撮影&カードバトルだからこそ集めることにハマれた『スナップキッズ』【たぶん自分しか推してないゲーム】

諸説ある師走の語源。なかでも有力なのが、師匠である僧が東西を走り回る時期というものだとか。そんな僧侶の足ほど筆が走らないゲームライターは、年の瀬になってようやくnoteに手を出したというわけです。年末進行は今年も手ごわい相手でした。

さて、今年最後のトークテーマのひとつは【たぶん自分しか推してないゲーム】。既にこのテーマを書き終えているほかの優秀なメンバーも含めて、本気で自分しか推していないと自信を持って語れる人はいないんじゃないかな。とくにターゲット層が自分の世代ではなかった場合、自分より少し下の世代には大流行したけれどその話が聞こえてこなかったということもあるかと思うんですよ。今回取り上げるのも、自分とターゲット層がずれていたタイトル。

『スナップキッズ』です。
調べてみると発売はエニックス、しかも小学館と共同で制作されたとか。2001年から2002年にかけて月刊コロコロコミックでマンガも連載されていたということで、2019年現在20代後半? くらいの人には定番なのかもしれません。実際下の動画のコメントには「懐かしい」とか「コロコロだっけ」といったコメントが見られます。

ただ、自分の周りには『スナップキッズ』を遊んでいた人がいなかったんですよね。ここで雑に解説しておくと『スナップキッズ』は世界中に生息している「ワンダー」という生き物を撮影して、撮影によって作られるカードでバトルをするというゲーム。「ポケモン+対戦型カードゲームー育成要素」くらいの感覚でだいたい間違いはないです。

おもしろいのは、この撮影のできばえでカードの能力が変わる点。遠くのワンダーを撮影するほうがフレーム内に被写体を収めやすいですが、ワンダーをより近くで撮影するほどできあがるカードのHPは上がります。ただ、ワンダーが見切れすぎていると、できあがるカードは使い物にならないものに。まったく同じシチュエーションで同じワンダーを撮影したつもりでも能力にぶれがあり、ベストな写真を求めて同じワンダーを何十枚も写真に収めましたよ。下に撮影シーンが主体の動画をサンプルとしてペタリ。

また、ワンダーが特定の行動を取っているときに撮影すると、通常とはまるで別の性能のカードが手に入るのも撮影しがいのあったところ。いつ取るかわからない特定の行動を取った瞬間をフレームに収めるのはただワンダーの写真を撮るよりも難しい。それをなるべくアップで、しかもフレームの中央に収めて撮影する。あまり撮影に時間をかけているとワンダーが逃げてしまうこともあり、これぞという1枚を撮れた瞬間は感激しましたよ。

それだけベストショットにこだわったのは、ひとつはワンダーのカードの強さの限界が見えないから。対戦モードが用意されていた以上、『スナップキッズ』は多分どれだけベストショットを撮ったとしてもカードの能力が青天井に上がるというシステムにはなっていないと思うんですよ。ですが、その上限はいっさいプレイヤーには明示されていません。だから、もっといいカードをもっといいカードをあるかもわからない上限を目指してひたすら撮影が楽しめたのだと思います。

さらにいわゆる「なにかを捕まえて仲間にする」ゲームではなく、撮影という形を撮っていたため、一回のエンカウントでフィルムの限り撮影を試せたのもこだわりの1枚を求めてさまよえた点。撮影を終えて何枚ものカードのなかから当たりを探すワクワク感は、1体捕まえたら即ステータス画面を見られるタイプのゲームにはないものでした。

そしてもうひとつ、撮影にハマった点としては『スナップキッズ』のバトルがカードバトルだからというのもあります。『シャドウバース』でも『カードヒーロー』でも『カルドセプト』でもいいですが、何かしらのユニット同士がバトルを行うカードゲームって攻撃力やHPが1(『カルドセプト』の場合は10)違えば相手を1ターンで倒せるかや、相手の攻撃に耐えられるかがまるで変わってくるじゃないですか。これが『ポケモン』のようなRPG形式のバトルだったら、ちょっとしたステータスの差が試合に影響することはほぼなく、山盛りのカードを手にすることはなかったんじゃないかなあ。

発売から20年近くたち、今遊ぶのは困難なタイトルですがゲームシステムの根幹は今でも通用するもの。リメイクのウワサとか・・・・・・さすがにないですよね。


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