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その旅人を信じていいのか?

 少し前のこと。

「旅中に財布を無くした。知り合いが以前1166バックパッカーズに宿泊し、親切な宿だったと言っていたので、助けてくれるのではないかと思い来た。2~3日、仕事を手伝うので泊めてくれないか」

 
玄関に現れたその男性は、要約するとそんなことを頼んできた(私は不在のタイミングだったので、スタッフがどう対応していいかわからずに電話をかけてきた)。さぁ、あなたなら、どうする?

 これが日本昔ばなしであれば、じさま・ばさまは「どうぞどうぞ」と受け入れて、自らの布団でも貸してあげるところかもしれないが、電話口での私の回答は即答で「NO」だった。
 非情に聞こえるかもしれないが、私はお金を出して泊まりに来てくれている人に「安心、安全に」泊まっていただくのが仕事。大きな声では言いたくないけれど、これまで14年の営業のなかで、相手に同情したがゆえに痛い目にあったことは数度ある。以下に2つの例をあげる。

①娘が交通事故に遭った男性の話

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