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エヴァ?感謝が有り余ったルビ

 「パチンコがアニメだらけになった理由」という本を読んだ。
 自分はパチンコをしたことがないし、タイトルの引きが強かったことも有り読んでみたものだ。

 内容はさておき表紙が気になる。「理由」の字を他より大きくしたうえで「わけ」というふりがなを下側に振っている。
 本の内容を踏まえると「理由」の読みは「りゆう」と「わけ」のどちらでも問題なく通じると思うが敢えてこだわっているようだ。
 さらには左下に英訳タイトル、著者名の下にも英字名が書かれているから、抜かりなく情報を伝えようしているのは間違いない。
 

 この表紙情報の充実っぷりは本編に入ると息をひそめていたが、最後の最後に爆発した。
 こちらである。

 「主要な参考文献」に対して「ありがとう」とルビが振ってある。
 表紙依頼のルビの登場であるばかりか、かなり大胆な手法に胸がときめいた。
 一般にルビは漢字に対してその読み(音)を対応付ける役割をになっている。その際には大きい普通の文字(=主要な参考文献)が主であり、ルビ、つまり小さい字はその読みを補う従の役割である。
 当然ながら、「主要な参考文献」と書いて「ありがとう」と読むことは一般てきではないし、ルビを振られる側の大きい字にひらがなが含まれていること自体異例である。
 この部分は次のページから参考文献が始まることを示す役割があるのだから、通常ならざる表記を用いて参考文献に対して感謝の気持ちを乗せているといえるだろう。

 本書の中ではエヴァンゲリオンについての話が頻出していたため、エヴァ関係のネタかと思って調べたが、調べた範囲ではルビを用いた表現は見つけられなかった。

 元ネタもなく、表紙以来の目立ったルビであることを踏まえると著者ではなく編集者の思い付きだろうか。



参考文献