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西日は疲れた体や心を癒し、食べ物を熟成する

 朝、東から上った真っ赤な太陽の光を浴びて、「今日も一日頑張るぞ」と気合を入れる。陶器などの焼き窯も、東に窯の穴をあけることによって、朝日のエネルギーを取り入れる。逆に、西日は、癒しの明かりで、一日の疲れをとってくれるオレンジ色の光だ。
 町は西からできるという話がある。家が西側にあって、東の職場に向かうと、正面から朝日を浴びる。そして帰りは、西に向かってゆくから癒されるというものだ。なるほど、自分の働く函館でも、教会や神社仏閣が函館山の麓からつくられ、十字街の銀座通り、そして大門の繁華街と西から町は作られていったようだ。
 面白い話がある。北海道の日高山脈を挟んだ西側に「鵡川町」という「ししゃも」で有名な町がある。子持ちししゃもはおいしい魚として飲食店で扱われるブランド魚だ。それが、実は、東側の十勝管内広尾町が、ししゃもの取れ高の多いところで、それを鵡川町に持ってきて熟成をするのだという。まさに勢いのある東側のししゃもを、西日の鵡川町でじっくり熟成することで、おいしいししゃもになるというわけだ。
 動植物は、太陽や月の影響を受けて、生きている。人間だって同じはずだ。お天道様がある内に働き、日が暮れたら寝るような生活。もともとの心や体のバランスも太陽や月の満ち欠けによってできている。自然のリズムや摂理にありのままに従うのもいいのではないだろうか。

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