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35.『夜の黒照らす街灯り』

『夜の黒照らす街灯り』180度回転型
2022.08.09完成
月刊アンビグラム2022-8月号(お題:『光る』)


1.着想

 月アさんのお題『光る』のために、関連単語/関連漢字を漁る。
試しに「街灯」を裏返してみると、「街」が「黒」の一部に見えた。
黒もお題に沿いうる漢字なので、これらを使った文章を組もうと思い、制作スタート。

2.制作中

 文章が出来上がるまでの流れは以下の通り。

出発点。
〈*黒*/*街*〉
/は改行、*は未確定端部。
間をつなぐための 回転対称+れんが の漢字として「照」が見つかる。運よく意味のカテゴリも近い。
〈*黒*/*照*/*街*〉
街には 灯 を、照には送り仮名 らす の接続を仮定し、回す。
「灯🔄」は密度が低いのでひらがなにできそう。
「らす🔄」は…夜の下部だ!(特に ら🔄を見て。)
黒→夜、照らす→街灯で文がつながるので端部確定。
〈*?(ひらがな)黒/夜照らす/街灯*〉
「夜🔄」で余る「す」の輪っかは装飾として処理。「黒」「照」のれんがと同じくする。
「照らす」の高さをそろえた結果、「夜」が上にずれる。なら上の行の頭にしてはどうかと思い至る。「灯🔄」は夜と黒をつなぐため、「の」に決定。
「夜🔄」で余るなべぶたは「街灯」を「街灯り」にして「り」の一画目に活用。
文章になったので文字列確定。
〈夜の黒/照らす/街灯り〉
「黒」を隠す斜線の違和感を減らすため、他の斜線と傾きを揃える。
「り」の二画目が余るのをごまかすため、周りを角丸四角で囲う。

3.振り返り

 今回使った装飾は、①灯り ②囲い枠 ③斜線で、すべて 幹↔背景 の分離型。
 対応解釈は概ねうまくいったと思う。特に①③により「の」↔「灯」の解像度差を違和感少なく処理できた気がする。
 しかし色合い、質感が…。そっち方面ほぼなにも分からなくて辛い。

4.その他

 文字列生成型アンビについて、現時点で考えていることをメモ書き程度に書き散らします。実れば別途記事にするかも。

・種を蒔き蔓を育てるイメージ = 回文作成との相似点
 種の喩え…形、文意両方の意味での"出発点"
 ならば蔓は?
・文字組み →(既存文字列の)長文アンビの話にも?
・空目のメリット/デメリット


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