スクトゥム軽4のススメ

機体の振り返りと紹介を兼ねて書き残しておきます。
シーズン3ではスクトゥム軽4を使ってリーダーボードに残ることが出来ました。
独自の魅力がある機体なのですが、取っている戦法や画面映えなどの観点から勘違いされやすい機体であるとも思っています。
軽4の中ではマイナーな型ゆえに使用者が少ないことも相まって理解が進んでいないのではとも思います。
実際、ただでさえ別ゲーと言われる軽4の中でも輪をかけて別ゲーする機体です、それゆえ独自の面白さと魅力があります。

この記事で1人であっても使用者が増えてくれることを願っております。


アセン紹介

通称スクトゥム軽4はパルススクトゥムという癖の強い盾を採用した軽4のことを指します。
数が少ないので遭遇したことのない人もいるのではないでしょうか。

パーツ解説

PFAU/66D (ハンドパルスミサイル)
この機体が取るべき距離感に最も合致したミサイル。
ノンチャージもチャージもどちらも使います。
この機体の主なダメージソースとなるにも関わらず回転率は少々悪めなので、当たる場面の見極めが重要です。

44-143 HMMR (ヨーヨー)
軽4の相棒兼壊れ武装として名高い武器。
…がこの機体ではスクトゥムが解除されてしまうため極力振りたくない。
振らないと勝てない対面もありますが、それらを除くと一度も振らずに勝つことが理想的な立ち回りが出来た証拠でもあります。

IB-CO3W3: NGI 006 (コーラルミサイル)
こちらも軽4の相棒として名高いミサイル。
強力なミサイルではありますが12秒に一度しか撃てません。
このミサイルをいかに相手に追尾させ続けるかが勝敗の分かれ目になります。
相手と距離が近いときに撃つと即座に誘導を切られてしまうので、距離が離れるタイミングやコラミサと逆方向に誘導することで、少しでも長く相手にコラミサを追尾させます。

VE-61PSA (パルススクトゥム)
この機体の代名詞にしてコンセプト。
解説事項が多すぎるので次章にまとめています。

機体フレーム
珍しいのはMIND BETA頭とグリッドウォーカーを採用していることでしょうか。
スクトゥムのおかげでスタンガン、セラピストによるスタン蓄積を気にする必要がなく、スタッガーしないことに重きを置いているため姿勢安定の最も高いMIND BETA頭を採用します。
可能な限り迅速に高高度に戻り、下がり続ける立ち回りを取るために上昇性能が高いグリッドウォーカーを採用します。
この影響でQBが絡むヨーヨーの当て方は苦手になるので他の軽4で慣れている方は注意が必要です。

パルススクトゥムについて

概要

一般的な盾と違い、パルススクトゥムにはIG(イニシャルガード)が存在しません。
代わりにアイドリング時間という期間が存在します。
アイドリング中は
  攻撃軽減21%
  衝撃軽減18%

と悲しくなるほど弱い盾が展開されます。
衝撃軽減18%という数値は武装の瞬間衝撃値の82%が衝撃残留として蓄積するということです。
コーラル武装のような瞬間衝撃と衝撃残留が同値の武装を除き、通常よりも多くの衝撃残留を受けることになります。
アイドリング時間は4秒あり、この期間中に攻撃が集中するとアイドリングを終える前にスタッガーして割れてしまうので再展開は困難です。

一方で、アイドリングを終えた後は
  攻撃軽減86%
  衝撃軽減70%
この強力な盾を張りっぱなしにできます。
LRBが直撃しても200ダメージに届くかどうか、という圧倒的なカット率を元にダメージレースで優位に立ち続けることがこの機体の強みでありコンセプトです。

また、他の盾では展開時発熱があり張れる回数と冷却を考えなければなりませんが、パルススクトゥムは張りっぱなしなので発熱を考える必要がありません。

再展開について

スクトゥムを再展開する場合は試合開始時点と違い、相手が近い状況でアイドリングをやり過ごす必要があります。
相手のENが少ない状況でヨーヨーでスタッガーを取りつつ追撃することが出来たのであれば、即座に距離を取ることで再展開する余地が生まれ、勝利を盤石に出来ます。
距離を離すことに成功してライフル数発の被弾で済むとか、ミサイルさえ回避できれば4秒稼げるといった場合は再展開可能です。
滅多にありませんが、地形戦適正の低い相手であれば障害物をホバーでグルグル回りながら再展開することもあります。

それ以外は概ね再展開を諦めてください
ヨーヨーを振った時点で不利な状況であるかと思いますが、アイドリング中に攻撃を受けてダメ押しされるのがオチです。
また、スタッガーまでスクトゥムを展開して割れてしまった場合はクールダウンに15秒かかりますので再展開は諦めることが殆どです。

特殊なケースにはなりますが、軽4対面のような張り付かれる恐れが少ない対面では自分からヨーヨーを振って即座にスクトゥム再展開を通すことでダメージを稼ぐ場合があります。

注意点

パルススクトゥムを張りっぱなしにすることがコンセプトなため、立ち回りに大きな制限が課されます。
下記の動作をするとパルススクトゥムは再展開が必要になります

  • QB

  • AB

  • 左手武器(ヨーヨー)の使用

特に注意したいのが、ヨーヨーを振ることはスクトゥムを捨てることと同義といったところです。
この機体のヨーヨーは本当に切り札になっており、これでスタッガーおよび勝ち切れるAPリードが獲得できなかったら負けます。
他の軽4のように気軽に接近拒否できないので近づかれるまでにスタッガーを貯めておくか、そもそも立ち回りで近づかせないといった工夫が必要です。

QBを使えないことからオーロラやニードルミサイルといった普通の軽4でも苦労するミサイルは基本的に回避できません。
これらのミサイルと相対した時はエレベータ軌道で被弾を減らすか、ひたすら受けながら引いてスタッガー冷やしてダメージレースを頑張るか、の2択を選択する必要があります。

また、スクトゥムが左側に判定が大きいことからミサイルを反時計回りの動きで回避が出来ません。
時計回りの回避を徹底する必要があり、それに伴って左側に壁を背負ってはいけません。
実は左に壁がある時って相当焦ってるんですね。
…こんな弱点、乗らないと分からないよ

スクトゥム軽4の魅力

圧倒的な安定感

パルススクトゥムの驚異的なカット率により、日頃から回避しづらくて困っている武装の数々が被弾しても微小なダメージに抑えられます。

これは個人的な感覚ですが、ラグなのか詐欺判定なのか分からない理不尽な当たり方をする武装に対し、スクトゥムの判定が広いことも相まって受けること前提で立ち回りを構築できることが魅力です。
変な当たり方が原因で負けたと感じることがありませんのでストレスなく乗ることができます。

独自性の高い立ち回り

スクトゥム軽4のことを盾を持っただけの軽4と思われるかもしれません。
しかし、このスクトゥムという盾を持ったことで普通では当たってはいけないミサイルを被弾しながら下がることが可能となり、普通の軽4に親しんでいた私は衝撃を受けました。
10連ミサイル2門を全部被弾しながら下がることが肯定されるのはこのアセンぐらいでしょう。

また、スタッガーを冷ますタイミングを取らないといずれはスクトゥムが割れて挽回不能なダメージを背負います。
立ち回りの解説で詳細は記載しますが、何度もスタッガーを冷まして勝利を盤石にしていく立ち回りは本当に独特なものです。
私は幅広くアセンを触っているつもりではありますが、似た立ち回りをするアセンは他にありませんし真似が出来るものではありません。
今撃たれているミサイルを受けながら下がるべきなのか、回避してスタッガーを冷やす時間を確保するべきなのか、この判断が勝敗を分けるものであり、使っていて悩み、同時に楽しいものでもあります。

シビアな攻撃面

スクトゥムのカット率は驚異的な数字ですが守っているだけでは勝つことはできず、ダメージを取らないといけません。
これをミサイル2門でやらないといけないところがこの機体の悩みであり、面白いところでもあります。

採用されているミサイルは適当に垂れ流しているだけでは全く当たってくれません。
Sランクの猛者を想定すると、冗談でも何でもなく全部回避されてしまってダメージレースに負けてしまいます。
回転率も良好とは言い難いものなので使い方を誤ると露骨にダメージが取れなくなってきます。
普通の軽4の時は割と適当に撃ってもネビュラやヨーヨーも相まってそこそこの仕事をしてくれていたのですが2門に減るだけ使い方が変わってきます。
相手の動きを読んでチャージパルスミサイルを全段HITさせるだけで大喜びするのはこの機体ぐらいでしょう。

この機体を乗っていると相手がミサイルに当たるタイミング、当たらないタイミングにシビアな感性が養われます。
ミサイルを使うタイミングが上達し、別の機体に乗った際もミサイルの撃ち方が上手くなります。

乗り換えにあたって

一般的な軽4の経験は必須ではありません。
むしろノイズになる可能性さえあります。
私はシーズン2で軽4を使ってドミナントを取得した身ではありましたが、その知識がノイズになって当初は誤った立ち回り、回避方法をしていました。
使いまわせるものはヨーヨーの当て勘とミサイルの回避方法ぐらいでしょうか。
ヨーヨーは極力振りませんし、QBを絡めたテクニックも苦手なことからあまり使いませんので難しく考える必要はありません。

スクトゥム軽4に慣れると他の軽4に乗った際に違和感を感じたり距離感が可笑しくなるので、むしろ軽4に慣れていない人ほど乗りこなすのが早いかもしれません。

参考までに当初の私がやった誤った立ち回りです

  • EN回復を目的にコラミサを撃つ
    火力不足になりがちです、やむを得ない場面以外は避けましょう。
    相手が回避するためにABしたからEN回復を通すことはあっても、EN回復したくてコラミサを犠牲にするような使い方はやめましょう。
    他の軽4と違って、着地はスクトゥムが守ってくれます。

  • 反時計周りのミサイル回避
    スクトゥムがミサイルを吸ってしまい回避できません。
    左に壁を背負わない動きをしましょう。
    ミサイルが撃たれていないうちに左側のスペースを空けるように引きましょう。

  • ミサイルロック距離を維持する
    いざという場面で冷やせません、離せる距離は離しましょう。
    APリードが取れているならダメージではなく時間を稼ぎましょう。
    コラミサの回転率は意識しなくていいです。

  • 開幕ABキック上昇
    ABしている間はスクトゥム展開もチャージパルミサも狙えません。
    グリッドウォーカーなので垂直上昇で十分です。

  • 過度なレレレ機動
    レレレ機動は軽4にとって強力なテクニックではありますが、スクトゥムの判定が広いことから多少のレレレでは回避できず、本機体では常用するものではありません。
    僅かとはいえ横移動を挟むのでそれだけ引きの速度が落ちることになり、距離が稼げないことからスタッガーを冷やせない原因となります。
    必要な場面もありますが、基本は真っすぐ引くことを意識しましょう。

立ち回り

基本的な立ち回り

相手の着地にタイミングを合わせてコラミサ、ノンチャージパルミサを撃ち込みつつ、ABで追われているタイミングにチャージパルミサを撃ち込んでダメージとスタッガーを溜めつつ下がります。
ABで追われている際はミサイルやレーザードローンはスクトゥムで受けて、ABが終わって下降から再度ABし始めるまでに撃たれた射撃を回避することで、次に追いつかれた際にスタッガーが冷えているようにします。

基本はこれだけです。
スタッガーを冷やすフェーズでカス当たりすると冷やすことが出来ずにスタッガー蓄積したまま相手に張り付かれることになります。
攻撃を欲張ったり引くべき場面で横移動を挟むと、こういった状況に陥りやすくなるので迷ったら真っすぐ後ろに引きましょう。

なお、この機体は相手のABを咎めるすべを持ちません。
チャージパルミサを合わせてもAQB1回使わせられるかどうかです。
相手はAQBする必要がないのでブーストをフル活用して真っすぐABで張り付きに来ます。
他の機体では信じられないほど長時間張り付かれることになるので欲張らずに引くことを意識しましょう。

切り札のヨーヨーについて

スクトゥム展開を止めて能動的にヨーヨーを振ることをこの記事では「切り札」と呼称しておきます。
特定の対面ではお互いのスタッガーが溜まってきており、スタッガーを冷やせる状況になく、ヨーヨーを振るしかないタイミングがどこかで来ます。
外しても負けですし、IGされても負けです。
出し渋ってヨーヨー発生前にスタッガーで潰されても負けです。
通れば勝ちます。
相手の意識がスクトゥムを割ることに向きやすいので、意外と通りやすいです。
もちろん、ヨーヨーでスタッガーを取るだけのスタッガー値を相手に溜めておく必要もあります。

汚染都市A

引き軽4、引き軽2、ABミサイラーなど引きに特化している機体の全てが憎悪を向けるMAP
もちろんスクトゥム軽4も例外ではありません。
このMAPでは引くためのスペース自体がないのでスタッガーを冷やせない事態が多発します、コンセプト崩壊です。

仕方がないので気合で相手のスタッガーを溜めて、先にスタッガーを取ることになります。
コラミサの打ち所を1回間違えるだけで負けかねません、狙いすぎて抱えていても良くないのでわずかな隙を見逃さないようにしましょう。
再展開が絶対に無理だと思ったらスクトゥムをパージして軽量化することも視野に入れてください。
わずかではありますがQBリロードと巡行速度が向上するので立ち回りやすくなります。

ボナデア砂丘A

ストライダーの残骸(MAP中央の隠れられる屋根付き建物)に立て籠られると、こちらの武装の大半が機能不全を起こしてしまいます。
対策としては下記
・開幕は浮かずに丘の方に回り込んで奇襲してAPリードを奪う
・低空飛行でチャージパルミサのカス当たりを狙いに行く
・チャージパルミサの曲げ撃ちを狙う

重量機体(PBT, LRB重2など)

立ち回りを間違えなければ有利がついている対面。
10連ミサイルの捌き方が重要で、これを誤っているうちは不利対面と間違えるぐらいに厳しい展開になります。
基本的に以下の考え方で盾受けと回避を判断します

盾受け
・ABで追われて距離が近い
・相手のENが尽きそう
・受けてもダメージレースで勝てる

回避
・回避できればスタッガーが冷える
・相手のENが尽きて降下中に放ったミサイル
・距離が離れている状態で放ったミサイル
・受けるとダメージレースで負ける対面
・受けると距離が近い状態で割れてしまう

PBTの場合はショットガンを受けるとスタッガーの溜まり方が厳しいことにになり、LRB重2の場合はLRBを受けるとダメージレースが厳しいことなりがちです。
逆にショットガンのダメージは考慮しなくてもダメージレースに勝てますし、LRB対面のスタッガーレースはまず負けません。
これを意識して10連ミサイルを捌けるようになると相手に追いつかれることすらなく勝利できます。
特にLOCステーションでは一度も張り付かれることすらなく勝てるようになります。

中量機体(エツジン、重ショ)

相当不利な対面です。
重量機は引き離せるタイミングがあるのですが、中量機はそのタイミングがありません。
よってスタッガーを冷やすタイミングが殆どなく、相手が軽4対面の動きを熟知している場合は先にスタッガーを取るしかありません。

特に厳しいのがSAN-TAIジェネレータの復元を活用して常に張り付き続ける動きをされることです。
この動きをする相手に対してコラミサは腐ります。
パルミサはチャージを相手のAB初動のAQBできないタイミングに合わせるしかありません、他のタイミングでは1発掠るかどうかです。
パルミサを当てられないでいると切り札のヨーヨーを切ってもスタッガーを取ることができずにそのまま負けてしまいますので、相手をよく見てAB開始のタイミングにパルミサを合わせましょう。

軽4

有利というわけではありませんがスクトゥムのおかげで強気に出ることができます。
通常の軽4ミラーはお互いのミサイル回避精度を競いながらヨーヨーの読み合いをする立ち回りになります。
スクトゥム軽4はヨーヨーを受けても痛くないどころか、一度だけ初段を盾受けした後に返しのヨーヨーを当てることができます。
その後にスクトゥム再展開を通すことが出来れば覆されない盤面を形成できます。
二度目以降は警戒されるのでブラフに使いながらパルミサを押し付けたり、あえて相手がヨーヨーを振る前に自分から振るなど駆け引きに使っていきます。

重要なのは相手にヨーヨーを使って攻めさせることなので、スクトゥムで受けながら可能な限り回避してAPリードを取られないようにしましょう。
APリードを取られてしまうと、スクトゥム軽4はミサイルが2門しかなくヨーヨーを振りづらい軽4でしかありません。

軽2

不利な対面です。
熟練の軽2に対してパルスミサイル+コラミサは単調に撃っても全くと言っていいほど当たりません。
コラミサ回避中にチャージでパルスミサイルを狙ったり、場合によってはヨーヨーを刺してAPリードを取りに行きます。
ライフルやエツジンでヨーヨー範囲外からスタッガーを溜められ続けると、冷ますことは難しく、PAでリセット後に再展開することも難しいです。
十分なリードを取ってから頑張ってスクトゥム再展開を通すか、再展開する振りをしてヨーヨーを刺すといった方法でリードを獲得することが勝ち筋になります。
スクトゥムを軸にした立ち回りをしてもジリ貧になりがちなので貪欲にヨーヨーを狙っていきましょう。

タンク

3ミサネビュラタンクを想定、相当有利な対面です。
コーラルミサイルで動かしながらパルミサを刺していけば、相手のニドミサやハンドミサイルをある程度受けながら立ち回ってもAPリードを取られることはありません。
距離を取りすぎるとネビュラが背後で爆発してスクトゥムの防御範囲外から被弾する場合がありますので注意しましょう。


このアセンに遭遇したことのある人は、ひたすら引いてミス待ちをする機体という印象を抱かなかったでしょうか。
実際、私は遭遇して負けた際はこういった印象でしたし、自分で試すほど面白そうには見えませんでした。

いざ自分で乗り込んでみると不思議なもので、つまらなさを与えるような試合展開に出来た場合はそもそも勝ち確と言ってよく、その展開に持ち込むことに知識と経験が必要な機体でした。
ガン引きしているようにしか見えないかもしれませんが、乗っている側はどの弾を盾で受けて、どの弾を回避するべきなのか常に悩み続ける機体です。
実はこれを一手間違えるだけで負け筋が出来てしまうほどシビアな判断を要求されます。

少なくとも普通の軽4に飽きて別の機体ばかり乗っていた私が1週間この機体しか使わなくなるぐらいには新鮮で楽しいものでした。
慣れるとストレスなく乗れるので興味がある方は試しに使ってみてはいかがでしょうか。

追伸
そろそろアプデと聞きました
スクトゥムの展開を切り替え式に修正してください、指が痛いです

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