#SaveOurLife 5月7日 記者会見 鈴木将 (カルチャー・オブ・エイジアスペース事業部 部長/clubasia店長)、北條誠人(映画館 ユーロスペース/SAVE the CINEMA)、中津留章仁 (劇団TRASHMASTERS主宰/劇作家)

5月7日に行われた #SaveOurLife の公開記者会見を当日見て、つだったのの続きです。アーカイブが公開されて、今更感もありますが。記者会見はちょっと長いですが、是非見てください。
https://www.youtube.com/watch?v=O4igfnXcksc
https://www.dommune.com/streamings/2020/050701/

鈴木将 (カルチャー・オブ・エイジアスペース事業部 部長/clubasia店長)
渋谷で4店舗の運営している。一番長い店舗は24年目。どの店舗でも3月27日から営業を自粛している。その後緊急事態宣言があったため、4月は一日も営業していない。5月31日まで緊急事態宣言は延長されたので、今月も店舗での営業はできない状況が続く。

すでに系列店の3店を閉店することになった。そのうちの1店舗はもうすぐ20周年だった。その場を守れなかったことを、これまで支えてくれたたくさんの人たちに申し訳なく思っている。いまでも各店舗の店長やスタッフたちは、閉店への戸惑いを整理しきれていない状況だ。

3店舗の閉店を決めたことで、各所へ心配をかけたうえに、場が失われることへの悲しみの声が寄せられた。
なぜ続けられなかったかというと、固定費を払える見込みがなかったから。もし現在の状況がいつ終息するかわかってさえいれば、なんとか続けていけたかもしれない。けれど、終息が見えない現状で家賃や人件費を払い続けるのは不可能だった。

残る一店舗を守るためのクラウドファンディングをしている。5500名の方が支援してくれて目標を達成した。しかし喜べる状況ではない。支援の状況も引きつづき募集している。
クラウドファンディングをしていいのかということも悩んだ。しかし心配の声や店を続けてほしいという声に背を押されてクラファン立ち上げに至った。

24年間様々な人が集まり歴史を紡いできたアジアエイジアを守っていきたいと思っている。

どこのクラブやライブハウスでも固定費、つまり家賃の問題が大きいだろうと考えている。この状況が年単位で続くなら、日本からクラブやライブハウスの灯は絶えてしまう。音楽は娯楽であることを自覚しなければならないと思っている。食べていくことが一番大切だ。それでも音楽を聴いて、それに突き動かされた人たちが世の中を変えてきたと考えている。そういう場を守っていきたい。大切なことのはずだ。

クラブやライブハウスの場を生活の手段として使ってきたアーティストにも、困っている人がたくさんいる。すべての音楽に関わる人や場所を守るための支援をこれからも募る必要がある。そのことに注力していく。

次にいつ店を開けられるか、全然わかっていない。我々はエンターテインメントなので、アイデアをひねり出しながらなんとか続けていきたい。けれど国としてもこういう問題があることを認識してほしい。
我々は本来裏方の人間。それが表のステージに出てくるというのは、一種の非常事態だ。そのことも察して欲しい。

北條誠人(映画館 ユーロスペース/SAVE the CINEMA)
SAVE the CINEMAはミニシアターの運営者だけではなく、映画の作り手と配給会社や宣伝スタッフの人たちの呼びかけで構成されている。全国のミニシアターを救うための支援を政府にしてもらうことを求めるのが一つ、終息後の経済支援を公的にしてほしいというのが二つ目の目的だ。

多くの人からいろいろな形で支援をいただいている。本当にありがたいと思っている。

私たちの状況は小学校の休校が決まった時点で、かなり例年より売り上げが激減していた。実質的に3カ月ほどの休業をしているような状況だった。
ひとつふたつのミニシアターが無くなってしまうといった話ではなく、日本中のミニシアターが危機に立たされている。民間の支援でどうにかなる状況ではない。

これまでもロビイングをして窮状を訴えてきた。今回は #SaveOurLife さんに声をかけていただいて、ミニシアターの窮状を訴えるべく参加した。

日本のミニシアターの文化は希少なもの。潰れてしまったら、この50年間で築き上げてきた文化は失われてしまう。資本のないミニシアターだからこそ果たす事のできた役割があった。ミニシアターは日本映画や日本文化の将来を決定づけるものだ。

中津留章仁 (劇団TRASHMASTERS主宰/劇作家)
演劇は公的な劇場や、小さな劇場など様々な場で行われてきた。有名な大きな劇団でも次の作品を作れなければ潰れるということが、当たり前にある世界。劇団とそこに属す人への公的な支援が必要だ。

政治的な理由もあり、わりと早い段階で公演中止になった。3月半ばに行った公演では観客はいつもの半分ほどだった。時間がたつほど観客も少なくなっていった。
公演をキャンセルするなら、キャンセル料が必要。その負担の大きさに公演を選んだ劇団も多いはず。
社会的な状況の中で公演が開けない状況になっても、支払いをする必要がある。中止になったなら、劇団か劇場が負債を背負う。

フリーランスや演劇人を中心に署名を集めて、生活を守ってほしいという要望書を政府に提出した。その時はゼロ回答だったが、そういった活動の中で同じように困っている人たちとのつながりもできて規模も大きくなってきた。

政府も我々の窮状を理解しているはずだが、具体的な動きは未だにない。動きが遅すぎる。
持続化給付金を使えと言われるが、たとえば直前で公演を中止して900万の損失が出た劇団はどうしたらいいのか。個人が被らなければいけないという話になってくる。これはどうしたらいいのか?100万や200万の給付金では、文化は守れない。

劇団が倒れないようにするための公的な支援策が必要だ。劇団はそれぞれ養成所を持っている。養成所が無くなると俳優が育たなくなってしまう。日本は公的な劇団が無いという珍しい国。文化面での脆弱さのせいで、演劇が無くなりそうな事態に陥っている。そういった面での問題にも今後は取り組んでいきたい。

質問:それぞれどういった補償が具体的にあれば事業を継続できそうか?
回答:鈴木将 (カルチャー・オブ・エイジアスペース事業部 部長/clubasia店長)「家賃保証が一番重要。金額としても一律ではなくそれぞれの地代にあった金額を出してほしい。」

北條誠人(映画館 ユーロスペース/SAVE the CINEMA)「何よりも固定費の補償をいただきたい。非常事態宣言が緩和されていったとしても、すぐに客が戻るわけではない。復興期の支援も支援策のヴィジョンに入れてほしい」

中津留章仁 (劇団TRASHMASTERS主宰/劇作家)「固定費も必要だが、作品を作るのにはお金が必要。固定費以外にどれだけ必要かは劇団にもよる。コロナ禍で劇場についてしまったネガティブなイメージは、コロナ禍が過ぎても残ってしまうと心配している。それを払拭できるかは分からないが、それでもやらなければならない。演劇を観劇しようというキャンペーンなどをしてもらいたい」

※後日動画を見直して手直しするかもです。

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