地獄界曼荼羅に関する諸考察

 こんにちは。初めましておらふと申します。私はTYPE-MOONの考察やFate作品に出てくるサーヴァントの伝承なりを自分なりに調べてるだけのものです。その為、内容はガチド素人が個人の趣味で調べただけのものになっています。それでもOKという方のみご覧ください
そもそも曼荼羅とはという解説から始めたいと思います。

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曼荼羅?小宇宙?

 曼荼羅とは一言で言えば密教の教えを図式化したものであると言える。密教とは大日如来を中心とした仏教の流派であると捉えて構わないだろう。そして、曼荼羅とは言ってみれば宇宙の縮図である。小宇宙であると言えるだろう。
 一方型月世界には3つの宇宙観が存在する。
①観測宇宙②記録宇宙③概念宇宙 である。

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 観測宇宙とは我々が観測できる宇宙、時間を軸にしている宇宙と捉えることができ、記録宇宙とは我々の知覚できる次元の上の次元、過去、現在、未来を俯瞰してみる高次元の宇宙だとなっている。(観測宇宙、記録宇宙については別に書けるのでいつか解説する)


 ここで関わってくるのが「概念宇宙」という在り方である。概念宇宙とはそのまま、宇宙という概念であり、終局特異点にて概念宇宙となった時間神殿の事を「宇宙の極小モデルケース」と称している。また、SW2のスペースイシュタルや大奥のカーマ/マーラ等も概念宇宙であると言える。概念宇宙とは1つの小宇宙であると言えるだろう。そして此処で曼荼羅と概念宇宙が似ていることが推測できる。それでは地獄界曼荼羅=概念宇宙と仮定して話を進めていこう。

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 そうすると下総でのリンボのセリフ
「黒き神を自らの太陽へと取り込んで」
「悪の神を自らの魔力へと起き変えて」
の黒き神の部分は自らの太陽=自らの霊核に取り込んだのではと思われる。

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 密教は大日如来を中心としている。それにより曼荼羅もまた、大日如来が中心である場合も多い(胎蔵界曼荼羅を見れば顕著)。大日如来とは太陽の仏様である。よって中心に大日如来=太陽があるとするならば、人体を小宇宙にみたて、それを曼荼羅と表現し、黒き神を自らの霊核へと取り込むことを曼荼羅の比喩に準えて発言したのではないだろうか。となると、悪の神は自らの魔力におきかえたとそのままの意味で通るわけである。(人体と小宇宙、大宇宙の照応はキリシュタリアが魔術回路を星の配列と照応し、あの大魔術を行った事もそうであり、LB5におけるあの描写もまたこの曼荼羅と小宇宙の関係に気づかせるギミックとなっているのでは無いだろうか。)

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(曼荼羅と密教についてこんなざっくりとした纏め方をすると各方位に色々突っ込まれそうではあるが、今回の説明に付け加えるとそれだけで1冊の本になってしまうレベルの分量である為、割愛させていただく。)

曼荼羅へと繋がる日本編

 それでは地獄界曼荼羅の考察へと移ろう。地獄界曼荼羅の考察の為には実は2つほど重要なシナリオがある。それが鬼ヶ島と英霊剣豪七番勝負である。これは、鬼ヶ島イベントにて玉藻の前が「鬼ヶ島編で終わりと誰が言った?諦めない限り第二第三の日本編が」と発言している所から導かれる。第一の日本編が鬼ヶ島(鬼ヶ島と羅生門イベはセットである)、第二が剣豪、第三が曼荼羅だと考えることができるのである。

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 よって、鬼ヶ島と英霊剣豪を結ぶミッシングリングを見つける事こそが地獄界曼荼羅の考察の重要なファクターになってくるのである。
 それではまず初めに鬼ヶ島イベントについて見ていこう。鬼ヶ島イベントは鬼哭酔夢魔京羅生門と、天魔御伽草子 鬼ヶ島の2つのイベントでひとつのセットである。(この2つの間に星の三蔵ちゃん天竺へ行く というイベントがあったが、これも一応セットである。しかし、何故セットであるかという話は後述で触れる事とするので暫しお待ちいただきたい)

 それではまず初めに羅生門から見ていこう。羅生門とは平安京の朱雀大路の南端にあった「羅城門」を起源とする。羅城門には鬼が住むという逸話が数多く存在していた。羅生門の鬼と言えば、鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』に出てくる挿絵が有名であるが、『今昔物語』において琵琶を盗んだとする鬼が羅生門に住んでいたり、『十訓抄』や『江談抄』、『本朝神仙伝』等にある都良香の上の句に対し下の句をつけた鬼という描写が存在する。そこに『平家物語』で渡辺綱が一条戻り橋で戦った鬼が『太平記 』や謡曲『羅生門』において段々と羅生門で渡辺綱が鬼と戦ったという描写に移行したと考えられている。この為、FGOにおいても、渡辺綱と茨木童子が戦った場所が羅生門(一条戻り橋)と2つになっているのである。此処で渡辺綱と一条戻り橋の話をしたのは後で回収する為一旦此処で記憶の片隅に置いていただければ幸いである。

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酒吞童子①伊吹大明神

 次に羅生門イベントで登場した酒呑童子についてみていこう。酒呑童子に関する研究はとても複雑であるため概要を掻い摘むだけにする。詳しく気になる方は岩波文庫から出ている高橋昌明氏の『酒呑童子の誕生』など、本記事の下部にある参考文献を参照していただきたい。

 まず初めにFGOにおいて大江の山の鬼のトップは茨木童子であって、酒呑童子は食客である。という点に注目する。酒呑童子のルーツは繰り返すようだが未だにとても複雑である。ここでは簡潔にFGOの中で明言されてるモノにだけ触れる。(ただしそれも3つほどあるが)まず1つ目は酒呑童子は伊吹山の伊吹明神の子である という説である。これは酒呑童子の幕間2や英霊剣豪七番勝負、望月千代女の幕間などで散々匂わされている内容で、伊吹大明神とは滋賀県と岐阜の間にまたがる琵琶湖の東に位置する伊吹山に住む神様のことである。この伊吹山の神は『古事記』にては白猪、『日本書紀』においては大蛇とされる。そしてこの伊吹大明神は八岐大蛇の子供若しくは分霊であるとされるのである。

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 それでは伊吹童子の物語について軽く解説しよう。伊吹童子は伊吹弥三郎というヒトを食らうと恐れられていた男が玉姫御前との間に設けた子である。この伊吹弥三郎というのが夜な夜なこの姫の元に通い婚をしていた末に産まれた子供であるが故に夜這い=夜を這う→蛇という概念が適用されたと見る考え方が有力である。(余談ではあるが天照の原型も元は男神であり夜這いの風習により蛇神と見なされていた背景をもつ。このような夜這い=蛇 といったような形の話を蛇婿入譚と呼ぶ。)そして更にこの伊吹弥三郎は酒飲みでありそれにより元よりあった大江山の「酒呑童子」伝説と習合されたと見なされる。

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 そして、伊吹弥三郎にはモデルがおり、その人物の名を柏原弥三郎という。この柏原弥三郎は戦国時代の武士であり、平家との戦いで武功をあげ近江の地頭になったものの最終的には討伐命令を出され、伊吹山に逃げて盗賊になった人物である。(この盗賊というのも鬼の描写となるか)つまり、中央権力に服従しなかった「まつろわぬ」者なのである。ここでひとつ矛盾が発生したかのように思う方もいるかもしれない。そう、酒呑童子は平安時代の鬼である。しかし、伊吹童子は柏原弥三郎が鎌倉の武士であった頃からもわかる通り、鎌倉時代の鬼ということになる。(柏原弥三郎の初出は『三国伝記』)それなのに、FGOの描写ではあたかも伊吹童子→酒呑童子へと名を変えたように見受けられる。これは一体どういうことなのか。これは酒呑童子が室町期から『御伽草子』で語られている事から後世による習合であると考えられる。つまり、無辜の怪物のように未来の人間の解釈によって過去そのものがまた歪められるという事に他ならない。この後神仏習合についても触れるので少しここで整理しておこう。

 上記で観測宇宙、記録宇宙の話をしたと思うが私たちは人間は時間を軸とした宇宙に生きる為過去を直接視ることは出来ない。よって、いつだって現在の人間によって過去を見てしまうのである。過去をみる存在が知性を持っているが故に、絶対的な客観的過去というものは存在せず、現在の人間が観測した結果によって過去はこうだったのだ と決定される事となるのである。なので少しわかりづらいかもしれないが、文献の成立順的におかしいとなるのではなく、それすら統合されて過去となるのである。(ここの解説も要望があれば詳しく書きたい)

酒吞童子②九頭竜の申し子

 次に2つめの説、渋川版『御伽草子』にて酒呑童子の出身地が越後であるという記述から導かれた戸隠山の九頭龍の申し子が酒呑童子であるという説である。正直ここの戸隠山というテーマだけで物凄く重要な内容がぽんぽん出てくるので注意していただきたい。

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 まず初めに戸隠山の九頭龍の申し子=酒呑童子であるという伝承を軽く見ていこう。桓武天皇の皇子であるところの桃園天皇が越後へと流刑になった際に着いてきた従者に石瀬俊綱の妻が戸隠山に参拝し、子を欲した所3年間妊娠した末に外道丸と呼ばれる子が産まれ、その子は大変イケメンであったそうだが外道丸に惚れた女性たちが次々と死ぬ末に外道丸は鬼へと転じた というものである。

 ここで重要なのがFGOの中でも酒呑童子=九頭龍の申し子とされてる事である。寄って、此処では九頭龍と戸隠山の関係性を明らかにし、その上で酒呑童子に盛られた属性を見つけ出す事が必要である。ここまでの時点で既に相当長くなっているが、この属性の関係こそが地獄界曼荼羅の核となる部分を推測する上で肝となるのである。

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 戸隠山とは北信五岳の一つである長野県長野市の山である。戸隠山が九頭龍信仰と結びつく以外にもいくつかの神話・伝承の舞台となるので先にそちらから説明しよう。まず第一に特筆すべき事は戸隠山は「天岩戸伝説」の舞台であるという点だろう。日本人であれば誰もが知っている天岩戸伝説ではあるが、読者の皆様と筆者の間の共通認識を確立するためにも今一度概要を見ていこう。

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 天照大神は、弟である素戔嗚尊の乱暴に怒り、天の岩屋へ入ってしまった。その時、世の中は真っ暗となり様々な禍(まが)が起こった。その様子に困った八百万の神々はどうにかして岩屋から天照大神を出そうとする。そこで八意思兼命は岩戸の前で踊ったり楽しい事をすればきっと気になって天照大神が出てくるだろうと考え、それを実行する事にした。常世の鶏を集め鳴かせ、八咫鏡を作らせ、天鈿女命に踊りを躍らせたのである。そして外が賑やかなことに興味を持った天照大神は岩戸の外に出てきた。その時、天手力男神が手を引き、天照大神を完全に岩戸の外に出すと、再び引き篭もられる事がないようにと岩屋を投げた。そして、素戔嗚尊は高天原から追放されたのである。
 以上が天岩戸伝説の概要であるが、このとき天手力男神が投げた岩戸が日本の中心に落ち、戸隠山となったというのである。つまり、戸隠山は名前の通り戸に隠れた天照大神に由来しており、天照大神に関連するというという事を覚えておいていただきたい。
(余談ではあるが、天照大神と関係が深い玉藻の前に料理をおしえ、紅閻魔ちゃんのヘルズキッチンの生徒の1人にウズメちゃんというのが居るが、これは天岩戸伝説の天鈿女命の事である)

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 次に戸隠山で有名な伝承は鬼女紅葉伝説である。鬼女紅葉はFate/Requiemに登場するサーヴァントで、FGOにおいて2020年の5月末に行われたRequiemコラボでも登場した。それでは、この鬼女紅葉についての伝承を見ていこう。鬼女紅葉は会津の夫婦が第六天魔王に祈ったところ、子供をなした。その名を呉羽といったがとても美しく、権力者の寵愛を受けていた。しかし、野心があるとの疑いにかけられ信濃の山間に配流されてしまう。そしてその呉羽は鬼女となり鬼のお万を従えたが、平維茂によって討伐されるに至るというものである。


 この「第六天魔王」に祈願したことで生まれた子供が鬼になるという構図は、上記の渋川版『御伽草子』酒呑童子の出生にとても酷似しているが、実はこれだけではなくとても深い関係性が見られるのである。それは鬼女紅葉を倒した人物は実は2人いるというものである。『太平記』によれば、多田満仲が信濃国の戸隠山で鬼を切った。その時使った剣の名前が「鬼切」であるという。これは江戸時代の『六孫王経元』という本にもかかれている内容であった。この多田満仲という人物は源頼光の父であり、更に「鬼切」という刀は一条戻り橋にて渡辺綱が茨木童子の手を切る時に用いた刀なのである。更にいえば、六孫王経元とは多田満仲の父、源経基なのであり、源経基こそ『北向山霊験記 戸隠山鬼女紅葉退治之伝』における鬼女紅葉を寵愛した人物なのである。このように酒呑童子と鬼女紅葉、ひいては戸隠山の関係性が出てきたのだ。更に酒呑童子が戸隠山で暴れたのを頼光と金時が退治するという『酒呑童子若壮』という古浄瑠璃も存在するのである。そして、戸隠山にて信仰される九頭龍とは9つの首を持つ龍であったという。このあたりからも、戸隠山と酒呑童子との関係が見えてきたと思うが、源頼光の伝承周りからさらに戸隠山と酒呑童子の関係性が浮かび上がってくる。その為、この話は覚えておいていただきたい。

酒吞童子③ホントは何処にいたの?

 それでは3つめの酒呑童子のルーツの話をする。FGOにおいて酒呑童子は「大陸にいたことがある」と述べているのである。これは高橋昌明氏の『酒呑童子の誕生』を用いて解説することとする。詳しくは該当書籍を読んでいただきたいのだが、それによると酒呑童子は「斉天大聖がチィーティエンダーションという発音である為、日本にて酒呑童子となった」というものである。この斉天大聖は孫悟空と同一視されるため、羅生門イベのあとにわざわざ天竺イベを挟んだ後、鬼ヶ島イベをやった意味は確かに説明できる。だが、正直シュテン=ドッチという異国人がワインを呑んでいたから鬼と間違えられたという説と同じくらいこじつけ感が凄い。しかし驚くべきことに実はこれを上記の2つのルーツと矛盾は一切しないのである。

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酒呑童子の幕間において、酒呑童子は「大陸にいた」と発言しているがその前に「日の本に戻ってからの話でよろしゅおすな?それより前になると、うちも記憶がぼんやりしとる。」とコメントしている。一見見逃してしまう内容であるが日の本に「戻る」と言っているのである。つまり、元々は日本にいたが大陸にわたり、そしてまた日本に戻ってきたという事が推測できる。 つまり、ヤマタノオロチ伊吹童子と九頭龍の申し子というものが最初に日本にいた事、それが大陸にわたり、斉天大聖とされたこと、そして戻り酒呑童子となった事が導かれる。(斉天大聖とはそもそもとか、斉天大聖と酒呑童子の類似点に関しては割愛。ここに関して知りたい方は高橋昌明氏の『酒呑童子の誕生』を購入すべし)。

 それではまた再度、戸隠山の九頭龍の申し子であるという部分に注目しよう。結論だけ言えば戸隠山には天魔が関連する。これは鬼女紅葉が「第六天魔王」に願って産まれた子供であると同時に、FGOにおける鬼ヶ島イベントのタイトル、及びrequiemにおける「戸隠山」のクエストの門番から導かれる。鬼ヶ島のイベントタイトルは「天魔御伽草子」であるし、戸隠山クエストには
「第四天魔王の娘 鈴鹿御前」がいた。これにより、酒呑童子も天魔としての属性があるという部分が大事なのである。

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属性盛り過ぎ源頼光

 それでは羅生門イベから天竺を飛ばして鬼ヶ島イベントを見ていこう。
源頼光はFGOのイベント「天魔御伽草子 鬼ヶ島」で丑御前という鬼神を自己の内側の魔性のものであり、源頼光は丑御前を退治したという逸話は丑御前という魔性を己の中に封印したという設定が公開された。この丑御前というのは「牛頭天王」の化身であるとされる。そしてこの牛頭天王は、帝釈天の化身なのである。よって、水着の源頼光の武器は帝釈天由来の金剛杵(ヴァジュラ)なのであったりと、源頼光と帝釈天を繋げる要素は数多く描写されている。帝釈天とはインド神話におけるインドラな訳であるが、更に面白いことに、『リグ・ヴェーダ』や『マハーバーラタ』によるとインドラはヴァジュラを用いてヴリトラと呼ばれる大蛇を殺しているのである。これはつまりインドラ(→牛頭天王→丑御前→源頼光)が、ヴリトラ(大蛇という事で伊吹童子及び九頭龍の申し子の酒呑童子)を殺したとなって綺麗に符合されるのである。さらにこの符号はまだ続く。

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 この牛頭天王という神性は日本神話の有名な神様とも同一視される。それが素戔嗚尊(スサノオ)である。今度は源頼光の敵大江山の酒吞童子の日本神話的側面についてみていこう。酒吞童子は上記の通り伊吹童子であるという。先にも説明したが、伊吹童子とは日本神話の八岐大蛇の分霊又は子供である。そして八岐大蛇を退治したのは誰であっただろうか。素戔嗚尊である。上記のように牛頭天王の化身であるところの源頼光(牛頭天王=素戔嗚尊という解釈)が酒吞童子(八岐大蛇の分霊である伊吹童子)を倒すという関係性になっているのである。そしてこの類似点は「倒し方」という点で顕著であるといえるであろう。スサノオはヤマタノオロチに酒をのませ酔った所を首を切って殺した。(そしてヤマタノオロチの尾っぽから出てきたのが草薙の剣である。この草薙の剣は都牟刈とも呼ばれる)一方、源頼光も酒吞童子に酒をのませ首を切って殺しているのである。此処で源頼光がインドラ(=帝釈天)と繋がり、更に牛頭天王の化身が丑御前であるという過程を通って、素戔嗚尊に繋がった。この「素戔嗚尊」という神格の事をポイントとして、次は別の切り口から見ていこう。

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素戔嗚尊に関連する地獄界曼荼羅とリンボ

 安倍晴明は星を見、陰陽道を行っていた人物である。陰陽道とは中国の道教の流れを組む訳であるが、その中で重要となるのが北極星、北斗七星と冥府の神泰山府君祭である。泰山府君祭についてはざっくり解説すると、道教を由来とする冥府の神様で亡者を裁く性質を持っていた。これによりヤマ=エンマ大王と同一視される神様である。

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 この話も横道にそれると長くなってしまうので、北斗七星について見ていこう。北斗七星は日本神話では天津甕星(アマツミカボシ)という神様にされる。この天津甕星は『日本書紀』に登場する神様で主に服従しなかった「悪神」として描かれる神様である。そしてこの天津甕星は茨城は日立の大甕神社にて祀らわれており、「素戔嗚尊」と同一視されるのである。この天津甕星を祭る神社の中に甕星香々背男神社という神社があるのだが、なんとこの神社の神紋は「五芒星」なのである。ここでポイントは「素戔嗚尊」と同一視される神格がある悪の神であり、神社には五芒星が描かれているという点である。(安倍晴明神社にも北斗七星が描かれている)

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 そしてここで牛頭天王=素戔嗚尊について見てみると、牛頭天王の護符として蘇民将来(蘇民将来:牛頭天王が旅をしている時に家に泊めた蘇民将来という人物に由来)というものがあるのだが、その蘇民将来のお札に五芒星が描かれているのである。ここから水着の源頼光が五芒星を用いる所とも関係があると推測できる。つまり、牛頭天王=素戔嗚尊=天津甕星という繋がりができたわけである。

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 ここで素戔嗚尊の神話を見ていくと天津甕星が「悪神」と言われるのも納得がいく。上記の戸隠山の天岩戸伝説では彼は高天原から追放されているわけである。ここで冒頭のリンボのセリフを思い出してみよう。「悪の神を自らの魔力へと置き換え」である。悪の神=スサノオであるとしたらどうであろうか。この場合、リンボが五芒星を用いることにも説明がつく。リンボは剣豪において「安倍晴明」を騙っていた。その際に五芒星を用いるのは至極当然であるが、安倍晴明ではないとわかった後に使う意味が無いのである。しかし、ここに素戔嗚尊=天津甕星=牛頭天王が入ってくるとすると、蘇民将来の護符や、甕星香々背男神社の五芒星がかかわってくるのである。悪の神を自らの魔力へと置き換えたが故に彼は五芒星を使っているのだという事に繋がるのである。

 そして、リンボはルチフェロなりしサタン様に使えているわけであるが、ルチフェロとは明けの明星つまり金星を表す。北斗七星からの神格として天津甕星を規定しているが、日本の国学者平田篤胤は天津甕星の事を「金星」だとしているのである。まだスサノオに関連する話はある。それは北斗七星は「妙見菩薩」という北斗七星を神格化した菩薩となる。そしてこの妙見菩薩は「薬師如来」の化身であるとされる。一方牛頭天王は薬師如来の化身であるとされるのである。ここでもまたスサノオと北斗七星が繋がるのである。
 そして、牛頭天王という神格はFGOにおいて「帝釈天」であると決定づけている訳であるが、この帝釈天は「天帝」又は「天皇」と呼ばれ方をするのである。一方北斗七星及び、北極星の事を「北極紫微大帝」、「天皇大帝」とよび、雷など天候を司り鬼神の王としたのである。ここでもまた、天帝という繋がりにおいて全てが繋がるのである。

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リンボと黒き神

 一方それでは「黒き神」とはなんなのであろうか。これは蘆屋道満のルーツに迫る必要があるだろう。蘆屋道満は秦道満とよばれ、秦氏である。ここで秦氏の面白いルーツが採用されているのではないかという仮説が持ち上がってくる。秦氏のルーツはユダヤ人であるというものである。蘆屋道満が用いたとされるのは六芒星である。六芒星とはダビデの星とも呼ばれるが故に、秦氏は実はユダヤを祖先に持つのではないかという与太話がある。これは正直やりすぎ都市伝説みたいな部分もあるが、(奈須きのこが好きな作家のミステリシリーズに影響を受けそのミステリシリーズが夏イベでも示唆され、立川流、鬼、秦氏ユダヤ等と繋がるため……というメタ的な視点で見てもこの可能性があると言えるだろう。しかし、ミステリのネタバレは死刑であるのでここではタイトルからを出さないことでネタバレを避けるという手法を取るしかあるまい。読者の間でこれかなと思いつくものがあったら多分ソレである。)

 もしこれがFGOにて用いられるとすると、リンボが「リンボ」であったり、エンピレオ等のダンテの「神曲」由来の名前をつけるかが明らかになる。それは神曲が旧約聖書及び新約聖書を下地にした物語でユダヤ人及びキリスト教の流れという事になる訳だが、ユダヤ人とカルデア人の関係からこの「黒き神」について考えてみよう。旧約聖書においてはアブラハムがカルデア人となっているので、カルデア人から信仰されていた神でも間違いはない。そこで出てくるのが「黒き太陽」という文字である。
 ここでまたメタ的な視点の話になってしまうが奈須きのこは「真・女神転生」が大好きなようである。真・女神転生は洋の東西を問わず、様々な宗教、伝説、神話の存在が登場するゲームであるが、敢えて言わせていただこう、ぶっちゃけた話しっかり調べられているとは言い難い。これどこ出典だ?と思うような眉唾物の与太話も取り入れられてる作品である。その為、それを参考にした型月作品に登場する1部もそのように、「え、原典不明のぽっと出設定!?」みたいなものも存在する。それを留意の上でこの話を聞いていただきたい。
 ここまで引っ張ってもしょうがないので黒き神とは「黒い太陽」アバドン=アルシエルであると思われる。アバドン=アルシエルのアルシエルとはカルデア人に信仰された「地獄」の最下層にいるとされる「黒い太陽」を象徴する死の天使である。アバドンとは奈落の王であり、蝗の大王と呼ばれる存在である。アバドンはその名の源を「アポリュオン」とし(これはギリシャ語でいうところの破壊者という意味である)、太陽神アポロンが倒したピュートンと合体したもの として捉えられている。そしてピュートーンとはまたもや「蛇」なのである。アルシエルという名に関しても、アズライールと同源で死の天使という意味を持つ。こうすれば、曼荼羅の前でアポロン様の話もしたし、地獄の紅閻魔のイベで山の翁がやってきた意味にも一応の説明がつくのであるが……
 兎も角このような話による存在が真・女神転生に登場するのは事実である。アバドンとアルシエルという神は元々存在している事は確認できるが、同一視の起源が学術的根拠が乏しいと言われたり、散々な部分である。上記の酒呑童子やスサノオまわりがしっかりしているが為、この違和感がどうもむず痒いが、秦氏ユダヤ説を取ってる可能性を考えると納得できなくもないよーななくもないような……。
 さて気を取り直してアバドン=アルシエルを根底にこれがリンボの中にいるとするならば、リンボの爪が蝗に似てるという話以外にも色々関係してくる。そもそもアバドンはサタンと同一視される傾向もあるため、ルチフェロなりしサタン様の部分とも密接に関係してくるし、蝗というのは稲作に対して害をなす害虫である。蝗というのは言ってしまえば農耕民族の敵対の象徴であろう。

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蝗の大王と稲作 安倍晴明とリンボ

 さて、ここで一旦蝗が敵という認識を作った上で天照の神仏習合を見なければならない。しかし天照の神仏習合なんて1大テーマをここでかきはじめたらとてもながくなるので習合手順は1回すっ飛ばして、天照大神=大日如来=荼枳尼天=宇迦之御魂神という形式を見ていこう。これはFate/EXTRAの玉藻の前の項目を見れば一目瞭然である。

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さて、天照大神と大日如来は良いとして、ここで「荼枳尼天」と「宇迦之御魂神」という神様については解説をしなければ読者を置いてけぼりにしてしまうだろう。ということで荼枳尼天について見ていくとする。荼枳尼天はダーキニーからきている。ダーキニーとは、インドの人肉を喰らう夜叉女で、カーリーの眷属とされていた。(カーリーとはシヴァの妻である。シヴァの妻と言えばパールヴァティーであるというイメージがあるかもしれないが、カーリーとパールヴァティーは元々は別個の神格であると考えられているが屡々同一視される。)そのダーキニーが密教とともに日本に渡り、稲荷信仰と習合するという流れである。また、荼枳尼天は9尾の狐であるという伝承も作られていった

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 次に宇迦之御魂神について見ていこう。宇迦之御魂神とは神道における食物の神様である。宇迦というのが穀物という言葉であり、稲荷信仰と習合するのである。「稲荷」というのであるから稲に関連するのはごく当たり前のことであり、ここに稲作の神様と太陽神が習合するのである。穀物を育てるためには太陽は欠けてはならない存在であったというのがわかりやすい解釈の方法かもしれないが、稲荷信仰の発生はなんと秦氏であると言われているのである。稲荷信仰は秦氏の勢力拡大によって広まった信仰でさえある。
(稲荷信仰が戸隠山の飯綱権現と同一視され、戸隠山の神様と天魔の関係性から第四天魔王の娘である鈴鹿御前が玉藻と同じくフォックス被りしている等の話もできるし、その話はとても重要だが文字数が後1万文字は必要になりそうなので割愛。しかしここで一つ戸隠山と曼荼羅に関わる面白い話があるので一つだけ紹介しておく戸隠山は戸隠神社を持つが、一言で言えば修験道とともに発展してきた場所である。(修験道とはざっくりといえば山岳信仰+密教+神道のごちゃまぜになった日本の宗教である。)戸隠山は、平安時代後期から天台密教や真言密教、神道が習合した修験道の修行場であった。そして密教が混ざっているという点から推測できるかもしれないが実は戸隠山は「戸隠曼荼羅」と呼ばれている場所であった。そんな中九頭龍信仰が修験道と共にあったのである。)

 ここに、天照と素戔嗚尊を結ぶ線があるように蝗と太陽神(アバドンとアポロンもそうである)、農耕民族と太陽神と蝗という繋がりが見えてくるのである。そしてこの稲荷信仰は地獄界曼荼羅を構成する要素「安倍晴明」にとても重要な因子として関わる。それは安倍晴明の母親が「葛の葉」という狐であるという物語二由来する。葛の葉は稲荷神のの神使であるとされているのだ。このため、京都にある安倍晴明神社では稲荷社があるし、この稲荷神の紳士の子供=安倍晴明を前提に置くと、稲荷神=宇迦之御魂神=荼枳尼天=大日如来=天照大神であるところの玉藻の前の正体を安倍晴明が見破ったというのはとても面白い状況となるのである。

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雷小話

 それでは、曼荼羅への視点を一旦牛頭天王=素戔嗚尊に戻そう。「轟雷一閃」とのサブタイトルの通り、雷が関わってくることは明白である。牛頭天王が帝釈天の化身であるという設定から牛頭天王=素戔嗚尊は「雷」属性を持つといって良いだろう。そして丑御前は天神様の子供であるとされる。ここで対象=天神様と派生し、天神様(菅原道真)となるのである。クワバラクワバラという言葉があるが、これは菅原道真が怨霊となった時に「桑原」という菅原道真の土地には雷が落ちなかったものから来ている。そして、リンボが人々を化け物に変化させるとき人々は「くわばらくわばら」といって逃げていったというものもある。

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剣豪との関係性

 長くなってきたのでこの方向からの話はそろそろ一旦まとめよう。
この地獄界曼荼羅には素戔嗚尊と天照大神、それに纏わると考えられるのである。
 これはまだ鬼ヶ島方面からみただけに過ぎないので、少々過保護かもしれないがとてもざっくりとだけ英霊剣豪七番勝負について見ていこう。
 さて第二の日本編であるところの英霊剣豪において、源頼光と酒吞童子の扱いだけ特別であったことは明白であろう。他の英霊剣豪がエンピレオであったりインフェルノであったりとダンテの神曲由来であったのに対し源頼光と酒吞童子のみ黒縄地獄・衆合地獄であった。これは下総と源頼光の関係が深く関わってきているであろう。上記にあったように丑御前は牛頭天王の化身であり、鬼神である。そのため丑御前は下総へと追いやられたのである。ここに源頼光と下総の関係性が見受けられる。

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 次に竜と英霊剣豪について考えていく。英霊剣豪には竜に関連する英霊が数多く登場する。例えばそれは酒吞童子であり、望月千代女であり、巴御前である。酒吞童子の竜との関係は上記で説明しているので、ここではその他2人のざっくりとした解説を行おう。
 望月千代女とは長野の禰津村に伝わる戦国時代末期の甲斐武田家に仕えたとされる甲賀望月家出身のくのいちである。故に『諏訪縁起事」に見られるような甲賀三郎にかけられた伊吹明神の呪いを受け継ぐ巫女であるという設定である。ここに伊吹明神という点について酒吞童子との関係が発見された。

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 一方巴御前も信州に由来する龍神であるとする説がある。木曾川の淵の徳音寺の集落を抜けた奥にある巴淵。そこには竜神が住んでいるという伝承があり、それこそが巴御前である。というのである。
 そしてヤマタノオロチの尾っぽから出てきた都牟刈は英霊剣豪でも登場する。その登場シーンの後の妖術師移動特異点となった天草四郎は「望月千代女 酒吞童子(中略)我が伴天連妖術による召喚の折、既に!かような結末定まっていたという事か」と発言している。これが、望月千代女、酒呑童子(伊吹童子)が八岐大蛇に関連するが故に村正の都牟刈へと繋がったことは想像に難くない。
まだまだ色々説明を付けることは可能だがさすがに文字数が増えたので次へ行こう。

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鬼/3分類

曼荼羅のテーマとして扱われるであろう「鬼」についてである。型月の鬼には3種類のパターンがある。
まず1つ目が生まれながらにしての鬼
そして2つ目が「まつろわぬ」モノが鬼へとなったもの
3つ目が物語としての鬼である。
この3つの中で特に解説をしなければならないのは「まつろわぬ」鬼という部分であろう。
まつろわぬとは「服ろわぬ」とし、服従しなかったという意味であると考えて構わない。つまり、服従しなかったモノたち、中央集権に刃向かったものたちという風に見ることができる。こうみると伊吹童子の元の伝承柏原弥三郎が「まつろわなかった」という部分も見ることができるであろう。(ここで酒呑童子=まつろわぬ鬼と見なすのは早計であるが、ここではその解説をしている余裕は無さそうだ……)

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 ここで鬼が竜と同じ系譜なのは、鬼女紅葉が「恐竜」だったり伊吹童子と八岐大蛇の関係性から理解出来るが、そうなると下総は「鬼」だらけであった。そもそも悪鬼羅刹の英霊剣豪七番勝負である。では下総で鬼とは誰を指していたのか考えてみる。勿論上記のように酒呑童子、源頼光以外にも望月千代女、巴御前などがいるが1番は「風魔小太郎」であると言えよう。FGOに今出ている風魔小太郎は5代目の風魔小太郎であるが、初代風魔小太郎は鬼の子孫であるという説もあり、それがゆえ、5代目の風魔小太郎の宝具が「果てぬ羅刹に転ず」という2尺16寸の鬼に変化する宝具となっているのである。鬼ヶ島、剣豪と登場した5代目の風魔小太郎が曼荼羅で登場する可能性もあるだろう。そして、忍者つながりでもう1つ。FGOmaterialに乗っている忍者には「甲賀三郎とその係累」というのがある。これは望月千代女が伊吹童子の呪いを受けていることからもわかる通り、甲賀三郎は伊吹童子の呪いを受ける筆頭である。鬼ヶ島、剣豪と素戔嗚尊vs八岐大蛇まわりの話が出てきたので、第3の日本編である曼荼羅で甲賀三郎が出るという可能性は十二分に存在するわけである。

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 この第2宝具の「羅刹」という文字にひっかかる読者も多いと思うが、ここの解説こそがキモである……といいたいが戸隠山のところでちらっと触れた「天魔」、そしてこの「羅刹」が型月の日本、仏教、インドまわりで1番肝心要なのに文字数の関係上そろそろ切り上げる必要がある……
なので関係があるという所の一つひっかかりを覚えてだけいただければ幸いで、別の様々な場所で解説をすることとしよう。

オリュンポス以後は全部伏線だった?

 それではシメとしてオリュンポス以後のイベントが全て曼荼羅への布石だったというとかろの1部を説明して終わりとしよう。これは、イベントごとの解説を総ざらいするだけであるので、拾いきれない部分も多々ありその1部を厳選したものだと思っていただけれと思う。まず最初にRequiemコラボである。Requiemコラボは勿論戸隠山と鬼女紅葉がポイントであったが、途中でダ・ヴィンチちゃんが「大国主」「少彦名命」の話をしたのを覚えているだろうか。大国主は素戔嗚尊と関係が深い神であり、言ってしまえば大国主の名付け親であり先祖である。大国主は国譲りの神様であり少彦名命は海より先の常世国から渡ってきた小人であった。これが国産みのエリセ、星の海を渡ったボイジャーと符合されている事は明白であったかここに国譲りと常世国というポイントが地獄界曼荼羅に関わるであろう。(ここももっと掘り下げられる。素戔嗚尊が根の国=冥界にいた話が関わるからである)

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 次に水着イベントであるが、八百比丘尼は蘆屋道満の娘という説があったり、秦氏はユダヤ以外にも始皇帝の子孫(故に夏イベで始皇帝まわりの話をした)という話があったり、五芒星と土蜘蛛と紫式部と、陰陽の太極図などおなかいっぱいになるほど伏線があった。次は影の国は常世国であると置いといて、ぐだぐだイベントは卑弥呼が隠れた(死んだ)ことで鬼神まつろわぬ神が禍ツ神として復活した。日が隠れたから禍が発生するとはそっくりそのまま天岩戸伝説である。また、稲作がメインのイベントであった。日の巫女と稲作が深い関係にあるのは明確な話である。そして面白いことにこのイベントのフリークエストのラーマに「この埴輪は羅刹であろうか?」という名前があったり、虫エネミーが稲作に来たりとあからさまである。そして4.5章は楊貴妃=天帝の妻=フサッグァが「雷」によって倒された事、ゴッホにはヴルトゥーム以外にもハスターという神性がついていたがハスターは「妙見菩薩」と繋がるということ、ゴッホの宝具「星月夜」には「ローヌ川の星月夜」という別作品が存在しており、そこには北斗七星があるなどの話が繋がる。(そもそも九頭龍ってクトゥルフではみたいなところもある)


 駆け足で見てもこのように大量の、オリュンポス以後のイベントに施された仕掛けが次の曼荼羅で発揮されるというのは多いにあるだろう。勿論、今まで上げてきたもの以外にも重要な伏線は隠されているし、アルジュナやカルナ、ラーマや哪吒といったLB4と天竺周りから天帝の話を探れなかったのは一重に(地獄界曼荼羅配信日までの)筆者の見込みが甘かったからと言わざるを得ない。また、武蔵ちゃんが天満大自在天神、仁王倶利伽羅仰天象といったり、伊舎那天といってるまわりからシヴァ神の関連、シヴァ神から第六天魔王、大国主は大黒天(シヴァ神)と繋がるなどまだまだ話は続くのだが、とりあえずここで一旦筆を起きたいと思う。続きというか、その他の事象は断片的にTwitterなどで呟くとするのでそちらをご覧いただければ幸いである。

ここで読んでいただきありがとうございました。


参考文献一覧(敬称略)

(PDF形式の論文)
茨木童子研究 川鍋仁美
『伊吹童子』における弥三郎と酒呑童子 荒川真一
伊吹弥三郎伝説について-伝承成立の分析- 松村勝

(書籍)
南清彦 『お荷の絵草紙-その民俗学と経済学』叢文社 1998年
藤沢衛彦 『日本の伝説 中部・東海』河出書房新社 2019
藤沢衛彦『日本の伝説 京都・大阪・奈良』河出書房新社 2018年
筑紫申真 『アマテラスの誕生』講談社 2002年
筑紫申真『日本の神話』 2019年 筑摩書房
小峰弥彦 『図解曼荼羅入門』角川ソフィア文庫 2016年
小峰弥彦『図解・曼荼羅の見方-カラー版-』大法輪閣 2009年
立川武蔵『マンダラ-神々の降り立つ超常世界』 学研 2009年
小栗栖健治 『図説地獄絵の世界』河出書房新社 2013年
杉原たく哉『天狗はどこから来たか』 大修館書店 2007年
野口鉄郎ほか 『道教事典』平河出版社 1994年
菊池章太『道教の世界』講談社 2012年
坂出祥伸『日本と道教文化』角川学芸出版 2010年
繁田信一『陰陽師-安倍晴明と蘆屋道満-』中央公論新社 2006年
繁田信一 『平安貴族と陰陽師-安倍晴明の歴史民族学』吉川弘文館 2005年
高平鳴海『図解陰陽師』新紀元社 2007年
山下克明『陰陽道の発見』 NHKbooks 2010年
山下克明監修『図説安倍晴明と陰陽道』河出書房新社 2004年
川村湊『牛頭天王と蘇民将来伝承-消された異神たち-』2007 作品社
真弓常忠『祇園信仰事典』戒光祥出版 2002
齋藤英喜『陰陽道の神々』佛教大学通信教育部 2007年
みやのゆきこ『天岩戸神話を歩く-高千穂から戸隠へ-』新評論 2020年
竹田繁良『伝承地でたどるヤマトタケルの足跡 尾張・美濃・近江・伊勢』人間社 2012年
山口博 『作られたスサノオ神話』 中公叢書 2012年 
山北篤 監修 『東洋神名事典』 新紀元社 2002年
大森恵子 『稲荷信仰の世界 稲荷祭と神仏習合』慶友社 2011年
戸矢学 『スサノヲの正体 ヤマトに祟る荒ぶる神』河出書房新社 2020年 
小松和彦 責任編集 『怪異の民俗学4 鬼』河出書房新社 2000年
高橋昌明『酒呑童子の誕生』中公新書 1992年
佐竹昭広『酒吞童子異聞』平凡社、1979年
大島建彦 『日本の古典-完訳-49』 小学館 1983年
野坂昭如 『酒吞童子-御伽草子-』 集英社 1982年
小松和彦『日本妖怪異聞録』 小学館 1992年
山田雄司 『跋扈する怨霊 祟りと鎮魂の歴史』 吉川弘文館 2007年
佐藤任 『密教の神々 その文化的考察』 平凡社ライブラリー 2009年
速水侑 『菩薩 由来と信仰の歴史』 講談社学術文庫 2019年
佐藤弘夫 『アマテラスの変貌』法蔵館文庫 2020年
筑紫
東実『鹿島神宮』学生社 2000年
ローズマリ・エレン・グィリー著、 大出健訳『図説 天使百科事典』原書房、2006年
健部伸明監修『真・女神転生悪魔事典』 新紀元社 2003年
岡田温司『天使とは何か キューピット、キリスト、悪魔』中公新書 2016年 
バーバラ・ウォーカー著 山下主一郎共訳 『神話・伝承事典』大修館書店 1988年
ダンテ・アリギエーリ 寿岳文章訳 『神曲』集英社文庫ヘリテージシリーズ 2003年
福田晃 『諏訪信仰の中世 神話・伝承・歴史』三弥井書店 2015
濱中修『平家物語とその周辺』神典社 2020
細川涼一『平家物語の女たち 大力・尼・白拍子』講談社現代新書 1998年
(HP)
戸隠神社HP https://www.togakushi-jinja.jp/about/
現代語で読む戸隠伝承 https://www.togakushi-jinja.jp/seiryuden/bottom/gendaigodeyomutogakushidenshou/gendaigodeyomutogakushidenshou.html#%E4%B9%9D%E9%A0%AD%E9%BE%8D%E3%81%A8%E4%BB%8F%E3%81%AE%E7%89%A9%E8%AA%9E
信州戸隠宝光社宿坊組合 戸隠神社の歴史 http://www.houkousha.com/detail-top/detail-rekishi/

これ以外にもTYPE-MOON作品全てを考察のネタとしている。
また、八坂神社、安倍晴明神社等に足を運んで立て看板などを読みそれも参考にした。
更にミステリーのネタバレができないため、上記の記事でかかれた該当する本の名前を記述するのを避ける次第である。



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