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『東方幻想麻雀』の感想をとにかく急いで書いてみた

『対戦ホットギミック』のオシオキシーンを遠巻きに見つめ、
『兎-野性の闘牌-』の園長と仙道に怒りを覚え、
『続 お手並み拝見』で三人麻雀なるものを知る。

そんな過去を過ごしてきた自分が今月のトークテーマ2つ目。というか、【テーマはないのでなんか書け】枠で書いていくのが2020年1月30日に発売されたばかりのNintendo Switch『東方幻想麻雀』の感想。早いレビューには早さ自体に意味があるんじゃないかと、買いたてホヤホヤの『東方幻想麻雀』をプレイしつついろいろ書いていきます。

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ベースは手堅いコンピュータ麻雀

『東方幻想麻雀』は「東方Project」の二次創作作品。制作したD.N.A.SoftwaresはPC用の同人ゲームとして2009年以降『東方幻想麻雀』シリーズと呼べるくらいに複数の麻雀ゲームを頒布しているそうです。採用されている役は一般的な範疇で、ローカル役と呼ばれがちなものはほぼなし(ほぼ、というのは人によって一般的のラインが変わるため)。立直時の捨て牌選択時に待ちが表示され、ドラはツモったときや河に置かれたときに軽くエフェクトが入ると、麻雀ゲーム定番の親切機能も搭載されています。

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また、麻雀ゲームではどうしても鳴ける牌が捨てられたときに
“なきますか? →はい →いいえ”
的な表示を出して一時的にゲームの進行を止めることが必要。その一方で、鳴きたくないときにこのゲームの進行を止める状態をスムーズにオンオフできないと「ゲームの進行が止まったことで手牌を読まれる」という問題もあります。本作ではこのオンオフを常時ボタンひとつで切り替え可能。自動であがる機能のオンオフもボタン一つで行えるので、ダマテンで高目を狙うために安あがりの牌を見逃すみたいな行動もしやすいです。総じてコンピュータゲームの麻雀として基本は過不足なく押さえられている印象ですね。

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COMの手ごわさは一般的な四人打ち麻雀ゲームと同程度。テンパイだけしていたら流局続きであっさり勝つこともあれば、三順目でリーチされて「やめろよぉ」となることもある。強すぎず弱すぎず、そして一巡目で「天和^^」などというインチキ臭さもなく、ダラダラCOMと対局していても理不尽さや退屈さを感じることはありません。あえて言うなら後述する能力の使い方が少し下手かなと感じるくらい。”当たり牌を察知する能力”を一巡目に使うのは、さすがに憶病すぎるだろうと(笑)。

ただ、麻雀を覚えるためのモードはなく、説明書も採用されている役の紹介でその役が成立する条件が書かれているくらい。字牌で一飜付けるのがあがりへの特急券みたいな、麻雀を覚えたてでも知っているようなことさえ補足はありません。あくまで最低限麻雀のルールを知っている前提の作りですね。

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嫌がらせありロマンありの特殊能力

本作の大きな特徴となるのは、登場キャラクター107名が異なる能力を持っていること。端的に言えば本作は“能力麻雀”“イカサマ麻雀”と呼ばれるタイプの麻雀ゲームです。107名もいるので、役の積み込み、手札のドラ化、他家への強制ツモ切り、振り込みの防止、未来のツモ牌ののぞき見、と能力のバーゲンセール状態。攻撃的な能力も防御的の能力も、能力麻雀を遊んだことがある人が思いつくような能力はたいてい用意されています。

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さらに、可能な限り原作の能力やスペルカードを麻雀のルールに落とし込んでいる印象。霊夢の“発動から数巡、自分の捨て牌がロンされなくなる”能力は、『東方永夜抄』のマニュアルで示された、“空を飛ぶ程度の能力”は力や脅しによる重圧に屈しない無重力ということがベースになっているでしょう。フランドールの“ツモが6巡風牌による”能力や、魔理沙の“手牌のうち一種類を赤ドラに変える”能力はどちらも上振れしたときの点数がとんでもないことになることから“あらゆるものを破壊する能力”や“恋符・マスタースパーク”からイメージされたものかと。

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まあ、どれもこれもインチキ能力ばかりなのですが、対戦プレイがあるためか脱衣麻雀などで定番の“必ず一発でツモ”とか“役満を仕込む”みたいな、極端な効果はなし。「爆!」とか「豪!」とかもしてきません。

また、強力な能力ほど“能力ゲージ”(ツモでたまる能力の発動に必要なゲージ)のたまりが遅く、効果が控えめな能力は能力ゲージの最大ストック数が多いと能力の強弱は発動の頻度でもバランスを取っている様子。自分はドラ増やしたり風牌仕込んだりといった、役の爆発力を上げるキャラクターばかり使っていますけどね(笑)。

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卓のルールが豊富過ぎてなんかすごい

キャラクターが能力を持っていることに加えて特殊なルールで遊べる卓も豊富。常に”中”がドラ扱いされる“博麗神社”はまだかわいい例。ツモあがりの点数が2倍になる“紅魔館地下室”だとか、すべての数牌に1枚ずつ赤ドラが入る”霧雨魔法店”だとか、通常の麻雀の感覚の2倍、4倍当たり前の点数が飛び交う卓がゴロゴロとあります(逆転性だけ高めたルールの卓や、インフレ抑え目の代わりにトビやすい卓とかもあります)。
そして、個人的にイチオシなのが“灼熱地獄”という卓。まあ、この卓のルールはシンプルで通常と違う点はたったの2つ。
・赤ドラが字牌に1枚ずつ存在する
・点数は青天井
……うん、やばいね。
麻雀は知っているけど青天井ってなんぞ? という人に8割くらい正しい説明をすると、満貫とか跳満とかがなくて5飜以降も1飜につき点数が倍になるルール。親の跳満で最低38,400点、子の数え役満で最低3,276,800点になるよ。まあ、そんな感じ。

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ロン! 60符6翻、61500点です!!
もちろん25,000点なんて持ち点では瞬時に消し飛ぶので、青天井ルールに限り各プレイヤー10,000,000点からスタート! 30,800点オールが痛いけれども致命傷ではない麻雀って新鮮ですよ。

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能力と卓のルール、両方合わさってなんだかえらいことになっている麻雀が遊べる。それが『東方幻想麻雀』なんです(能力なし、通常ルールでも遊べます)。

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