落伍の国のポーカープレイヤー

ポーカーが大好きなので、なぜポーカーを面白いと思う人が増えているのか考えた。
ポーカーに面白さはたくさんあるので、ここでは初心者がのめり込む原因となる楽しさを考える。

その初期衝動的な楽しさの一番の要素は、
「『自分が主人公の物語』を自分で描きあげることが容易だから」
だと思う。

皆さんの周りでも、あたかも自分がテーブルの主人公であるかのように振る舞ってしまう初心者プレーヤーの方を目にすることは少なくないのではないでしょうか?
あれの事です。
ちなみにネグラーヌとかの煽るようなテーブルトークは戦術の一つなので、似てますが全然違うものです。


セルフストーリーメイキングが容易である理由は3つ。

・ギャンブルなのに、お金は賭けなくてもできる
→日本では入り口の門戸がどんどん広くなっている

・ギャンブルなのに、対人戦
→自分と敵と言う構造が、自分の中心の物語を作ることを容易にさせている

・ギャンブルである
→シンプルに脳汁が出る

これらの要素がそうさせているのだろう。
(ここで言うギャンブルとは、運の要素で自分の持ち点が増減するゲーム全般を指し、お金を賭けることに必ずしも限定しない)


そしてその結果出来上がった物語は、
・努力して勝利を掴み取った人
・悲劇のヒロイン
これらを経験するサイクルが異様に早い。
なぜなら成功/失敗を味わう試行回数が多いからだ。
1つの大会シリーズ、1つのトーナメント、1回のゲーム
その物語の1話が完結するのにそれほど時間はかからない。


しかし面白いことに、ポーカーの上達に必要なことは、客観的であることだ。上手になるためには、原体験である楽しさを早々に捨て去らねばならないのだ。
これらは両立し得ないのか?

それこそが不完全情報ゲームを勉強することの面白さなのではないだろうか。

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