何も言えませんが、ひとつだけヒントを申し上げておきましょう。全てが港町です。外国人の行き来があった場所です」

僕:「あー、なるほど。まあ、でもこれ以上は言えませんよね」

八幡様:「はい。言えませんね。しかし、アニキに出会っている皆様が関係していることは確かです。出会えた仲間たちは、魂のご縁で繋がっていますからね。いつか時が来れば、実相大学でお話ししても良いのかもしれませんね」

僕:「わお。でも、それを話す時が来れば、かなり壮大になっちゃうのでは?」

八幡様:「そうですね。3冊くらいの長編小説になるでしょうか。また機会があれば、ぜひ」

ということで、登場人物が皆様の小説ができたら面白いですね〜。

僕は歴史的な建造物は作れないけど、文章ならなんとかなりそうです。

実相大学がひと段落したら、ゆっくり書いてみようかしら、なんて思う僕でした。

あなたに、今日も幸あれ。

ご支援ありがとうございます。このnoteはサポートのお志で成り立っております。メッセージにお名前(ご本名とご住所)も入れていただけると、感謝とサチアレ念をダイレクトに飛ばさせていただきます。