colaboの「232泊と都に報告した」を検証してみる

Ⅰ 令和3年度のホテル宿泊費問題

令和3年度の若年被害女性支援事業においてcolaboは保護者の一時的な宿泊のためホテルへの宿泊を計画し、実際に宿泊サービスを実施した。受注直後に提出する事業計画では1万×300泊の300万とし、業務完了時の精算では300万とだけ記した実施状況報告書を提出した。
その一方、colaboの2021活動報告書ではホテル宿泊は61名232泊となっており、事業計画書の300泊とは不一致であった。

R3年度 ホテル宿泊関連資料

暇空氏は232泊×1万の232万円経費に対して300万を請求しており、不正会計であると指摘を行った。
この指摘に対してcolabo弁護団は以下のように説明している。

colabo弁護団の説明

いつものように計画時の「1万×300泊の300万」は300万の範囲で流用可能であるとし、東京都に232泊分と報告したとして正当化している。
流用に関しては、「事業計画による」とする仕様書に反しており、東京都との協議が必要ということも、いつものとおりである。

仕様書及び契約書

しかし、この宿泊問題に関しては「東京都に232泊と報告した」としており、これが事実であれば契約上は問題がなかったこととなる。
なお、契約書第1条第4項に規定のとおり、報告は書面にて実施されなければならない。

Ⅱ 情報開示請求と開示結果

 colabo弁護団の説明のとおり「ホテル宿泊が232泊の報告」が東京都になされたかについて開示請求を行った。開示請求は行ったが「当該文書は取得してない」という回答がくるものと想定していた。

開示請求内容

しかしながら、予想に反して当該文書があるとのことで、開示を受けた文書が以下である。

Ⅰで示した「実施状況報告書」が開示された。当然、これは既に持っている。「232泊」という文字を見逃したかと何度も確認したがない。宿泊支援費300万の文字があるだけである。

232泊の報告に関する開示文書

ということで都に確認したところ、宿泊の報告としうことで該当するのはこの文書だったということであった、結論からすれば、「232泊と東京都に報告した」とする弁護団の説明は虚偽ということになる。
なお、契約に基づかない書面によらない報告の可能性は残っている。もしそうであれば、colabo弁護団は補足資料5を追加し説明すべきである。
「232泊の報告の文書がある」と知った時は驚いたが、結果は当初想定どおりであった。

Ⅲその他雑感

予定調和で拍子向けだったので、開示資料等を見て感じたことを書きたいと思う。

(1)colabo弁護団の説明書

このcolabo弁護団の説明書は読みやすいですか?私は読みにくくて頭になかなか入ってこない。暇空氏を糾弾するため、攻撃的な文言を羅列しているのも一因ではある。
この説明書は、暇空氏の指摘に対して「事実を摘示」し指摘が間違っていることを読者に理解してもらうことを主目的とするはずである。しかしながら、この「事実の摘示」が具体的ではないことが、読み難くかつ説得力を持たない要因になっているのではなかろうか。
下の文書でどちらが読みやすく説得力があるであろうか。

  • 都への報告でも、232泊分という報告内容に関して特段問題を指摘されていない

  • ⚫月⚫日、東京都担当者宛メールにて「232泊分300万」と報告した。

説明書が摘示する事実には、「日時」、「手段・方法」、「相手」や「場所」等の情報が欠落していることが多く、頭に入ってこないと同時に「これ本当か?」という疑念を抱かせる。開示請求等の確認手段がある疑念について確認すると「やっぱりな」で終わる。
前の令和4年度事業計画書の説明も同じである。暇空氏の開示請求前に修正版を提出してたなら、「⚫月⚫日都庁3階会議室にて修正版を東京都担当者に提出しており、開示請求の期間を考慮しても暇空氏は入手しているはずである」位は書ける。事実の摘示なのに具体な内容が乏しいためどうしても「怪しい」と感じてしまう。
なお、弁護団の説明書については、もうひとつ開示請求をしており。開示され次第新たな記事を書くつもりである。3月中旬以降になると思う。

(2)「若年被害女性支援事業」の委託事業の提出物

暇空氏から提供頂いた委託事業の開示資料であるが、協議的なものは4団体と複数の関連公的機関が集まった連絡会議のものしかない。東京都との2者間での協議資料や議事録が一切ない。colaboに限らず4団体ともである。
非定型業務において良い成果を出し、受発注者共に満足なものとするには、協議は必須である。

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