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日本は核兵器を保有すべきか

こんにちは!
株式会社Origin.の奥平です。

現在行われているウクライナ戦争でプーチン大統領が核兵器の使用をチラつかせていることで、日本国内でも核保有について話題になることが増えました。

核兵器は1発で数百万人を即死させる威力だと言われており、アメリカとロシアはそれぞれ6000発くらい保有しています。

今回のウクライナ戦争は

「核を持っていないウクライナ」
      VS
「核を世界トップレベルに保有しているロシア」

であるため、本気で戦ったらロシアが圧勝します。

「ウクライナが核を持っていないため攻め込まれている」という考え方もあり、核を持っていない我が国日本でも核を保有すべきという意見があるのです。

そこで今回は核を持つことによるリスクとリターンについて整理していきます。

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①現在の核保有国

まず世界で核保有が認められている国は

アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の5カ国です。

国際連合の安全保障理事会の常任5カ国です。

第二次世界大戦の勝利国が世界の秩序を守るという大義名分の元、核保有を5カ国に限定したのです。
(その後ロシアが西側諸国と仲が悪くなり、中国が急激な発展を見せて今の世界構図になっていきます)

核拡散防止条例では上記5カ国以外核の保有は禁止されていますが、それ以外に核を保有している国もあります。

インド、パキスタン、北朝鮮などです。

他にも核開発していたり水面下で保有している国はあるでしょう。

核を保有していないと核保有5カ国に対して頭が上がらなくなるのでその対策でしょう。現に北朝鮮は国民の食料すらままならない弱小国ですが、核を保有していることと独裁国家であることから、あれだけミサイルを放って挑発行為をしていてもお咎めなしな状態です。

世界の核保有状況を理解した上で、いくつかのシナリオを検証していきます。

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②シナリオA 「現状維持」

現状の日本は非核3原則を採用しています。
「持たず、つくらず、持ち込ませず」という原則ですが、これは方針であって法的拘束力はありません。ここではメリットとデメリットを整理していきます。

・メリット① 他国から警戒されない
日本が核保有するとなれば中国とロシアは警戒してくるでしょう。今ももしかしたら水面下で日本が核保有に動いている可能性はありますが、中国とロシアからすると日本が核を保有することにより自国が攻撃される可能性が出てきます。よって現状維持だと中国とロシアの警戒感は薄れていくのでメリットと言えるでしょう。

・メリット② 国内からの批判を無くせる
被爆国である日本が核保有に関して前向きな姿勢を見せると、国内から多くの批判が生まれるでしょう。被爆国であるがゆえに「核保有は悪」という考え方が根付いているので、国内の統制が難しくなります。現に岸田総理が核の議論に猛反対しており、自民党内でも意見が割れてきています。

・デメリット① 他国に対する抑止力がない
これは今回のウクライナ戦争での論点の1つ「核がないから攻められた」という点です。核がないことで攻める側は自国が攻撃される可能性が下がります。よって他国が攻撃してくることに対する抑止力が弱いと言わざるとえません。

・デメリット② アメリカが守ってくれない?
これも今回のウクライナ戦争の教訓ですが、ウクライナが核を放棄する代わりに周りの国が守ってくれるという「ブダベスト覚書」を1994年に交わしているのですが、これが守られていません。
ウクライナ、カザフスタン、ベラルーシの3カ国が核を放棄することで他国から攻められた時に守るというもので、アメリカ、イギリス、ロシア、フランス、中国の核保有5カ国がサインしているのです。
しかし、その中のロシアがウクライナに攻め入り、他国は守っていないのが現状です。
日米同盟とブダベスト覚書を同等にはできませんが、アメリカが日本を助けないということもリスクとして入れておくべきです。(バイデン大統領は他国を守らない方向性が見て取れる)

現状維持でもメリットデメリットがありますね。

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③シナリオB 「世界にの非核を目指す」

そもそも核兵器のような危険なものは世界から排除すべきという考えです。

被爆国である日本において、最も理想とされる選択肢ではないでしょうか。

しかし日本が世界の非核を目指したところで、世界を非核にするために行動するにはリスクが大きすぎるのです。

・アメリカとの関係性
現状日本はアメリカの核の傘の中にいます。つまりアメリカに守ってもらっているのです。そんな中核兵器保有に反対すること(核兵器禁止条約に参加)することで核保有国を否定することになり、日米同盟に亀裂が生じる可能性があります。アメリカは日本と組むことにより中国、ロシアに対して優位に進めていきたい、日本側としては国力を伸ばしアメリカに貢献することでアメリカから守ってもらうというお互いのメリットがある状態です。
日米同盟がなくなった瞬間日本は中国に侵略されるでしょう。

・世界の中には話し合いが通じない国がある
これは今回のロシアがそうで、相手が核保有を拒否したらそこを狙って攻めてくる国がいるのです。特に日本は隣国に北朝鮮と中国があり、防衛に関してはしっかり対策しておかないとあっという間に支配されることでしょう。
また核保有国からすると、核があることで世界のトップの座に座っていられるので、簡単に手放すとは考えにくいです。

・核兵器がなくなることで世界は混乱する
仮に核兵器が全世界からなくなったとしても、1カ国でも核を作り出したり保有する国が生まれると世界バランスは一気に崩れます。また核兵器があるが故に大きな戦争が起こりにくくなっていますが、核兵器がないことで戦争が勃発しやすくなります。

以上から、理想のシナリオである「世界を非核にする」は実現が難しく、日本が更に不利になっていく可能性があるでしょう。
核兵器が平和を維持するために役に立っているという側面からも考えていく必要があります。

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④シナリオC 「核共有」

これは安倍元総理の発言で「核のシェアリング」というものです。

実際にドイツ、イタリア、ベルギー、オランダではアメリカの核兵器が設置されています。核兵器の使用は最終的にアメリカに決定権があります。

これの大きなメリットは、アメリカの核を共有することで世界からの反発が起こりにくことです。また決定権がアメリカにあることで、日本がアメリカから守ってもらっている形を取れるので、自然な形で設置できます。

ただデメリットとして、アメリカへの依存度がこれまで以上に高くなることが挙げられます。

個人的にはどちらにせよアメリカへの依存度は高いままなので今更感はありますが。。。

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⑤シナリオD 「核保有」

最も物議を醸しそうなシナリオです。

メリットは

・自国で他国の抑止力を向上させれる

・アメリカ依存から脱却

逆にデメリットは

・国内外からの猛批判

が挙げられます。

まず核を保有することは世界で認められていないので、認めさせるか勝手に保有するしかありません。核保有5カ国がそれを認めるとは到底考えられないので勝手に保有するしかありませんが、勝手に保有することで大きな経済制裁を受けるとともにアメリカとの関係が悪化するでしょう。

さらに前述しましたが、国内での反論はすさまじく、あちこちでデモが起こるでしょう。

よって核保有は現実的ではないと思われます。

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⑥まとめ

今国民みんなで考えないといけないことは

「どうやったら攻められないか」です。

ウクライナがこうなってしまった以上、その中の1つ「核兵器」について議論すべきだと思います。

個人的には「核保有について議論さえ許さない」という政治家や政党へは支持できないと考えています。

自国を守るために何ができるのか、その1つが「核保有」について議論すべきだと思います。

今回のウクライナ戦争で多くの人が日本の平和を考えるきっかけになっているのではないでしょうか?
1人1人ができることは小さいですが、基礎知識を付けて個人が自分の意見を持てるようになってほしいです。


今回は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。




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