老後2000万円ないとダメ?老後貧困にならないための対策とは

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老後貧困が拡大しているといいます。

「定年退職時に2000万円用意していないと生活ができない」「生活保護に転落」「このままでは老後貧乏になる」。ワイドショーや週刊誌では、老後資金の不足をテーマとした特集を掲げています。

わたしも老後貧困になってしまうのでしょうか。今回は、老後の生活資金について考えてみたいと思います。


◇老後の生活に困っているひとはどれほどいるのか

厚生労働省の調査によると、老後に生活保護を受けるひとの数が急増しています。2000年には30万世帯程度だった生活保護を受ける高齢者世帯数でしたが、2015年に80万世帯を超して2020年には高齢者のうち90万世帯が生活保護を受けています。

生活保護を受ける世帯が案外多いということと、その数が急増しているのがわかります。

    令和2年度 生活保護の被保護者調査


◇「老後2000万円」問題は本当なの?

これは、本当でもありウソでもあります。

そもそも、住んでいる地域や家族環境、持っている資産や暮らしの収支状況など、人それぞれです。
老後にどんな暮らしを送りたいのか、それぞれの思い描く像も異なるのに、みんなまとめて「老後はいくら必要ですよ」というのは、だいぶ乱暴な話ですよね。

それでも「あなたの資産は大丈夫?」と言われると、たいていの方々は老後に対して漠然とした不安を感じてしまいます。

この2000万円という金額がどうして出てきたのかをつぎに説明します。


◇定年の時点で2000万円の老後資金が必要という理由

総務省の「2016年家計調査報告」によれば、高齢夫婦無職世帯(高齢夫婦とは夫65歳以上、妻60歳以上をいいます)の家計収支は、収入の月平均額が21万2835円、支出の月平均額は26万7546円です。

参照:総務省統計局 2016年家計調査報告


この結果から導かれる収支計算では、月々約5万4000円の赤字となります。無職世帯における収入は年金のみとすると、毎月約6万円赤字になる計算です。年換算すると72万円です。定年後30年暮らすことを考えると2160万円になります。これが「2000万円の老後生活費」の根拠です。

収入が年金しかないことを前提にすると、毎年72万円を貯蓄から取り崩していくことになります。いくら現役時代にたくさんの金額を貯めていたとしても、年々取り崩して生活していくのは、いずれ貯金が尽きてしまうのではないかと心もとない気持ちになるものです。

ここで、試算の視点を変えてみましょう。ちょっと気持ちが変わると思います。

定年後にも、毎年72万円を稼ぎ続けることを考えてみるのです。毎月6万円ずつ稼ぎ続けていくと、定年後に不足する2000万円は、すっかりまかなえることになります。
 

◇老後貧困にならない方法とは?

 

老後貧困にならないようにする方法には、大きく2つあります。健康を保つことと稼ぐことです。1つずつ見ていきましょう。

 ■1:健康を保つ

なんといっても、まずは健康を維持・継続することです。

働きに出る場合も自営で働く場合も、仕事を休んではおかねが入ってきません。長く働けるような体力と健康状態を保っておくことが大切です。いまのうちから意識しておきましょう。

・暴飲暴食はやめる
・適度な運動をする
 

■2:収入を得る、稼ぐ

年金収入以外に毎月6万円稼ぐことができれば、老後資金の2000万円を準備できると言えます。月に6万円を無理せずに稼ぎ続けることを考えてみましょう。

1)体力に見合う働き方

老後になるとやはり体力が落ちてきます。無理ができなくなりますし、無理してケガや病気になっては元も子もありません。
体力に合わせて、毎月6万円を稼いでいくことを考えましょう。

老後は生活の軸は年金で賄っていくと考えると、大きく稼ぐ必要はありません。

例えばアルバイトで時給1,000円、1日5時間で週3日働くと、週に1.5万円、1か月約6万円の収入ができます。

 働く場所を大企業でなければダメ、などと選り好みしなければ、勤め先を見つけるのもそれほど難しくないと思います。

大切なのは,、毎月の収支をマイナスにしないことです。


2)自営業なら一生現役で働ける

自分で事業を始めることも一つです。自営業でしたら、定年はありません。元気なら90歳でも現役です。

自分の得意なもの、強みを生かして、生涯働き続けられる道を歩めるのなら、幸せだと思います。


3)資産運用も収益も味方につける 

資産運用で利益を生み出していくことも有効です。
しかしなかなか投資に踏み切れないという方も多いのが現実です。

株式投資や投資信託、外貨FXなど投資には資産が目減りするリスクがついてくるためです。だれもが損をしたくないからです。

ダメなのは、訳も分からずに口車に乗って、働いて貯めてきた老後資金を投資して、その結果、資金を減らしてしまうのは、本末転倒です。これは資産運用ではなくて、詐欺、あるいはギャンブルです。

本来、投資は体力が低下しても取り組めるものなので、これから先に訪れる老後にとって有効な収入方法のひとつだと思います。

大きく譲渡益を狙わずに、例えば月に2万円を目標にして堅実に稼いでいくならそれほど難しいことではないのかもしれません。

いま、社会・経済の真ん中で働いているうちに、少しずつ投資に関して勉強し、知識と経験を増やしていくことが大切です。自分の将来を助けるために、いまちょっとだけ努力しておくとよいと思います。

投資による資産運用が、収入源の一つになると心強いですね。


◇まとめ

老後貧困にならないための方法は2つ。
・健康を保つ
・稼ぎつづける

老後貧困にならないように、いまから準備できることがあります。自分の将来を楽しく充実させるために、できることを始めましょう。


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