枯れること

作品解説【枯れることができる】

タイトル:枯れることができる
サイズ:Sサムホール
画材:洋金箔、岩絵具、水干絵具、墨、マットメディウム、高知麻紙、パネル
制作年:2018

世の中には枯れることができないモノがある。だから【枯れることができる】

アルバイトの帰りに見た大きくて立派なイチョウの木から枯れ落ちるイチョウの葉達を見てこの作品を思いつきました。

枯れ落ちたイチョウの葉を見て、「このまま朽ちていくだけなんやな」とか思っていたのですが。。。。。なんかそれって寂しくないですか?

散って落ちたらもうお終い。次第に茶色く変化していき、水分が無くなって、パリパリになって、風に吹かれて体がバラバラになってまたどこかの土になる。

これが現実であって、葉というものはきっと木から離れた時点で役割を失ってしまうのだとしても。。。

朽ちていくまたは劣化していくということに意味や意義を見つけてあげないといけない。散っていくという工程をこのまま綺麗事として受け入れてしまう自分がいるという事がとても怖く感じました。

それと同時にこの世からすぐに朽ちることができないものもあるということに気が付きました。一番初めに思いついたのはプラスチック。あとガラス。
(石や岩は今回は除外しますw )この世から朽ちて無くなることができないものがあるからゴミ問題が生まれたり。

枯れて朽ちていけないもの(または朽ちていきにくいもの)には耐久性があり、劣化しにくい様にできている。しかしそれは人間の生活のためを思ってであって。

絵画も朽ちていきにくい方が良いに決まっている。
文化財もしかり。

・・・しかし途中で気づいてしまった。

自然界では朽ちていく方が都合が良いのだ。

なぜなら自分以外の誰も自分の後始末を行ってくれないから。

制作事の変化

京都府在住。画家(アクリルor膠彩画)。現代社会に生きながら、人々の痕跡を見て暮らしています。人が沢山いる所に居ても、なぜか寂しくなるだけ。だから『何か』をして楽しみたい!というのが行動動機です。