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ウクライナ戦争は世界をどう変えたかを読んで

これまでnoteには、社会や政治のことを書いたことがありません。
身近なことを気ままに書いていたいし、あまり難しくならずに、のんびり楽しみたいと思っているから。
また、歴史や政治は苦手な分野というか、どなたかに説明したり意見を述べられるほど、よくわかっていないのが正直なところです。

しかしながら、現在の世界情勢を知るのに参考になった本があるので、書いておきます。

それは『ウクライナ戦争は世界をどう変えたか「独裁者の論理」と試される「日本の論理」』です。

著者は、テレビ東京報道局所属の報道記者でニュースキャスターである、豊島晋作氏です。

ロンドン支局長兼モスクワ支局長として欧州やアフリカなどで取材され、現在、Youtubeチャンネル「豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス」でも最新の国際情勢について解説をされています。

大学院で国際政治学が専門だったという豊島さん。本書では、ウクライナ戦争が起こった背景と実態を、ロシア・ウクライナそれぞれの歴史や理論をもとに考察しています。そして、ウクライナ戦争でのロシアの戦いから、中国や北朝鮮は何を学んだのか書かれています。
さらには、将来の台湾での戦争のリスクについて考え、日本はいかに備えるべきかを問いかけています。

読んでよかったと思ったのは、各国の歴史や論理について、たくさんの文献と取材をベースに「客観的に」書かれていて、知ることができたことです。

ウクライナ戦争が起こった理由を知るためには、歴史的背景を知る必要があります。ウクライナやロシアだけでなく、フィンランドやバルト三国のこと。そしてアメリカやアフリカや中国など、それぞれの国が抱える歴史と論理について、わかりやすく解説されていて、あらためて、世界は各国のさまざまな思いや考えが絡みあい、国際社会が成り立っているのだと感じます。

とくにフィンランドの考察が興味深かったです。

フィンランドは第二次世界大戦の勃発から3か月目にあたる1939年11月30日に、ソビエト連邦による侵攻を受けました(冬戦争と呼ばれる)。同じ時期に侵攻を受けたバルト三国はのちにソ連に併合されましたが、フィンランドはこの侵略に抵抗し、多くの犠牲を出しながらも国家の尊厳と独立を賭して、ソ連と戦う道を選びました。
ウクライナ戦争後、ヨーロッパとソ連との間で中立を保っていたフィンランドがNATOに加盟する意味について、考察されています。


また後半には、将来のリスクとされている台湾有事についても記されています。
驚いたのが、アメリカ政府が台湾戦争について、近年、複数回にわたり実施している図上演習で、米軍が人民解放軍に「敗北」していると報じられているのです。

もっとも、演習での敗北情報が意図的にリークされるのは、軍が政治家からさらなる国防予算を獲得するための議会対策という側面もある。また米軍全体を引き締め、中国を油断させる狙いもあるだろう。何より演習であって実践ではない。また米軍の通常演習は自軍を不利な状況において行うことが多いとされるので、額面通り受け取ることもできない。ただ、それでもなお、〝米軍敗北〟の情報が繰り返し出る事は憂慮すべきである。

ウクライナ戦争は世界をどう変えたか「独裁者の論理」と試される「日本の論理」


豊島さんが見立てた中国による台湾侵攻の予想シナリオは3段階。
①中国が台湾侵攻の準備を完了②中国が台湾への大規模攻撃と着上陸侵攻を開始③米軍・台湾軍による反撃

シナリオはリアルで、緊迫感があります。やがて日本がどんな立場に置かれうるか。政治家や自衛隊は、どう決断し対応するのか。豊島さんの言葉には説得力があります。

歴史を紐解きながら現在の世界情勢を知ることができ、あらためて世界の安全と平和について考えるきっかけとなりました。


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