見出し画像

ディプティックの感想2

キャンドル フルール ド スリジエ (サクラ)

昨日(3/9)からルミネの10%オッフッフッフがやってきた。最近ルミ姉見ないけど元気?
ディプティックにローパピエを試しに寄ったら、なんか知らんがキャンドルを買ってしまった。「子供もいるし部屋が本多いから全焼したら困るし……」とか言ってずっと避けていたのにこの意志の弱さ。「おせんべ焼けたかな」やってんじゃねえんだぞ(手のひらくるくる)。

今までキャンドルとか買ったことないけど、初キャン(初めてのキャンドル)は桜の香りで部屋を春爛漫にするのも悪くない。1万円以下だし、香水より安いから大丈夫……と軽い気持ちで「フルールドスリジエください」と言ったら、店員のお姉さんから待ったがかかった。
「キャンドル初めてとのことでしたので…ご使用されるにあたり必要なアイテムがあります」
「!?」

多い多い!!!!!!!

●キャンドルリッド

つまりロウソクのフタ。「ご覧のとおり、キャンドルはホコリが付着しやすくなっておりますので、この状態で使用すると煙が出たり香りが変わったりしてしまいます」
ウンウンたしかに。飲食店のトイレに飾ってあるキャンドルとか悲惨なことになってるもんな。なんか南部せんべい(ごま入り)に似てるし買っておこう。

キャンドルを楽しみながら食べたい

●ウィックトリマー

「キャンドルの紐の部分は、常に3~5mmを維持していただきたいんですね。そのためにこちらの専用のウィックトリマーが必要になります」
かわいいハサミだが……うちにあるIKEAの3本100円のハサミじゃだめか?
「通常のハサミだとキャンドルが下の方にあるときに切れないので、このように角度のついた作りになっております。刃先にお皿がついているので、切った紐を落とすことなくキャッチできます」
心の声を察知した当意即妙の返し……お姉さんの前世はさぞ名のある歌人だったに違いない。購入。

●スナッファー

これを見るたびにミッフィーの犬を思い出してしまう。

スナッフィー

んってかロウソク消すのなんかフーでよくない?
「フーっと吹いて消してしまうとですね……瓶の端がススで黒く汚れてしまうので、こちらのスナッファーで火を5秒ほど抑えて消していただくと、キャンドルがきれいな状態を維持していただけます」
また内なる声をキャッチされてしまった……お姉さんの読心術に完敗。

キャンドル9000円くらいで済ませるつもりが、お会計が28000円くらいになってしまった。3倍だぞ3倍。まあでもディプティックといえばキャンドルだからね。今日買わなくてもいつかは買ってる。
で、帰宅して早速着火。キャンドル初心者が初日に思ったこと。

●炎が揺れまくるので、本棚は当然のこと窓際カーテンの近くやベッドの近くなどで使うことはできない。つまり部屋が片付いていて半径1m以内に何もない空間でないと安全に使用できない(当たり前だけど意外と難しい)。
●炎が揺れまくるので、3秒に1回キャンドルの方を見てしまう。
●香りが強すぎて8畳の部屋とかだと普通にきつい。小さい家は家全体がフルールドスリジエになります。

つまり、家がデカくて部屋が広い人でないとおしゃれに使うのは難しい(ひろゆき構文)。まあわかってたけどね。おフランスでは6~8畳間にベッドと本棚と仕事机を全部置いたりしないだろうからね。
キャンドルを楽しむにはキャンドル単体では足らず、小道具を揃えても足らず、まずはデカい家が必要ということ。1億円用意して出直します。

オードトワレ フローラベリオ

廃盤なの悲しい

これの感想ってもうどこかに書いた気がするんだけど、好きだからまた書くね……(いつのnoteに書いたか思い出せない)
冬はキンキン高音フローラルになってしまい難しいんだけど、暖かい季節になると、りんごフラペチーノみたいに可愛くて華やかな香りが楽しめる。
コーヒーとごまは、要素としてはっきり感じることはないけれど、ラウル・デュフィの水彩画みたいにぼんやりした塗りの中にシャープな線画が浮かんでいるような……りんごのふんわりした甘さに輪郭を与えてくれる存在。

オードトワレ ロー デ ゼスペリード

去年の夏はずっとこれだった。ミント・りんご・オレンジ!
スッキリ爽快感のある香水はメンズ寄りになることが多いが、こちらはミントとオレンジが同じ強さで持続してくれるので、涼しさと可愛さを両立してくれる。ミントが持続するってなにげにすごない?
これを嗅ぐと、仕事終わりに汗だくになりながら帰る夜の駅の明かりを思い出す。ローデゼスペリード。労働者の帰路を照らす橙色の光。

オードトワレ ゼラニウム オドラタ

私はロンブルダンローが好きなので、同じようにお花とグリーンが同割合で主張してくれるゼラニウムも素敵だな~と思っていた。しかし展開が100mlのみで、民芸館で見る巨大わらじのようなサイズ感のため片手でプッシュしづらいのが難点。「ゼラニウム迷ってるんですよね~」と店員さんに伝えると、「すみません在庫を切らしてまして……」
ウッ! ないと聞くと欲しくなる愚かな資本主義の豚。その日は諦めて上記の「ローデゼスペリード」を買って帰ったものの、ゼラニウムの鮮やかな香りが忘れられず、秋、冬と時が流れていった。
そして正月明けのデパートで、ようやくゼラニウムの在庫が復活しているお店に遭遇。数ヶ月越しの再開にディスプレイの前で嗚咽していると、店員のお姉さんが「ゼラニウムオドラタとロードネロリとローデゼスペリードは、在庫が切れると数ヶ月入ってこなかったりするので、あるときに買っておけと(スタッフ内で)言われています」と、乾いた大地に降り注ぐ慈愛の雨のごとく吹きかけてくれた。

あれだけ恋い焦がれたゼラニウムオドラタ。赤い服を着る日などは、グリーンな香りが装いに鮮やかなコントラストを与えてくれる。が、甘さがゼロなのでわりとメンズ感が強め。ラストはトンカビーンが香ばしく香り、ゼラニウムの花弁の赤、葉の緑、土の黒と、色彩がビビッドに展開する。甘さ、曖昧さ、優しさは一切ない。

片思いの末、ようやくお付き合いできた彼。デートは六本木、表参道ととても華やかだけれど、私の前では一度も笑ってくれない。手も繋いでくれない。彼の黒いシトロエン。窓を流れる赤い光。葉巻の匂い。
あれだけ待ちわびた日々のはずなのに、こうも心が苦しいのはなぜ??

(訳)憧れて買ったはいいけれど、けっこうグリーンの塩味がキツくて頭痛くなってくることがある。華やかだけど意外と男臭い。
まあ公式サイトに「男性の肌で気高く香ります」って書いてあるしね……

オードトワレ ロー ド ネロリ

「在庫があるときに買っとけ」三部作のラスト。サンプルを入れてくれた店員さんからの熱いメッセージを感じる。これも買え…ってコト!?
ネロリに関しては常々「セロテープっぽい」「シトラスなのに酸味がなくてキレそう」と差別意識を抱いており、精油を嗅いでも「こんなソフトな香りなのにml単価が激高」と、鼻持ちならない金持ち野郎を見る気持ちでいた。
ところが、こちらはさすがディプティック。トップはローデゼスペリードに似てベルガモットやハーブが爽やかに香り、しばらくすると白く繊細な花弁がひらひらと展開する。

ネロリの花弁ってなんか分厚くて野暮ったいな……と思っていたが、こちらのトワレではオレンジの木が咲かせる桜のように薄くなめらかな美しさ。そしてミドル~ラストにかけての蜂蜜がとても心地よい。シトリン色のオレンジハニーが春の日の光に透けて輝くかのよう。
ただし全体的に繊細でソフトな香り立ちなので、春秋以外に美しく香ってくれるかは謎。100mlボトルで買うにはうーんだが、ネロリが苦手な人には新しい世界が開けるはず。

オードパルファン フィロシコス

ディプティックはオードトワレとオードパルファンで香りの構成が違ったりするので楽しい。フィロシコスは初めてボトルで買った香水なので思い入れも深い。
トワレはいちじく畑の葉をかき分けて進むと玉ねぎ型の赤い果実が揺れる……という映像的なイメージを抱くのに対して、パルファンは最初から皿に載った葉と果実を鮮やかに切り取った写真のよう。畑の風を感じるEDTも好きだし、フィグのキュートさがダイレクトに現れるEDPも好き。
最近ロジェガレのフィグハンドクリームを買ったら「おめえ! これフィグじゃなくてピーチじゃねえの」と怒り狂ってしまい、男の娘絵に対して「女の子にちんちんがついてるだけだけの絵は二流」と少年の骨格を求める面倒なオタクみたいになってしまったので、フィロシコスを嗅ぐとディプティックしか勝たんになる。ごめんなクルジャン。

マイルドハンドウォッシュ 350ML

ラベンダーの香りがキリッとしてとても心地よい。ハーバルなだけではなくほのかな甘さがあり、手に残る香りに癒やされる。

🌸いい点
●香りがいい。
●1プッシュせずとも、浅押し(0.3プッシュくらい)で十分両手を洗える。

🌸気になる点
●泡切れが悪い。いつまでもヌルヌルが残るので、早々に諦めてペーパーで拭ってごまかしてる。
●瓶が激重すぎて、(落としたことないけど)床に落ちたとき床か瓶どちらかがタダでは済まないハラハラ感がある。1プッシュも結構重くて力いる。
●いっつも浅プッシュしてるせいで、ポンプが液垂れでちょいちょい汚れる。でも1プッシュしたら永遠にヌルヌルが流し終わらない。

あ!? 文句ばっかりか?? でも結婚生活ってそんなもんだよね。気になる点は多々あれど、相手のいいところに感謝して楽しい生活を送りましょうってこと。でも同じ値段で20本は買えるキレイキレイの気安さ、ポンプの押しやすさ、泡切れの良さはマジで神。うちの3歳児の帰宅時はキレイキレイ一択。

というわけで、軽い気持ちでキャンドルを買うと大変なことになるよというお話でした。

お試ししたローパピエはけっこうガサムスク(鼻にガサガサチクチク刺さるムスク?みたいなやつ、自分で勝手に作った造語)で、ANOTHER13をソフトにした感じ。ビブリオテークとかウィスパーインザライブラリーみたいな古書タイプではなく、きちんと漂白した紙の塩っぽさが出て、マニッシュかつ都会的。
好きな香りかというと全くそうではないけど、これが似合う人になりたい度で言えば過去イチ(紙商売だから……)。
来週の発売が楽しみです。

頂いた支援はおもしろ香水を買うのに活用させていただきます