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サロンドパルファン2021の感想

香水に興味をもって早3ヶ月。手元にはそこそこいろんな瓶が集まって、もうここにあるやつローテだけで数年行けるんちゃうかと思い始めたところ、舞い込んできたサロンドパルファン開催の知らせ。調べたら、なんとペンハリガンのセントライブラリーが先行発売されるらしい。楽天やメで3年以上前のやや変色したディスカバリーが定価の2倍で売られている闇市的状況にディスプレイを噛みながら涙を流すしかなかった日々、これはマジ運命では?「運命の香りに、いくつ出会うか」ってもう出会っちゃったよ俺ら、そういう気持ちで開催3日前に電話予約しました。なお、ザディファレントカンパニーのディスカバリーは予約開始日の午前中だかに予約分が完売していた。TLでもよくコミケと比較されてるけど、やっぱり早めのお取り置きが大事やね。

買ったやつ全部は試せてないけれど、買った順に思い出を書いていきます。香水歴3ヶ月の人はこういうことを思うんだ~という参考になりましたら幸いです。

ザディファレントカンパニー ディスカバリーキット

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ジャン=クロード・エレナ「香水」を読んで、どうしてもディファレントカンパニーのディスカバリーが欲しくなってしまい、電話口での店員さんの「初日の早い時間に来ていただければ買えるかも…」という言葉を信じて朝9時に新宿伊勢丹に到着。10年コミケに通ったオタクは「遅すぎたか?」と冷や汗かきながらお伊勢の荘厳な建物の前をグルグルしてみたが、正面玄関には人っ子一人いない。なんか駐車場の脇に美人女性の列があり、アーッ遅かったか!と思ったら別のコフレの抽選列だった。サロパ列はなんと3人。開店直後はむしろ空いてて、お昼以降になるにつれ混んでくる印象でした。買えてよかったね。17,600円(税込)。

ゲラン ラールエラマティエール ミニチュアセット

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とりあえず金額が巨大奴から消化していかないと予算が狂うと思ったので、噂のラールエラを買いに行きました。まず一番ラグジュアリーなやつを嗅いでおくことは、初心者にとっても今後一つの指針となるはず……っていうか、スプレーじゃない!?!?!??でもゲラン創業時はきっとスプレーとか存在しなかったろうし、そういう歴史へのリスペクトなのであろう。小さなガラスボトルの側面にハチさんが型押されていて、カワイイ~♡ここに予算かけるならスプレーつけられるやろ!!5mmくらいのボトル口から手首にチョンチョンすると、サン宝石で700円くらいの香水のミニボトルを買った小学生時代を思い出す。広範囲に塗れないので香りが鼻に届いてこない…ちょっとゲランは自分には早すぎたみたいなので、数ヶ月寝かせてみようと思います。46,200円(税込)。

ペンハリガン ポートレートセントライブラリー

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ディスカバリー大好き人間か!でもお店で肌に乗せて試すとなると腕12本くらい必要になるので、やはり家でじっくり試せるセットは本当にありがたい。商品を包む紙にポートレートシリーズの柄がかわいく印刷されていて、おもてなしの精神を感じました。いかれたメンバーが勢揃いのセントライブラリー、英国紳士になりたいときに付けたいと思います。5,060円(税込)。

FLORIS ディスカバリーコレクションフローラル

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またディスカバってしまった…こちらは香りの系統別にディスカバリーが4種あって、こちらのセットは甘くないフローラル好きとしては使いやすい香りだなと思いました。店員さんが一つ一つの香りを丁寧に説明してくれて、とくにすずらんの香りが古典でありながら現代でも通用するシンプルさでいいなと思いました。なんと1730年創業とのこと。ゲラン(1828年創業)より老舗なのにちゃんとスプレーがついててすごい…。5,720円(税込)。

クヴォン・デ・ミニム シンギュラーインテリア ルイ・フュイエ ルームスプレー 100mL

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過去にマルジェラで「ウィスパーインザライブラリー」を買ったとき、いい香りだけどよく考えたら図書館はこんな匂いではないなと思い、それからちょくちょく図書館の匂い、本の香りという香水を探していました。サロパに出展していたバイレードにも「ビブリオテーク」という香りがあったけれど、初心者の鼻にはウィスパ~~と似てるなという印象。(実物の香りをまんま再現するのではなく、香りによって記憶を思い起こさせるのが香水の役目ってエレナも言ってたのに…エレナの著書から一体何を学んだというの!!??)

こちらの図書館のルームスプレーは前から気になっていたものの取り扱い店舗が少なく、サロパで実物に出会えて本当に良かった。瓶が深いグレーの透明ガラスで美しい。実家が古本屋だった勢としては、こちらの香りはかなり日本の古書にも通ずるところがあると思う。木造建築のお香っぽさが中心で、店主が吸うタバコや埃の匂いも多少あり、レザーに頼らない感じが重すぎず好印象(図書館でタバコは吸わないので多分気のせい)。

図書館とは関係ないけれど、同じフロアで試したフレデリックマルの「ローズ&キュイール」が、かなり刷りたての印刷物の匂いがする。新刊の本を嗅いでもおそらくここまでの匂いは残ってなくて、工場で印刷機から出てきたばかりの熱を帯びた刷り出しの匂いがまさにこれ。墨の匂いを更に強くしてケミカルみを加えたようなインキの香り、コート紙の草っぽさ。全く印刷物と関係ない素材から、印刷所勤務の記憶を思い起こさせてくれる…これが香りの力なんだね、ありがとうエレナ…

それにしてもザディファレントカンパニー、クヴォン・デ・ミニム、フレデリックマル全部にエレナがいるな…後はエルメスを呼ぶしかない。あっ上記のルームスプレーはかなりオススメです。5,940円(税込)。

サウザンドカラーズ M1971 イノセントラブ オードパルファン 

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ディスカバリーばっかりじゃなくて、たまには冒険してボトルを買ってみたらどうや?という気持ちになり、向かったのは香水回転寿司と同じお立ち台ステージで展開していたサウザンドカラーズ。こういう色んな色が集まっている商品についつい引き寄せられてしまうね。

E1997レインサウンドが好きな香りだったけど「ジョーマローンのブラックベリー&ベイに似てますね!」とジョーマローンブースの斜向いで言ってしまうという無礼な行いをしてごめんなさい…色々試香させてもらい、ネロリとジャスミンサンバックで使いやすそうなM1971を選びました。紹介されるとき基本的に番号なので、買ったあとで詳細見たらイノセントラブ!!!愛の香り!!!!ってなっちゃった。9,350円(税込)。

ジョー マローン ロンドン アールグレー&キューカンバーコロン

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結局最後に帰ってくるのはここ。俺たちのジョーマローンロンドン。いやこれクリスマス限定ですらないし、いつでも買えるじゃん!でもやっぱり好きなお店にお金を落としたいよね。この「お金を落とす」っていう言い方がオタク特有のウエメセでよくないよね。

初めてジョーマローンのお店に行って試香したときは紅茶の香りがわからなかったけれど、3ヶ月の時を超えてベルガモットとアールグレイの香りがわかるようになっていました。成長したね。ところが家でいつものようにワンプッシュしたところ、最初の1分くらいは芳しい茶葉の香りを楽しめるものの、それ以降は肌に直接鼻をあててクンクンしないと匂いがわからない。か、香り飛びはや~!生まれてはじめて香水を6プッシュもしてしまった。8,800円(税込)。

ジョーマローンで一番好きな香りかもしれないと思いつつ、この儚さはどうよという気持ちもあり、これから色々使いながら考えようと思います。同じ紅茶の香りでは、ラルチザンのtea for twoがかっこいい紅茶でよかったです。アールフレグランスのティーブレイクも試したかったけど、人気ブースでなかなか近寄れなかったので、またの機会にします。

3時間ほどじっくりみて、とうとうコーヒー豆でもどうにもならないくらい鼻が疲れてしまったタイミングで帰りました。ここ数年コミケにも行けてなかったけれど、久しぶりにイベントのドキドキ感を味わえてよかったです。来年のサロンドパルファンまでにもっと勉強して、自分の嗅覚や表現力も鍛えられたらいいなと思います。

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