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「先生さようなら」第10話

「先生さようなら」は、
田邑先生が新たな世界への旅立つ物語
----今までの世界の階段を登りきって、
新たな世界を見つけるための物語でした。

城嶋さんとの階段のシーン

田邑先生
「僕は妻と同じ景色が見たいと思って、教師を続けてきたんだ。
でも、3Eのみんな、美術部のみんな、先生たちのおかげで、
いつの間にか僕は僕の景色を見ていたんだよね。
それを捨てたくないって気づけた。」

由美子先生の影響を強く受けてたと思うし、
由美子先生が好きだったからこそ、由美子先生の目を通して(エプロンをつけたまま)授業し教師として生きてきたけど、9話で由美子先生からもらったエプロンを脱いだ。
田邑先生が、田邑先生自身の目で生徒たち、美術部の皆を見て、
教師としての魅力・あり方に改めて気づけて、今までの自分を振り返れた。それは大きい。
だって、自分自身の足で世界を巡ろうと決意したのだから。

もう由美子先生との時間を一旦脇に置いて、
教師としての自分を見つけたんだよね。
ここで
「僕らは教師と生徒だから」
と、いう言葉がでて
今回からポニーテールにしている城嶋さんの決意というか、一区切りというか、そういう思いに応えるセリフになってましたね。

でも、城嶋さんの心の中では
モノローグ
記憶とともに、湧き上がる感情は幸せなものばかりで、
先生が私に向けてくれた笑顔や言葉、
もはや何もかもが夢だったんじゃないかなって思う

それほどまでに城嶋さんの心に田邑先生が住みついているというのがすごいなぁと深い思いだなぁと思います

児玉くんとのお鍋のシーン

児玉くんに
「(田邑先生を)俺はうらやましいなぁって思ってた」
という言葉は、すごく大きいなぁと思ってて。
ずっと一緒に由美子先生との恋だったり、由美子先生の亡くなった後を見守ったり、友達として付き合ってて。
児玉くんが見てるだけっていうのも辛かったと思うんだけど、
それでもうらやましいなぁって言ってくれる友達ってすごいなぁ。

堀江さんと田邑先生

堀江さんと卒業式の後で、美術室で会話しているときに、
田邑先生が言った言葉がすごく心に染みてます。

「みんな生きるために忘れるから。
でも、大事なこととか、痛みは忘れない。
それが人を強くすると思う」

この言葉は堀江さんに言ってるんだけど、
田邑先生自身にも向けられている言葉で。
自分の中で由美子先生のことを少し脇に置いて考えられるようになったというか、
由美子先生のことを少しずつ整理できたんだなぁと思って、この毎回泣いてます

堀江さんに「卒業おめでとう」って言ってるんだけど、
田邑先生自身にも言ってるんだよね。

そのときの背景が黒板に書かれている羽を広げた女性で、
その前に田邑先生が立ってるんだけど
まるで田邑先生に羽が生えてるように見える。
田邑先生が新しい世界へ行くと決めてるのを印象づけてますね。

城嶋さんと田邑先生の絵の前で

「その絵気に入った?」

第一回目の田邑先生のセリフが、
恐らく久しぶりの二人だけの会話で。
この時の2人の表情が、このときの2人の距離感を表してて
話せる嬉しさもあり、
卒業でもう会えない寂しさもあり、
でも教師と生徒だからって言う表情もあり。

そしてこの絵がちょうど春から書き始めてた(2話)
田邑先生の絵で、9話で見た絵よりは
青の色がすごく加わっていて、
風景画だと青はあんまり入らないと思うんだけど、
青が差し込むことで絵が引き締まってるので、
そこが田邑先生の心境が引き締まったっていうことを表しているように感じました。

そして、2匹の犬の間に蝶々がいる。

由美子先生と田邑先生と城嶋さんがいるような風にも見えるし、
城嶋さんを最初にスケッチで書いたときに城嶋さんの髪に
止まっていた蝶々にもおもえる。
だから、城嶋さんが「気に入りました」って言ってるのかなあと思うと、
城嶋さんの笑顔が本当に眩しいし、
最後だから笑顔でって思った城嶋さんが、とってもいじらしい。
「先生さようなら」と言った城嶋さんの表情が、
「私を忘れないでね」って顔をしてて、それも胸がきゅんとさせられました。

それを見送る田邑先生の
「あーこれで1つの恋が終わったかもなぁ」
っていう感じの顔が、
終わらせたくないのに終わっちゃったかもなぁ。
もう会えないよなぁ。
会う事は無いよなぁという。
漠然とした思いを感じても。

何か抱きしめてあげたくなっちゃうような気持ちにさせられました。(そんなこと普通思わないんだけどね)

由美子さんの白昼夢

由美子先生が亡くなってから、
多分由美子先生のノートとか見たことなかったんだろうなぁ。
それほど心が凍ってしまっていたことを思うと、
引っ越そうって思ったことがどれほど大きいことか。

由美子先生がもう可愛らしくて可愛らしくて。
こんなに可愛らしい女性が由美子先生自身を守るために、
隠れながら自分が好きな小説を書いていく。
でも、仕事としての教師を全うしようとしていた苦しい状態から田邑君に出会って、恋をして。
でも、そこには乗り越えちゃいけないものもあって別れ。
田邑くんと再会して、自分の思いに正直になることで、
やっとお腹から声を出せて、安心して生きていける---。

それってすごいことなんだよね。
誰にでもやっぱり何かにしばられてることがあるんだけど、
それを田邑君によって
「永遠に崩れないと思っていたその壁を、
あの人はいとも簡単に超えてきた。
彼といると、私は心地よく壊れていく」

という由美子先生の言葉からもわかるように、
由美子先生はやっぱり田邑君にメロメロに惚れてたし、
だからこそ、お誕生日会のケーキをこだわったり
キーケースお揃いにしたり、
そういう一つ一つが幸せになるパーツだったんじゃないかなぁと。

そして毎回由美子先生の机には1輪の花が添えてあって、
それが由美子先生として存在してたし、
由美子先生が今回白昼夢として現れた事は、
田邑先生が登るべき最後の1段を後押ししてくれた出来事かなぁと思いました。

「私を生きやすくしてくれたのは、あなただから」
この一言が、由美子先生の人生をいかにバラ色にしていたかということを象徴する言葉だよね。

「だけど、拓郎さんは想像以上にダメダメね。
教師やめようとしたでしょ?」

ずっと見てきた由美子先生だから言えるダメ出しだし、
由美子先生には見えていた。

田邑先生らしい教師像ではない、
弱い部分の田邑先生も見ていたんだろうなぁと。
一番辛い時に、そばで見てるだけって本当に辛いよなぁ。

それでも今回由美子先生が出てきてくれた事は
1つの世界を完結させて、
新しい世界への後押しになったんだと思います。

田邑くんも謝りきれなかったこと
「ごめん。俺と出会って、大変なことばっかりだったよね」
これもドラマの中で何回も言ってきて、
それでもまだ贖罪の気持ちが強いんだなぁと思うし
それに対しての由美子先生がいつものように
「私はね、すごく幸せだったよ。
あなたに出会って、あなたに愛されて
私の人生は幸せだった」
という気持ちが田邑先生の心に上書きされていることを願ってしまう。

由美子先生
「笑える場所と泣ける場所を見つけたから
そこがあなたの居場所だから
ありのままの自分で生きてね。
絶対に大丈夫。
あなたはちゃんと人を愛せる人だから。
また大切な誰かを幸せにできる。」

そう新たな世界への後押しをされたら、泣くしかないよね。
その想いがあっての「好きよ」と「愛してる」
というセリフは見てる方も泣くしかないよ。
もう毎回このシーンで、2人の表情見ちゃうと泣くので、
全然感想が感想にならないですけど。

このシーンを見てると、
田邑先生は渡辺翔太さんが良かったし、
由美子先生は北香那さんがほんとに良かったと思う。

会話の中の表情が心に染みる表情をしていて、余計切なくなる。

2人とも役の前ではとても素直になる人だなぁ。
だからこんなに丁寧な表情ができるんじゃないかなぁと思う。

城嶋さんとの再会

田邑先生と城嶋さんが再会できた。

もう鳥肌立っちゃって、毎回ここは2人の表情を見いってしまう。

城嶋さんの、ほっとして、
心の中にずっとあった田邑先生の箱を開けていいんだなぁ。
今の田邑先生の顔をしっかり見ていたいなぁっていう表情と

田邑先生の
出会えたね。再会できたね。
僕は信じてたよ。
ていう表情に、胸にグッとくる。

そして、
田邑先生の表情がとらわれていたものが外された、
初めて見るような明るい表情で、
これが本当の田邑先生本人の表情なんだろうなぁ。

由美子先生に後押ししてもらった
新しい世界で城嶋さんと再会できた奇跡だなぁと思うと、
この奇跡を大事にしてほしいと思う。

この新しい世界で城嶋さんと思いを積み重ねて欲しいです。二人への祝福と応援の気持ちでいっぱいです

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