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【動画対談アーカイブ】その人が「よし、立ち上がるか」と思えるような、友人でありたい、そう思う。在宅医療×被災者支援のこれまでとこれから (JP only)

R6年能登半島地震へ心よせる方々へ。1/3より医療法人オレンジチームが現地に入り、災害の地における「暮らしの医療」を軸に、在宅医療現場を含むあらゆる方々の暮らしのサポートに尽力しています。
●本noteアカウントは、福井・長野・石川に拠点をもつ医療法人オレンジグループにおける、R6年能登半島地震の支援活動についてアーカイブしていきます。

1/2に初動チームの1人として動いた、オレンジグループの池口を迎えた、紅谷による対談シリーズ4回目の1回目の内容を、note記事にてアーカイブします。


【動画】在宅医療×被災者支援のこれまでとこれからを語る。対談①紅谷浩之×池口亮(33分)

1/8から運営に関わった、輪島市における福祉避難所で暮らされていた方のエピソード、写真の話から始まりました。

「しばらくここに帰れない」とわかったタイミング

池口:僕は1/2から輪島に向かい、結局その日は辿り着けなかった。翌日の1/3に現地に入り、朝になって周囲の状況を見て、これは大変なことになったと思いました。1/8から運営に関わった福祉避難所の活動の中で、避難されているかたが「家に物を取りに行きたい」という要望があり、一緒に取りに帰ることをしていました。
この写真の方と入れ歯を取りに帰ったんです。自分の家を見た時に、本人自身が「しばらくここに帰れない」とわかったタイミングでした。

紅谷:池口くんは、この様子を見た時に、どんな気持ちでついていきたいと思ったんですか?止めることもできたかもしれなかったですが。

池口:いく時は物があればいいな、というくらいの気持ちでした。ずっと避難所にいてこのかたが現実を見る、何かしらのアクションが必要なのでは、次に進む何かが必要だったのかな、と思いました。

その人が「よし、立ち上がるか」と思えるような、友人でありたい、そう思う

紅谷:壮大な喪失体験。僕ら、家族、家、思い出を失った人と活動していますよね。生き延びた方の健康に続けてもらうために行うが、僕らには想像もできない喪失を体験している方たち。この状況に向き合い続けると医療支援、グリーフ支援へのエネルギーがとてもかかる。
長く居る、関わる中で、どんなふうに向きあっていますか?

池口:そうですね…。難しいな..。そういうことも考えつつですが、うーん。「人と人」というか。そういうところを見ていたからこそ、要配慮者だとは、と考えすぎない。この人はどんなことを思っている?そういうところを大事にしたいと思っている。一緒に探っていく中で、信用してもらったり、安心してもらって、1人1人が立ち直っていくことをみていくっていうか。僕らは勇気は与えられるかもしれないけれど、力自体はその人が出すもの。
その人が「よし、立ち上がるか」と思えるような、友人でありたい、そう思っています。

紅谷:医者としてでもなく、支援者でもなく。その先にこの(選んでくれた)写真がある。整理するときだけ医者っぽく整理していたのかも。そう気づきました。

偶然性の責任性みたいなもの。色々なことを一緒に考えられたらいいな。

紅谷:僕自身、地域医療の大切さ、つまり地域のつながりを持っていることが一番大事だと話をしてきた。ところが今回は地元を離れた方がいい、ということをいう日が来るとは思わず、独特な苦しみ、辛さがあるように思うんです。そんな簡単なものじゃないんですよね。簡単に地域を離れよう、ということは言えないですよね。

池口:最後のゴールは、(元居た)地域に置いておきたい。でも一時的だよねと言い続けることが正解でもない。責任。せっかくこの機会に会えた輪島の人たちと会えたこと。向こうに帰るまでいろんなこと考える。これがとても大事なんだろうと思いますね。

紅谷:「出会っちゃった責任」。輪島でも一緒に活動してきた方が言ってましたね。僕らが動くから、その人に出会う運命。偶然性の責任性みたいなものって、地域医療にとって大事なんじゃないかと思うんですよね。それを考え直すきっかけになったと思っています。

池口:ここから少なくともできる限り色々なことを一緒に考えられたらいいな、そう思っています。(今拠点がある)福井県勝山市で災害が起きたらどうする?まだ出会ってない人たちのことも含めて、考えることが増えてきたなと思いますね。

右が池口。オレンジグループの中でも
大きく1人でもある

1月30日、福井県勝山市では被災した高齢者などを対象にした『福祉避難所』を、開設し、医療法人オレンジグループが運営の中心を担っています。
3月31日まで、「勝山市」 と協力し福祉避難所支援のため、ふるさと納税ガバメントクラウドファンディングを行っています。ぜひお気持ちを寄せてください。
勝山市ふるさと納税ガバメントクラウドファンディングのページはこちら。

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書き手:医療法人オレンジグループ
文責:藤岡聡子(医療法人オレンジ/診療所と大きな台所があるところ ほっちのロッヂ)
▶︎【寄付】支援活動への寄付・活動協力は こちら から / Donation for this rescue team 
▶︎【報道・発信】支援活動に関する取材は info(at)orangeclinic.jp へ / contact us via this account (Satoko Fujioka)
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