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飲食チェーンが東京都を訴える

こんにちは!
株式会社Origin.の奥平です。

今回は大手外食チェーン「グローバルダイニング」が東京都を訴える裁判を起こしている件を深堀りしていきます。

今回の訴訟は

法律、政治、日本と世界の違い、経営、在り方、コロナ自体、コロナ対策

など、学べることが非常に多いです。様々な見識が広がり、生活する上で知っておくべき土台の部分を見つめなおす機会にもなります。

ニュースを見て関心を持った人はもちろん、なんとなく聞いたことある人、全然知らない人まで是非最後まで読んでみてください。

できるだけ分かりやすくまとめていきますが、少し長くなるので気になるチャプターを読んでいってもOKです。
(下の目次から読みたいチャプターをクリックしてください)

それではよろしくお願いします。


①グローバルダイニングとは?

グローバルダイニングはイタリア料理、メキシコ料理、アジア料理、和食などを都内中心に40店舗以上のレストランを運営している年商100億を超える上場企業です。

ちなみに「君の名は」の滝君のバイト先として店舗が使われていたのも有名です。

君の名は②

君の名は①


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②今回の訴訟の経緯

今回の経緯を端的にまとめます。

今年1月の発令された緊急事態宣言で飲食店に「時短営業」が要請されましたが、それに対しグローバルダイニング長谷川社長は

時短営業には従わない。1日6万円の協力金、20時までの営業で事業を維持していくのは難しい

と会社HPに記載しています。

(文中のコロナに対する見解は後程触れていきます)


緊急事態宣言は1月8日から3月21日までの期間でしたが(延長期間含む)

その期間グローバルダイニングは時短要請に従わず通常営業を行っていました。

すると3月18日に東京都からグローバルダイニングに「時短命令」が下されました。


この「時短命令」が訴訟に発展します。


まず1つめ

時短営業を守らない店舗が都内で約2000店舗あったとされていますが、そのうち命令が出されたのは27店舗、そのうち26店舗はグローバルダイニングの店舗だったのです。

あきらかに狙い撃ちされています。
(お上に逆らうこうなりますねw)


2つ目

時短命令をグローバルダイニングに対して狙い打ちしたことに対して

時短要請に応じないことを強く発信している」のが理由だと述べられています。

つまり

「時短要請に従わない」ことを大きく発信していることに対して、他の飲食店に悪影響が出るから命令している。ということです。


上記から


時短命令の根拠となる法律(特措法)が営業の自由を侵害しているのではないか?
つまり特措法自体が憲法に違反しているのではないか?


時短命令を受けた理由が表現の自由を侵害しているのではないか?
つまり東京都が憲法を違反しているのではないか?


という内容の訴訟となっています。

今回の訴訟からグローバルダイニング側は、国のコロナ対策の是非を問う形になっているので、非常に注目しています。


では、今回の訴訟の大きな争点となる特措法と憲法について見ていきましょう。

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③特措法について

特措法(特別措置法)とは

現行の法律では適切に対処できない場合に特別に制定される法律」です。

主に緊急、突発的な問題に対して制定されます。例として

大規模地震対策特別措置法、テロ対策特別措置法などがあります。

要するに、新しい問題が起きて今ある法律では対応が不十分である場合に新しく作られた法律です。

今回のコロナでは「新型インフルエンザ等対策特別措置法」が適用されるのですが、緊急事態宣言が発令されたら、「家から出ないでください」「お店は休んでください」など自由を奪う法案です。

通常の法律では強制できないところまで強制ができるものです。

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④憲法について

国の最高法規、人間が人間らしく生きるための原則が定められています。

法律は「国民」が守るべきものであるのに対し、

憲法は「国」が守るべきものです。

今回の訴訟は

〇第22条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

→特措法(時短命令できる)がこれに違反していると主張

〇第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

→時短要請には従わないと告知したことで時短命令を受けたことが、これに違反していると主張


今回の訴訟は憲法そのもののあり方を考えさせられるものとなっています。

話はそれますが、憲法により我々の人間らしい暮らしが守られているのですが、憲法改正に至っては様々な意見があります。
諸外国では何度も憲法改正を行われてますが、日本は未だに改正されたことがありません。(改正に非常にハードルが高い)

今回のような世界的パンデミックが発生した場合などは柔軟に改正した方が良いという意見がある一方、簡単に改正できてしまえば戦争に巻き込まれる場合もあります。

今回のグローバルダイニング訴訟の件で憲法改正が良くない方向に進まないように願いたいですね。

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⑤アメリカ政府の対応

では話を戻します。

グローバルダイニングはアメリカにも2店舗出店しており、今回のコロナ騒動での対応が日本と全く違うことも述べられています。

日本では時短要請に応じた店舗には一律1日6万円の協力金を支払うことになっていますが、この対応の問題点は

「売上規模が大きくても小さくても同じ金額の補償」

という点です。

グローバルダイニングのような売上が高い店舗はとても経営できない状態になります。


アメリカの場合は売上規模に応じて必要な金額が速やかに支給されます。

つまり企業へのバックアップ体制が強いということです。

これは失業率にも表れており、1年前は15%ほどの失業率が現在は6%ほどと一気に改善されています。

起業へのバックアップが協力なため、業績が復活するのも早くその分雇用も生まれる流れです。

日本と比べると政策が全く違うことが分かりますね。


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⑥グローバルダイニング長谷川社長の主張


ここではグローバルダイニングの主張をまとめていきます。

今までタブーとされてきたことが公にマスコミを通して報道されたため、大きく動きが変わってくる可能性もあると思っています。


・コロナで苦しむ人、政策で苦しむ人

コロナ対策を講じることで新たな弱者が増えている。

ウィルス感染による弱者を増やさないための対策が新たな弱者を生み出しているということです。

「声を上げることのできない弱者もたくさんいるはずで、その方たちも今回の訴訟に共感してもらい幅広く問題提起していきたい。」

というスタンスです。


・そもそもコロナは。。。

現在は「緊急事態ではない」というのが長谷川社長の考えです。

「コロナは国民の生命や健康に莫大な影響を与えるものではない。
1998年のインフルエンザの方が死者数が多く、その時は緊急事態宣言は出てない。時短や休業は対策にならない」

と述べています。

今までメディアではあまり取り上げられていない

「コロナ大したことない説」を公の場でハッキリ伝えたのです。

実際コロナに感染した人が近くにいる人は見解が違うとは思いますが、日本全体を数字で議論すると経済的な弱者を作ることの方が大きなリスクであるという主張ですね。

これは国民に問うというよりも、グローバルダイニングが通常営業している理由を説明する上で、コロナの危険性があまりないという根拠があるからだということだと思います。


・政府の言いなりで良いのか?

ここでは経営者としてのスタンスを話していきます。

今回の流れは

政府が時短要請→それに従う→協力金出す→それじゃ足りないからどうすればいいの?→それは自分たちでなんとかしてください

こんな感じで泣き寝入りしている会社も多くあります。

経営者としてこれでいいのか?

グローバルダイニングは時短「要請」には従っていませんが、「命令」には従っています。

つまり、あくまで「要請」なので決定権は自分にあるから営業する道を選んでいます。

法律の範囲内であれば「決定するのは自分」なわけで、自分の意思を持たないと結局は自分でケツをふかなければならない。

同調圧力が強い日本の中で自分の意思を育てていくことは簡単ではありませんが、自分の人生なのでそこは今回の訴訟から学ぶことはあるのではないかと思います。

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⑦現状どうなっているか


・売上は上がっている

宣伝効果や他で空いている店舗が少ないため、要請に従わないことで結果的に売上は上がっているそうです。


・他飲食店からは批判の声も

「ルールを守っている我々が苦しくなって、ルールを守っていないグローバルダイニングが儲けているのはおかしい」

このような主張は多くあります。

ここまで読んでいただいた皆さんなら分かりますよね?

この批判に対する答えは

要請はルールではありません。批判などのリスクを受け入れる覚悟の上会社を守るために営業しています。

と答えています。


・世論でアンチがほとんどいない

反対に一般層からは批判の声はほとんどありません。

ヤフーニュースなどのコメント欄は長谷川社長を応援するものばかりです。

世の「政府アンチ」「ユリコアンチ」を味方につけてます。


この効果を最初から狙っていたとしたら、、、w


・クラウドファンディング

今回の裁判費用はクラウドファンディングで集められています。

1500万以上集まったようです。
(1日で1000万以上)

裁判費用を差し引いて余った分は飲食店のために使っていくとのことです。


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⑧今回の裁判の行方

裁判の行方としてどうなっていくかですが、

行政訴訟は勝確率低い

と言えるでしょう。過去から見ても10%ほどのようです。

また裁判を進めていく中で国の失態が出てくるかもしれませんね。

例えば陽性数の改ざんなど、、、


あと考えられるシナリオは

裁判を引き延ばし和解、または都知事が変わって次の都知事が丸く収める

時間が経つほど周りの熱は冷めていきますので、あえて引き延ばしながら争っていくことは考えられると思います。

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⑨まとめ

今回はグローバルダイニングが東京都を訴える件を説明してきましたが、今回の訴訟から様々な知見を得ることができます。

時短要請と命令の違い、憲法の仕組み、憲法改正、特措法の効力、海外との政治の違い、コロナ対策の是非、経営者として(自分の人生)意思を持つことの重要さ、世論の意見

など

知識からマインドまで1つのニュースから派生させてたくさんのことを学ぶころができます。

今回の件では裁判がどうなるかも気になりますが、多くの人の見識が広がっていくチャンスだと思って題材にさせていただきました。

皆さんのお役に少しでも立てれば嬉しく思います。

本日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました!


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