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ヤバイ!!世界同時物価上昇

こんにちは!
株式会社Origin.の奥平です。

最近「原油高」が問題になっていますが、原油高を皮切りに世界中の物価高が問題になっています。

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物の価格が上がり、お金の価値が下がる、つまり「インフレ」の状態になっています。

しかし、「政府って2%のインフレ目標って言ってなかったっけ??

こう考える人は日頃から政治・経済への興味関心がある人ですね。

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今回のブログでは

今世界で起こっていることを解説しながら、経済の基礎となる部分を理解できるようお伝えします。

しっかり理解できると世界の状況や政府の経済対策が気になるようになりますので最後まで読んでいただけける嬉しいです。


①世界の物価状況


現在の世界の物価状況を見ていきましょう。

物価が上がっているかどうかは「消費者物価指数(CPI)」で見ていきます。消費者物価指数とは、食料品やエネルギー関係を除いたモノやサービスの価格のことです。この数字を見ることで物価が上がっているかどうかが分かります。

消費者物価指数推移(前年比)        

                                9月     10月
アメリカ     +5.4%     +6.2%
イギリス     +3.1%       +4.2%
 日本      +0.2%     +0.1%
 中国      +0.7%     +1.5%
 韓国      +2.5%     +3.2%
 インド     +4.4%     +4.5%

これを見ると「日本全然物価上がってないやん」と思いますよね。

そうです。上がってないんです。

ただ、これは非常にマズイことなんですね。

以下の指標を見てください。

生産者物価指数推移(前年比)      

             9月     10月
アメリカ     +8.6%     +8.6%
イギリス     +7.0%        +8.0%
 日本      +6.5%     +8.0%
 中国      +10.7%     +13.5%
 韓国      +7.6%     +8.9%
 インド     +10.7%      +12.5%

この数字は「生産者物価指数(PPI)」と言って、企業の仕入れ価格の変動を表したものです。

今の日本の状況は、企業の仕入れ価格は上がっているけど売値はそのまま、つまり原価率が上がり利益を圧迫している状況です。

では何故値上げできないのか、それは

コロナ復活期で今までの損失を少しでも取り戻したいので、価格を上げることで客足が遠のくリスクを避けたい

からです。

この状況が続くと、企業は人件費を抑える方向にシフトしていく必要があるので、リストラや非正規雇用の強化、減給や長時間労働など悪循環に入っていきます。

労働者の労働環境と待遇が良くないことで消費がどんどん少なくなり景気も悪くなっていきます。

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②良いインフレと悪いインフレ


日本は今のところ物価は上がっていないけど、企業の仕入れ価格が上がっているということは理解できたと思います。

今は物価が上がらず生活にそこまで支障はないですが、後に物価が上がってくることは予測できると思います。

しかし冒頭でお伝えした「元々2%のインフレ(物価上昇)を目指してたよね?」

という疑問が残ります。

そこでここでは「良いインフレ」と「悪いインフレ」についてお伝えします。

そもそもインフレとは

今まで100円で買えてたモノが200円出せないと買えなくなる

つまり「お金の価値が下がること」です。

我々消費者からすると「値上がり」なので嫌なイメージがあると思いますが、経済を活性化させるためにインフレは必要なんです。

政府が目標にしている「良いインフレ」とは以下のサイクルです。

企業の収益が増加→賃金アップ、雇用拡大→消費が増加→物価上昇
→企業の収益が増加

このサイクルを作りたいのです。

だから政府は企業や消費者にお金を配るのです。(補助金や助成金なども

よく「生活困窮者にお金を配る」と言っていますが、中間層にお金を配るこで消費を活発化することが最も重要です。

このサイクルを作るために様々な施策を行い結果物価上昇となることを目指しているのですが、今起こっている物価上昇は下記の流れです。

原材料値上がり→企業の利益を圧迫→賃金減少→消費が低速

つまり賃金が増えない状況での物価上昇です。

これを悪いインフレ「スタグフレーション」と言います。

この状況を打破するには、政府が大きな財政出動を行いお金を配って消費を刺激していくしかないのですが、そんな中で18才以下に10万円とか、クーポン配って900億経費がかかるとかくだらないことをやってるのです。

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③何故物価が上がっているのか?


では何故物価が上がっているのかを考えていきましょう。

物価が上がっている理由は「生産者物価指数」つまり「原材料費」が上がっていることが要因なのは理解できたと思います。

ではなぜ生産者物価指数が上がっているのか、理由は大きく2つあります。

・サプライチェーンの混乱

・原油価格の上昇

1つずつ見ていきましょう。

【サプライチェーンの混乱】

サプライチェーンとは生産から消費者まで商品が届けられるまでの流れのことです。

生産→配送→販売→消費者

簡素化するとこの流れですが、生産と配送に問題が起きています。

生産部分では、コロナの影響で人の移動が禁止されたため、人手不足となって適正量の商品が作れない状況です。

また配送部分では、コロナ明けで一気に需要が広がったため貨物での運送の流れが良くありません。世界の貨物の90%は海運なのですが、海で渋滞が起きているのです。

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モノが作れない、モノが送れないことによる「供給不足」が起こっており、原材料費が上がっているのです。

モノの価格は「需要と供給で決まる」ので、需要に対して供給が追い付いていない状況です。


原油価格の上昇

もう1つの要因として「原油価格の上昇」があります。

原油輸出機構(OPECプラス)が生産量をコントロールするのですが、増産しないことを発表し供給不足となっています。

昨年からの流れは

コロナによる経済活動の落ち込みで需要が激減

減産

需要が拡大

アメリカが増産を促す

増産見送り

価格高騰 

この流れで現在の高騰に至っています。

何故増産しないかというと

・原油産出国はできるだけ高く売りたいと考える

・需要は一時的で今増産すると供給過多になる可能性がある

この2点だと考えます。

また「脱炭素問題」も絡んでいるので、簡単に増産とはいかない流れです。

原油価格が高騰し続けると運搬費の上昇や石油商品価格の上昇など石油が関係しているモノの価格が上がっていきます。

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④今後どうなる?


ここまで読んでいただけたら現在世界で起こっていることと物価上昇の理由が理解できたと思います。

こういった状況では「できるだけお金を貯めておこう」という考えになるのですが、個人ベースでは正しい判断になりますが、日本経済にとっては良くない状態です。

だから政府がお金を消費に回る形で配っていかないといけないのですが、それも期待できそうにありません。

1月以降は2択で

・企業が耐えられずに値上げに踏みきる

・値上げできないから人件費をカットする

このどちらかに大きくシフトしていきそうです。

サプライチェーンの混乱はじきに収まると思われますが、変異株の登場で先送りされる可能性が高いですし、原油の増産もそう簡単にできなさそうなので2022年はあまり明るい経済状況ではないと予測されます。

物価が10%ほど上がる可能性もあり、10%上がると年間で1ヵ月分の減給になるのと同じようなものなので、日々の報道を見ながら個人としてもお金の管理もしっかり行い、少しだけ政府に期待して過ごしていきましょう。



今回のブログは以上です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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