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恒大集団経営危機について解説

こんにちは!
株式会社Origin.の奥平です。

今回のテーマは「恒大集団経営危機」についてです。

最近ニュースに頻繁に登場しています。

「恒大集団は中国の会社で、そこの経営が危うくなってきている」

くらいまでは何となくわかると思いますが、具体的にどう危険なのかまで理解している人は少ないと思います。

そこで今回は

・恒大集団とは?
・何故経営危機になっているのか?
・中国の経済状況は?

これらにまとめてできる限り分かりやすくお伝えしていきます。

①恒大集団とは?

では最初に恒大集団問題とは何なのかをお伝えしていきます。

簡単に言うと、中国で第2位の不動産会社である恒大集団という会社の経営が危うくなっています。

これまでに借りたお金の利子の支払い、投資家への配当の支払いなどが払えない状態になっています。
負債総額33兆円という異次元な金額になっています。

広大集団という会社は超巨大企業で、売上規模は日本最大の不動産企業である三井不動産の約6倍です。

主な事業は「不動産開発業」で、簡単に言うとマンショを立ててその部屋を売っています。
その他にも資産運用商品を販売したり、サッカーチームの経営や電気自動車の開発も行っています。

恒大集団は設立は1996年で、20年ほどで巨大企業へ成長したのですが、これには中国の急速な経済成長が関わっています。

ビジネスモデルとしては、借金をしてマンションなどを建て、経済成長と共に保有不動産価格が上がっていきます。
その不動産を担保に更に借り入れを行うということを無限ループして成長しました。

2010年頃からは豊富な資金を活かして他の事業の運営に乗り出しました。

中国では最近北京や深センといった大都市の開発が進んでおり、不動産価格は更に上がっていきました。
大都市でのマンション価格は平均年収の50倍もの値が付き、一般人には手が届かないレベルになっていきました。

適正な価格は年収の5倍程度とされ、日本のバブル時でも20倍弱でした。
(日本の不動産バブルは、東京都だけでアメリカ全体の価格を上回っていました)

このような流れで急激な成長を遂げていきます。

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②何故経営危機になっているのか?


2020年8月、中国政府が銀行の融資に対して規制を強めました。

借金が多い企業へお金を貸さないようにしたのです。

恒大集団は借金を使って経営をしていたので、この規制に大いに引っかかってしまいます。
新たな融資を受けれなくなり、ビジネスモデルが崩壊していきます。


恒大集団のBS(貸借対照表)を見ることで危機が分かるのですが、

2020年末の段階で

現預金3兆円に対し買掛金(後払い代金)が14兆円もありました。

不動産などの資産が24兆円分ほどはあったのですが、すぐに換金できるわけではありません。

それを換金するまでの間銀行からの融資で支払いを済ませていたのです。

ところが中国政府の規制で借金ができなくなり、資金繰りができなくなったのです。

ここまで理解できれば、下記の報道の意味が分かると思います。

画像1

現在は債務を支払うために不動産などの資産を格安で売却して現金を集めています。

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③中国の経済状況は?


リーマンショック時のような影響はないとはされているものの、連鎖的に企業が倒産し中国経済に大きな影響が出るのは必須だと思われます。

しかし、中国政府がこうなることを見越していなかったとは思えません。

銀行の融資を制限した時点で、恒大集団のような経営スタイルの会社は経営危機になるのは簡単に予測がつくと思います。

習近平国家主席は「共同富裕」という「みんなで共に豊かになろう」という方針を打ち出しています。

現在の中国は貧富の差が激しいため、それを解消し一般国民からの支持を強固なものにするのが目的だと思われます。

そもそも経済を強くしていく流れで「先富論」という考え方があります。

先富論とは「みんなが豊かになるために先に一部の人が豊かになる」という考え方で、恒大集団はまさに先富論の真ん中にいたのです。

この20年で中国のGDPは約100兆円から約1500兆円へ成長しています。
その経済成長に恒大集団は貢献してきたわけですが、

先富論から共同富裕への方向転換により用済みとされた

という見方が正しいでしょう。


つまり、世界で戦える経済力を持つためにこの20年は経済成長に力を入れてきたが、これから先は国民の幸福度に力を入れるということです。
(下記GDP内訳を見て確信しました。)

図1

中国のGDPは上がっているに関わらず、一般消費の率が低い。

すなわち、一定の企業やお金持ちが儲けていて貧富の差が激しいということです。

中国の方が日本より経済力が強いにも関わらず、中国人がたくさん日本に出稼ぎに来ている理由はこれです。

このような拝見から、中国政府は次の対策として「共同富裕」という「みんなで共に豊かになろう」という施策を強化していくために今回の融資制限を作り、恒大集団のような大企業に圧力をかけ不動産価格を下げていっているということです。

(不動産価格が下がって一般人が購入できるようになれば幸福度も上がる)

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④まとめ

ではまとめていきます。

・恒大集団とは中国の不動産開発企業で、世界有数の規模を持つ超大企業

・お金を借りて事業を拡大させる経営手法

・この20年の中国経済発展と共に爆発的な成長

・しかし中国政府の融資規制により急速に資金繰りが悪化した

・その背景には「先富論」から「共同富裕」へとシフトした政府の思惑がある


世界情勢を知る際に、GDP1位のアメリカと2位の中国の動きは非常に重要になってくるので、今回の中国の施策が今後どうなっていくのか、注目していきましょう。


今回は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。


ライター 奥平俊也(おくひらとしや)
会社2社経営。物販コンサルタント。
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