離れて気づく、親の愛。
引越し初日。
いよいよ長かった、実家生活も終わり新生活のスタート。
しかし、まだ実感がない。
それどころか、普段そんなに感じないはずのホームシックを若干感じている。
ただ、今になって気づく。
それだけ、愛を注がれ、充実した、濃い日々を送っていたのだと。
一年前。ぼろぼろの状態を察してくれた、父が強制的に実家に俺を連れ帰った。
もちろん、今振り返ればもう廃車寸前の車のようなものだったのだろうが、当時はまだ走れると思っていた手前、不甲斐なかった。悔しかった。
なんで、また実家に戻らなきゃいけないんだ。
都会で華々しく働いている友人や、自分らしい生き方をしている彼女や、友達を横目に戦線離脱。
何をやってるんだ。
そんな気持ちで、就活依頼、再びどん底へ突き落とされてしまった気がした。
それでも、そこにいたのは、父、母、祖父母、兄、弟。家族の存在だった。
それからは、療養を含めた健康第一の日々。
新しい出逢いや、ジムで身体を鍛えるなど、新しい挑戦もした。
あまり行かなかった地元の料理屋も、母や父とよく行った。
昔の変な田舎嫌いのプライドを捨て、地元を心から楽しんだ。
そしたら、不思議と地元が嫌いではなくなった。
まだ、好きってほどではないんだけど笑
それでも、そのように伸び伸びした生活を送ったら、不思議とトントン拍子で内定が決まった。
丁度一年だ。1年間。
こうも人は変われるんだと。成長できるんだということを身を持って持って感じられた。
だからこそ、ちょっと調子に乗ると、あたかも自分一人でやってきたように思えるが、それは全く違う。
本当に何回も言うが、家族。特に、両親のおかげなんだ。
もう、明日の朝になれば、いつも母が作ってくれる味噌汁もヨーグルトも、父のくだらないジョークも、母の笑顔も、、、見られない。
そんな当たり前だと思っていた、そんな日常はもうやってこない。
涙が出てくる。これを書きながら涙が。
それくらい。本当にそれくらい楽しかった。
父の笑顔、母の笑い声を思い出すと、やっぱり泣けてきちゃう。
でも、戻りたい訳じゃない。
そんな素晴らしい日々を捨ててでも進みたい未来がある。
そのくらいの、覚悟と自分への責任を持って新天地へやってきた。
もう、実家へは戻らない。
ただ、成長した姿、与えてもらった大きな愛はしっかり返す。
いよいよ始まる自分の新しい未来に向かって。
まずは、足を上げて前へ進む。
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