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一田入魂!!米は炊くまでが米農家だ!!〜愛で溢れる米農家さんと過ごす日常 in 南伊豆くらし図鑑〜


誰かの人生にお邪魔する

おらは今、南伊豆の「ローカル×ローカル」というゲストハウスでインターンをしている。
そこでは、1対1で暮らしを体験するプログラムを実施している。現在、漁師さんだったり、住職さんだったり、25種類もの、暮らしを体験できる。


おらは先日、米農家の中村大軌(なかむらだいき)さんの暮らしにお邪魔してきました。

なぜ、米農家?
おらの実家は兼業農家だ。ゆくゆくは継ぎたいと思っている。それで、いろんな農家さんを見てみたいなと。

写真は、初めましての2人です。まだちょっと距離がありますね。左が中村さん。右がおらです。


米農家の体験と聞いたら、みなさんは何を思い浮かべますか?
おらだったら田植え!!たぶん皆さんもそうだと思います。

しかし、おらが体験したのは
"田んぼの見回り、水路清掃"だ。

中村さんは、100枚の田んぼを保有しています。
その1枚1枚を見て回る。

『一田入魂』。中村さんが大事にしている言葉です。まさに、その言葉通り、田んぼ1枚1枚に魂を込めています。本当にカッコいい。

それでは米農家さんの日常の旅へ出発!!

田んぼの穴探し

ふと、田んぼに穴を発見。ザリガニやモグラが通ったことによって出来た穴だ。穴が空いていると、そこから水が漏れてしまうので補強をする。

稲にとって、水は生命線だ。
念入りに穴を探す。見つけたら泥で埋める。それを繰り返す。

水を辿る

田んぼを見ていると、、ん?水がない?!
土に亀裂が入り、渇いてる。
これはヤバい。稲にとって水は必要不可欠だぞ!

そこで、田んぼの横を流れる用水路を見てみる。
「全然水がないじゃん!」思わず声を出してしまった。

この田んぼは、下流にあった。上の田んぼに水が行き過ぎると、下には流れてこない。
ここで思った。どこに行っても"協調性"って大切だって。上にある田んぼは、下にある田んぼを思いやる。助け合わないといけないんだって。

用水路を辿っていくと、雑草が邪魔をしてうまく水が循環していない箇所がたくさんあった。
雑草を鎌を使って取っていく。

何が原因か。わかるまで用水路を辿るのだ。

束の間の一息

炎天下の中、農作業はとても疲れる。汗が溢れてくる。木陰でちょっと休憩。

中村さんが持ってきてくれた静岡茶をいただく。
「美味っ!!めちゃくちゃ美味い」
いい汗をかいた後の水分は堪らない!!しかも、1人じゃなく、2人ってのがまた最高だね!!

あれ?ちょっと距離縮まったかな??

近くで中村さんのお仲間さんたちが働いていたので、おしゃべり。そこで梅干しをもらいました。実はおら、梅干しが苦手で10年以上食べてません。でもここはチャレンジしたい、、、!!

「しょっぺぇぇぇぇえ!すっぺぇぇぇええ!」
思わず叫びました。いい刺激でした。
なんでもできる気がする!って前向きにさせてくれるのが大自然だとおらは思うよ!

余談挟みました、、、。すみません。

命を吹きこむ

用水路だけじゃなく、田んぼに繋がる管(入り口)も詰まっている。下の写真は、入口の周りに生える雑草を鎌でひたすら取っている図です。

これが意外と大変。泥は重いし、草も根が強く汗が大量です。でもやりがいもめちゃくちゃある。

作業が終わり、用水路の水を見てみる。
作業前と比べ、水の量や音、勢いが全然違う。

「水を見ているだけで嬉しい」と中村さんが言っていた。今、まさにその感情がわかる。水を見るのも水の音を聞くのも楽しかった。ぬるっとしていた水から、音が出るほどイキイキしている水に変化したのだ。新鮮そのものだった。都会ではなかなか聴けないだろう素敵な音。

おらは、水の音に生命を感じた。水が元気だと嬉しかった。水が生きてると、それがまた稲に伝わり美味しいお米になるんだろうな。

湧き上がる達成感

『やった分だけ答えてくれるのが嬉しいんだよね』と中村さんは言った。

中村さんにとって、米とは子供みたいなものなんじゃないかな。"米への愛"を、おらは感じた。中村さんの楽しそうな顔を見て、「ああ、本当に好きなんだな」っておらはなんだか嬉しくなった。

綺麗になった用水路、水で潤った田んぼを見て思った。
「ああ〜!気持ち〜っい!」ってね。

側から見たら地味な作業かもしれない。けれどもおらは、水と米の生命を繋ぐ大切な作業だと心から思った。"暮らしを体験する"って今までとはまた違った視点で見れるから素敵だな。

茶碗までが米農家

「米は作るだけじゃなくて、炊くまでが米農家」と中村さんは言う。どんなに美味い米を作ったとしても、炊く人がダメだったら台無しになってしまう。

だからこそ、米の炊き方もこだわる。
火加減だったり蒸す時間、米への愛で溢れてる。なんて素敵なひとなんだろう。

拾ってきた伝統

今時、米を炊くには炊飯器が必須だ。
しかし、中村さんは羽釜で米を炊く。
薪をわり、火をつける。

今の時代、こんなめんどくさいことして、米を炊く人なんて、なかなかいないだろう。でも、その手間でさえ楽しんじゃうのが中村さん。おらも凄く楽しかった。

実は羽釜と薪って相性がすっごくいい。木の熱カロリーと鉄の熱伝導率の組み合わせが最高なんだって。

そして、お米が沸騰するまでビールを片手に語り合う。

火ってすっごく綺麗なんだよね。ただただ2人で火を見つめる。そんなゆったりとした時間も好きだったな。

火にかけ終わったら20分間蒸す!!
水分が一粒一粒に伝わって美味しくなるの。

2人で羽釜を見つめながら"可愛いね"って。そんな感情が生まれるくらい米と羽釜と中村さんの虜になっていた。

ところでこの羽釜はどこで手に入れたのか?

それがまさかのゴミ捨て場。たまたま、ゴミ捨て場でこの子を見つけて拾ったそう。

使い手によって、ゴミだったものが大好きなものに変わる。これはまさに中村さんと羽釜の運命の出会いですね。羽釜も中村さんに可愛がられて、相当幸せだろうな。

愛情たっぷり、輝く白米


ついに完成!!

皆の元へ行き、蓋を開けます。
「おおお!!美味しそう!!」
早速、頬張る。2人で時間をかけて炊いたお米は最高でした!

2人とも笑顔が素敵だね。あっという間に距離が縮まりました。

伝統と現代を繋ぐ架け橋

日本人と言ったら"米!"って言うほど必要不可欠な存在だ。人を支えている。農業とは、まさに生命を繋げる仕事ではないだろうか。

バックボーンがあるから今がある。
中村さんは伝統と現代、はたまた、現代と未来を繋ぐ架け橋ではないだろうか。

『好き』が溢れている中村さんは、キラキラしていて最高にカッコよかった。本当にありがとうございました!!

中村さんの作っている"あいちのかおり"を頂きました。嬉しいなあ。"あいちのかおり"は、大粒で食べ応えがあり、香るように芳醇な味が特徴だそう。
中村さんの作っているお米をお店で見かけたら、絶対買います!なんだか愛着が湧いちゃいます。

ちなみに、"カミアカリ"って品種があるんだけれど、それを作っているのは、中村さん含めて全国で6人だけなんだって。凄いことだよね。これからのご活躍も楽しみにしています。

南伊豆に来る際は、
中村大軌さんの南伊豆くらし図鑑を体験してみてください。

https://minamiizu.fun/detail_007.html

少なくともおらは、素敵な時間を過ごせたし、新しい価値観を生み出せました。

ああ〜楽しかったな〜

余韻が未だに残ってます。笑

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