松下まり子の「居住不可能として追放された土地」展、岩波友紀の「One Last Hug」写真展 20201014

KEN NAKAHASHIで今日から後期がはじまった、松下まり子の「居住不可能として追放された土地」展と、シリウスで今日が最終日だった岩波友紀の「One Last Hug」へ行ってきた。


予期せぬ一瞬でそれ以後の世界が永遠に変わってしまう衝撃。そんな予測不能の状況の中でも時に美しい瞬間があること。失った何もかもを諦めた先で、ふと自分の存在の確かさに気付き天を仰いだ人の姿。松下まり子の絵を見ながら、そんなことが思い浮かんでいた。私たちは否も応もなく付いた傷と生きていくしかない。


画家本人によるとこれらの絵は、彼女が2019年に旅行で行ったアウシュビッツの衝撃から生まれ、コロナ禍の中で描かれたものだそう。

もしかしたら前情報なしに見たほうがいい絵かもしれない。でも誰であれ心のどこかしらを揺さぶられる力のある絵だと思うので、興味がわいて行けそうな人は行ってみてください。


コロナ禍がはじまってから、このギャラリーは完全予約制になったので空いている時間を事前に確認できるし、安心して鑑賞できると思います。予約はHPから。当日の朝の予約でも大丈夫でした。

新宿御苑の新宿門側にある、ものすごく古くて階段がちょっと怖いビルの最上階にあるギャラリーです。
今日がこの展示の後期初日。前期も行けたらよかったな。

一番気に入ったのは、この痩せた雌犬の絵でした。


シリウスで今日が最終日だった写真展は、311後に失った子どもを探しつづける3人の父親を中心に、喪失そのものと、喪失とともにある人生を痛ましくも美しく、彼らへの共感とともに撮られていた。

同じ題名の写真集も出ているので、見かけたら覗いてみてください。

noteは横長の写真しかのせられないのね😅

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