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「愛国から幸福ゆき」の切符を求めて

 1973年、NHKの「新日本紀行」で十勝の幸福駅が紹介されてからじわじわとブームに火が付いたと言われている。幸福駅より2つ帯広駅寄りの愛国駅と併せて、「愛国から幸福ゆき」という切符が爆発的に売れたという。翌年には芹洋子の「愛の国から幸福へ」も人気になったという。
 「幸福という名前の駅」これはもう、ストレートな「幸福」という表現だ。誰だって幸せになりたいし、幸福になりたい。GNPならぬ、GHPが世界一なのはアジアの「ブータン」だと言われては、幸せということを求めてしまう人が何と多いことか。
 三大幸福論と言われる幸福の本。ヒルティ、アラン、そしてラッセルの「幸福論」がある。結構、難しくてなかなか読破はできないが、幸福をつかみたい、幸福になりたいというのは人類の永遠の課題なのだろうから、難解なのも仕方ないのかもしれない。
 あんまり幸福すぎても怖くなるものであり、幸福を持続可能にするというのも難解だ。そもそも、幸福だったら、また大きな幸福を求めてしまうし、満足に妥協がないのも周知の事実だ。せめて、愛国から幸福ゆきの切符でも買って、縁起を担ごうというのがちょうどいいって、駅には切符が何重にも貼られているのだ。

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