第一回 コーダ あいのうた

まず初めに断っておく


これは記事と言うより参考資料に近い。私はTwitchと言う配信サービスで活動しており、自分の好きな映画を紹介すると言ったラジオ企画を今日の夜に考えている。つまりここは私の下手な活舌と不慣れな読み上げを手伝うために存在するページだ。

作品紹介


原題 Coda
邦題 コーダ あいのうた

この作品はタイトルにある通りコーダ(Children of Deaf Adultsの略)、つまり聴覚障がいの両親を持つ子どもが主人公の物語。邦題ではその言葉に馴染みがない日本人の為にサブタイトルで分かりやすくあいのうたと付け加えることで音楽とヒューマンドラマの印象を与えてくれています。

粗筋


アメリカ、マサチューセッツ州、グロスター。
主人公であるルビー・ロッシは聾唖者の両親と兄を持ち、唯一の健聴者として家族が営む漁師の仕事を手伝って暮らしていた。
毎朝三時に目を覚まし漁船に乗り込み海へ発つ。それから漁を終えて帰船すると、聾唖者の父と兄に代わって獲れた魚を業者たちへ売り渡す。
これらが済んだ後ルビーは港から登校するのだ。
そんな親孝行な日常のサイクルが物語序盤、とある男子生徒に対する恋心で変化していく。

キッカケはハイスクールでの出来事。
この日は選択科目を決める日でその書類を提出すべく友人のガーティーと列に並んでいたルビー。だがガーティーの語りかけにルビーが応じる様子はない。
彼女は隣の列に並ぶ男子生徒を気にしていた。
マイルズ・パターソン、ルビーの想い人だ。
そして彼の番がやってきた。
「合唱クラブを」
それを聞いてルビーも間髪入れずに追って言う。
「合唱クラブで」
こうして二人は同じ選択科目に入った。ガーティーから後で相談もなく合唱クラブに決めたことをドヤされたが、ルビーは昔から歌を歌うのが好きだったことを説明する。
そんなことは初耳と言った様子のガーティー。
しかしこれはマイルズを追いかける為の口実ではなく、歌を歌うことが好きなのは物語冒頭にある漁のシーンでオープニングから描写されている。
それを誰も知る由がないのは仕方のないこと。
何故ならルビーは海の女、船にいる家族は聴覚障がいを患っている。どんな声量で確かな音程を取っていても、それは所詮独り言に過ぎなかった。
だから合唱クラブの初日、ルビーは教師から与えられたお題に対して不安を感じていた。と言うのもバースデーソングを生徒たち一人ひとりに歌わせ、その声質からアルト・テノールといった役職に振り分けていくと言った内容だったからだ。
自分の好きな音楽に背中を押されマイルズを追い掛けてみたが、これは歴とした授業であり評価と言う概念が存在することを思い出して焦るルビー。
自分の名前を呼ばれた次の瞬間、その注目に耐え兼ねて教室から衝動的に飛び出してしまった。

ルビー・ロッシ。コーダー。
聾唖者の家族から喋りは学べない。
そのことで幼少期の頃からいじめに遭い、言葉とイントネーションを痛みや苦しみで覚えた身だ。
そんな彼女が人前で歌を歌うと言うのは想像を絶する以上のハードルがあり、さらには好きな人の前ということもあって尚更難しかった。
それでもルビーは諦め切れなかったのか。後日、合唱クラブの顧問教師ベルナルド・ヴィアボロスの元を訪れた。
先日の無礼を詫びるルビー、ベルナルドは不思議そうな表情で逃げ出した理由について尋ねた。
「揶揄われるのが怖かったからーー」
ベルナルドはその言葉を聞いて、この学校にコーダがいたことを思い出す。
そして昨日の出来事に納得が行くと歌とは正しさよりも、誰かに何かを伝える気持ちの方が大切なのだと説いた。そしてキミにはそうした心構えがあるのかとも。ルビーは答えた。
「おそらくあります」
ベルナルドから「また会おう」と許しを告げられたことで、ルビーは先日と打って変わって笑みを浮かべて教室を後にする。

翌日。ベルナルドの許しを得て、再び合唱クラブの授業に加わるルビー。
この日は合唱の練習だったが、ベルナルドにとって欠伸が出るほど退屈なクオリティだった。
そこでベルナルドは思いついたようにルビーを呼び付け、皆んなの前で歌を歌わせようと試みる。
なんとか音程は合っていたが気持ちに響かない。
ベルナルドはルビーの呼吸法が成っていないことを指摘して、さらに息遣いの荒い犬のモノマネを腹式呼吸の一環として行わせた。
それを見て笑う部員たち。
お前たちも続けて行えと命じるベルナルド。
全員で犬の真似をし続け、激しくなってきたところでルビーに先ほどの一節を歌わせる。
するとその甲斐あってか、いつも船の上で独り高らかに歌っている時のルビーが表れた。
その歌声にベルナルドは魅了されたのか珍しく感嘆し、これまで色眼鏡でルビーを見ていた部員たちさえ同意の相槌を打っていた。
そして放課後。ベルナルドに呼ばれて出向くとそこにはマイルズも居り、今度の発表会に二人でデュエットを歌ってみないかと勧められる。
当然これを断る理由はない。直ぐに二つ返事で承諾し、マイルズとのデュエットが決まった。

そうして順調な日々を過ごすルビーだったが、この日は何とも後味が悪かった。と言うのも兄のレオが率先して商談に臨んでいたが、聾唖者と言うことを知った業者に足元を見られ、相場を下回る額で獲れた魚を買い叩かれようとしていたのだ。
そこに居合わせたルビーが取り引きに待ったをかけて、他所より安いことを指摘すると業者は苦虫を噛み潰したような顔で買い取り額を修正した。
それまで何の疑問も持たずサイン寸前のところであった筈のレオだが、この後彼から伝えられたのは感謝の言葉ではなく、自分のビジネスをよくも邪魔してくれたなと言う理不尽な訴えだった。
その様子を見兼ねた父親のフランクが仲裁に入る。
「家族で揉め事は厳禁だ」
そんなフランクの言葉に感化されたのか、兄妹の怒りの矛先は取り引き先である卸業者に向いた。
「なら独立して、自分たちで商売をしよう」
元はと言えば悪いのはセコい業者たちだ。
自分たちで顧客を作って商売すればいい。
そんな兄妹の考えを浅はかだと嘲笑うフランク。
結局この争いは結論が出ないまま終わった。

ルビー・ロッシはマイルズ・パターソンに恋をしている。だがベルナルドからしてみれば、そんなことは全くと言って良いほど関係ない話だ。
あの時素敵なデュエットとなるに違いないと見込まれた二人だったが、初日とは言え中身のない読み合わせをベルナルドに披露してしまう。
そんな二人に対してベルナルドは落胆した様子を見せ、もっとコミュニケーションを深めて取り組むよう促すことで練習を終わらせた。
そしてルビーが身支度を整えていると、ベルナルドから卒業後の進路について訊ねられた。
ルビーは「おそらく家業を手伝う」と答えた。
ベルナルドは質問の意図を語る。実はマイルズが音楽の名門バークレー大学に入学すべく夜間と休日に自分から個人レッスンを受けているのだと。
そしてルビーも十分な素質があるので、同様の指導をすることができると言う話だった。
ルビーの家庭は金銭的な問題を抱えていたが、奨学金制度を利用すれば解決できるとも言われた。

ルビーは自宅に帰ると母親のロッキーに合唱クラブへ入ったことを話した。するとガーティーの時と同じく何故?という反応が返ってきた。
再び歌を歌うことが好きなのだと説明する。
それに対しロッキーが意味ありげな笑みを浮かべてきたので、その笑みについてルビーは尋ねた。
「私も盲目だったら絵を描いていたかも」
ルビーは聾唖者じゃないにも関わらずそうであるような振る舞い、また自分は音楽を楽しめないからと言った自己中心的な見解まで示してきた。
ルビーはロッキーのこうした態度を強く非難し、大学進学に関する相談もしなかった。

別の日。ルビーはデュエットの練習をする為にマイルズを自宅に招いていた。
最初はルビーの部屋で音楽に関する話をしていたが家族に関する話になって変わっていく。
「キミの家族は音楽が分かるの?」
当然答えはノーである。だがその返答によって二人が気まずくなるようなことはなかった。
何故ならマイルズはもっと前からキミたちを知っていたと言う、この町で聾唖者の家族は目立つし仕方ないわねとルビーが返すも、その続きは予想外の言葉から成り「家族の代わりに人々と話すキミを尊敬していた」といった趣旨の話だった。
マイルズがそう思ってくれていたことを知り、ルビーは驚きながらも喜んだ。
それから二人は歌い始めるもお互いを意識し過ぎて声が通らず、一旦背中合わせで試みることに。すると昨日より心が通じたのか、メッセージ性を意識出来てるように思える。

しかし、ここで男女の呻き声が聞こえてくる。
最初は困惑する二人だったが、何を意味しているのか感じ取るとルビーは両親の寝室へ走り出す。フランクとロッキーが性行為に励んでいたのだ。
そしてリビングに集まる一堂。両親は気まずそうにしながらも帰ってきたことを言ってくれなきゃ分からないと言い、ルビーとマイルズが行う際は避妊具を装着するようにと余計なお世話を焼く。
もちろんルビーは怒り、マイルズは笑った。
せっかくの練習がこんな形で終わってしまった。

後日この件をガーティーに愚痴っていると一部の生徒たちから、フランクがマイルズに伝えた避妊具を装着せよと言うジェスチャーで揶揄われる。
ルビーは怒り心頭に発する様子でマイルズを睨みつけると、直ぐさまその場を抜け出した。
こんな最悪の日であるにも関わらず、ルビーはレッスンを受けようとベルナルドの元を訪れる。
しかし昼間の件を引きずり、大学試験の為に選んだ課題曲に気持ちを落とし込めないでいた。
そこでベルナルドはタイムリーとはつゆ知らず、これまで受けてきたとされるイジメの話題に触れ、どうやって笑い者にされてきたのかを訊く。自分が聾唖者の喋りだったからと答えるルビー。
ベルナルドはその時の声を使って、とにかく叫び声を上げるようルビーに命じる。
もちろんルビーは不快感を露わにしたが、ベルナルドから「何もキミだけが発音でイジメられてきた訳じゃない」と言われたことで指示に従う。
とにかく腹の底に溜まっていた気持ちを唸り出しちょうど良い頃合いで力強く歌い出す。
それをベルナルドは拍手で迎え入れ、これこそキミだけが持つ歌声なんだとルビーを勇気付けた。

いつものようにロッシ一家が漁を終えると何やら漁師と卸業者たちが揉めており、聞くところによると漁船監視員を乗船させなければならないと言う法制度が設けられ、監視員に対する賃金が漁師側の自己負担と言う話で進んでいると言うのだ。
これには流石のフランクも我慢ならず、その勢いのまま自ら労働組合を設立させると息巻いた。
それらのメッセージを大人たちに伝えたのは当然ルビーであり、こうした背景からより一層のこと通訳として仕事が増え、気付けばベルナルドのレッスンに通えなくなってしまっていた。
ベルナルドにとってレッスンは無償であり家族との時間を割いてまで取り組んでいることから、どんな事情があれどルビーにこのような態度で来られることを好ましく思っていなかった。
自分の夢と家族との板挟みに気持ちを追い込まれていた時、マイルズからなんでもするから許して欲しいというメッセージが届く。

翌朝、ルビーは初めて漁をサボりマイルズと会っていた。それから少しの話し合いをした後、ルビーは憂さ晴らしをするように、マイルズを日暮れまで振り回して過ごし、最後は二人で湖に飛び込み体を寄せ合いキスをする。
それは意外にもマイルズからの行為で、ルビーにとって夢にまで見るような嬉しい出来事だった。しかし、その一方で漁に向かっていたフランクとレオは大変な事態に陥っていた。
実はこの日から例の漁船監視員を乗せることになっていたのだ。初めこの二人を監視員は無口であると勘違いしていたが、漁の途中に聾唖者なのだと気付かれたことで危険と判断。沿岸警察に通報されてしまい、多大な違約金と条件付きの免許停止と言った最悪の結果を迎えてしまう。

その条件付きの免許停止と言うのは、常に健聴者を乗船させて活動すること。ルビーは帰宅してから事の顛末を説明される。お互いにせめて一言もらえたらと口論し、自分が家族にとって通訳として必要とされる責任の重さに押し潰されそうになるも、これを一夜にして乗り越えある決断を下す。果たしてルビーは自分の夢を追うのか、それともこれまで通り家族の助けとなって暮らすのか。その結末は本編をご覧ください。

最後に

私の配信並びにこの記事を拝見して下さった方々本当にありがとうございます。
この記事がキッカケで私に関心を持って下さった方が、おれはれおの配信を観たらなんだかイメージと違ったなんて思われることでしょう(笑)
同時にこれまで応援して来てくれたリスナーからして見れば、れおさんこういう映画が好きなんだって意外に思われるかもしれません。
過去の記事を読んでもらえたら分かるけど色々なことを経験して夢破れた後、実はtwitchを始めるよりも先にnoteを始めていました。だからある意味、これは原点回帰と言うかリスタートです。
おれは役者の道を降りて小説家を目指すもその志半ばでスランプに陥り、現実から目を背ける形でゲームに没頭していました。だけど友人の勧めで配信を始めて続けているうちに、色々な人から応援してもらえるようになって気付けばプロリーグを賭けた勝負の世界に飛び込んでました。

まあ結果は惨敗だったけれどその挑戦のお陰で延々と続いていた落ち込みに切れ目が出来て、もう一度やりたかったことに向き合ってみようと思えた訳で、今日はそうした予行練習のつもりで自分の好きな映画を皆んなに紹介すると言った企画を試してみました。
これからも自分のペースで無理なく配信していくので応援して頂けると嬉しいです。以上、おれはれおでした。

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