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値上げしないサイゼリアのビジネスモデル解説

こんにちは!
株式会社Origin.の奥平です。

今回のテーマは
「値上げしないサイゼリアのビジネスモデル解説」です。

昨今の原材料費高騰の中サイゼリアは

「値上げしません」と宣言しています。


マクドナルドのハンバーガーが170円に値上げになってざわついていますがサイゼリアはその反対を行きます。
(昨年3月までマックのハンバーガーは110円でした)

マクドナルドは150%も値上げしているのにサイゼリアは何故値上げせずにやっていけるのか、そこを今回分析していきます。

ちなみに、僕個人としてはサイゼリアファンなので値段据置きは嬉しい
でも経済のことを考えると値上げすべきと考えています。

今回は値上げすべきかという論点ではなくサイゼリアのビジネスモデルを学ぶという観点で読んでいただければと思います。

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① 外食産業の現状


このインフレ経済の中ほとんどの飲食店は値上げをしています。

原材料費が上がっているので値上げしないと経営を圧迫します。

値上げしない場合は人件費が削られることが多く、シフトが減らされたりボーナスが下がったりするわけです。

そんな中サイゼリアは値上げしないことを公言しています。

何故サイゼリアは値上げせずにやっていけるのか、もしくは何かを犠牲にするのか

中身を分析していきましょう。

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② セントラルキッチン方式


サイゼリアは自社の工場でまとめて調理し店舗に配送する形を取っていて、

各店舗で調理を行っていません。

店舗では調理器具はほとんどなく再加熱や盛り付けなどを行います。
(揚げ物を揚げるフライヤーや包丁もないそうです)

セントラルキッチン導入により収支にどのような影響があるか考えてみてください。(1分考えてください)




こうやって考える癖をつけるのはビジネスを行っていく上でとても重要です。
セントラルキッチン導入で

・キッチンスペースが狭くてすむ
 →その分客席にできるので売上アップ
・調理が簡単なので少ない人員で良い
 →人件費削減
・まとめて一か所で調理
 →調理の効率化と原材料の大量購入により原価が下がる


またサイゼリアのセントラルキッチンは生産場所から近くに建設しているので品質も高い状態で調理ができるのです。

例えばサイゼリアがこだわっているレタスですが、朝収穫したものをそのままセントラルキッチンに運び調理しています。

さらにハンバーグとミラノ風ドリアのためにオーストラリアに自社工場を設立しています。
(ハンバーグは牛100%の美味しさ、ミラノ風ドリアはホワイトソースに使用するミルクの質にこだわるためオーストラリアを選んでいます)

こうしたセントラルキッチン導入で原価と品質を同時に高いレベルで
実現しているのです。

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③ キャンペーンをやらない


飲食チェーンは定期的にキャンペーンを行って集客していきます。

マクドナルドの月見バーガーは秋の定番キャンペーンとして行われます。

キャンペーンをやらないことで大幅にコストを抑えられます。

では何のコストを抑えられるのか?
(1分考えてみてください)







考えましたか?

キャンペーンを行わないことで以下のコストを抑えることができます。

・開発コスト
 →キャンペーンを行うための商品開発による人件費や原材料費、その他経   費がかかる
・教育コスト
 →授業員に新しいマニュアルを教育する手間と時間とお金がかかる
・マニュアル作成、POP
 →マニュアル作成やキャンペーン訴求のPOP(メニューや旗など)にも経費がかかる
・キャンペーン広告
 →CM、チラシなどキャンペーン告知に経費がかかる

キャンペーンを打たないことで来店動機が作りにくくなるデメリットはありますが、それが他社との差別化になっており経費を抑えられています。

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④ 原価が高くなったらやめる

通常原材料費が上がったら値上げしていくのですが

サイゼリアは値上げせずメニューから外していきます。

元々安く売るという思想があるサイゼリアは高くするくらいなら

やめるという選択をするわけです。

しれっとなくなっているメニューがあるそうです。
(大盛パスタとか)

つい最近だと一時期チキンのチーズ焼きが休止していました。


今は復活しているので原材料費が下がるまで休止していたのでしょう。

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⑤ 割引がない


クーポンや割引券がないのも特徴です。

割引があると告知するだけでコストになるのと売価が下がるため原価が上がります。

またクーポンなどの割引を入れると売上が客足が急に増えたりするので

発注や生産、人員配置など店舗の負担が増えるのも理由の一つでしょう。

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⑥ 低価格帯ビジネスの実態


低価格帯ブランドは価格を上げると大きく報道されます。

さきほどのマクドナルドのハンバーガーや、吉野家やすき家などの牛丼チェーンもそうです。

そして実際に客足が遠のきます。僕のイメージですが値上げ後は10%くらい客数が落ちていると思います。

今回マクドナルドが大きな値上げに踏み切ったのは

原材料費高騰は社会問題であり、国民の理解を得られるし全体の値上げの並みに乗っておいた方が良いと考えているとからだと思います。

サイゼリアもここで価格を上げても良かったんですが、あえて他企業とは逆の戦略をとったわけです。

サイゼリアが値上げしないことで他チェーンのお客様がサイゼリアに流れていく可能性もあるし、原材料費が上がり続けてサイゼリアも値上げに踏み切って客足が遠のく可能性もあります。

値上げしない戦略がうまくいくかどうか今後を状況を見ていきたいと思います。



今回はサイゼリアのビジネスモデルについてお伝えしました。

自分でビジネスを行っている人、行いたい人はビジネスリテラシーを高めていく必要あるので幅広く学んでいく癖をつけていきましょう。

今回は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


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