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あなたは大丈夫。ここに居ていいんだよ。

なんで彼のことが好きなの?と聞かれた時、色々考えて落ち着く答えは、
「彼が私のことを好きだから。」である。

約5年前の上京したての頃、心細く、過去に後悔ばかり抱いて過ごしていた私に、「ここに居ていいんだよ。こっちにおいでよ!」をくれたのが彼だった。

私は楽器が上手いわけでもないし、彼にとって後輩とはいえ親切にしなくてはいけない義務もない。
それでも、この場所にようこそ!をしてくれた。

次の年の夏、彼と安定したドラマーに挟まれて、安心して演奏できた。
真っ直ぐな芯のある音は、その場を確実なものに導き、「やってみな。」と自信のない私の背中を押してくれた。
場を盛り上げるのが根っから得意でセンスの塊、って訳でもないのに(失礼 笑)どの本番でも聴く人が入っていけるように、MCがしゃべりやすいように気を向けて動いている。

内輪だけで盛り上がらず、外の人に目を向けられる。そんなかっこよさが、慣れない人前で発言したり自分を見せたりすることが苦手な私を救ってくれたし、私以外の周りの人も救っている、安心させられている。
今は観客として彼の演奏を聴くことばかりだけど、毎回、真っ直ぐな安心感が、過去と重なって、また同時に前へ進む力を与えてくれて、泣いてしまう。

できないことばかりでも、人目ばかり気にしてしまってダサくても、私でいいんだ、ここに居ていいんだ、そう安心して思えるのは、この私でここにいて欲しいという愛情を真に受けているからだと思う。






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