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【今月のトークテーマ】TGS 2019で賢くなったけど、これってアリなの?

年に一度のお祭り“東京ゲームショウ”。ここ数年の自分のTGSは、まず適当にブースを巡って大きな袋をゲットすることから始まります。そして、手に入れた袋に渡されるノベルティやらチラシやらを片っ端から放り込みつつ1~8ホール(企業ブース)を散策。

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散策。

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……すごかった。等身大ライザさん、とにかくすごかった。

で、一通り企業ブースを見て回ったあとにインディゲームを見に行くというのが流れになっています。今回取り上げるのは、このインディゲームの話。インディゲーム、もしくはインディーズと呼ばれるタイトルはコンセプトだったりシステムだったりといった面で一芸に特化したものが多々あります。そんななかには“どこまでがゲームなのか?”という疑問にぶち当たるものもチラホラ。今年もそんなゲーム(?)に出会うことができましたよ。それが“Chloro”というサークルの『あかほん! プロトタイプA -微分・積分編-』です。

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あかほん、I・A、微分・積分。はて、初めて目にしたゲームなのに見覚えのある言葉がいっぱいあるぞ? しかも見ていると頭痛がしてくるぞ? これはいったいどうしたことだろう? どうやら、この『あかほん!』の由来は大学の過去問が詰まった”大学入試シリーズ”通称”赤本”だそうで。どおりで頭が痛くなるわけだ。

まあ、せっかくなので遊んで、いや、お勉強をしてみたのですがゲームとして見るなら一応はビジュアルノベルなのかな?  シキネ(プレイ中にビジュアルは出てこない。公式サイトによるとバカ)がスウ(画面の女の子)に微積分を教わる流れで物語は進行。距離とかかった時間から平均速度が求まるという話から、無限に小さい単位時間での平均速度に話が発展していき微分につながっていました。

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「峠を攻めていたとするよ」

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思えば小学校の教科書では太郎君や花子さんがリンゴを買ったり、大量のリンゴを家族で分けたりしていたけれど、中学、高校と上がるにつれていつの間にか太郎君も花子さんも頂点Aとか点Pみたいな無機物に変化していましたような。もしかすると、こういった物語仕立てで教わっていれば今よりも微積分を抵抗なく受け入れられた人もいたんじゃないでしょうか。

さて、上でビジュアルノベル? と書きましたが実質的にこの解説パートはデジタルの紙芝居みたいなもの。任意のポイントに戻って話を読み直したり、逆にスキップして途中から話を見ることも可能です。そして、後半にはビジュアルノベルでは定番の選択肢も。

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ほら、ビジュアルノベルが好きなら選択肢も大好きでしょ。お好きな選択肢を選んでいいんですよ。ルート分岐はないがな! と、解説パートのあとには基礎的ではあるけれど、ガチな問題が数問。解説があって例題があるというのは、教科書定番の作りですよね。もう教科書なんて記憶の片隅にしか残っていませんが、確かそうです。

そして、すべての問題を解いた先には感動のエンディングテーマも用意。こちらはYoutubeにあがっていたので動画でどうぞ。

解説と問題、それにエンディングテーマという作りですがじっくり読んでいくと20分はかかる結構なボリューム。デジタルで読むちょっとゆるめの教科書として、なかなかアリな内容でした。試遊? 試勉強? を終えてみると、手元にはChloroブース及び『あかほん!』の直撮りの写真が51枚。そのぶんだけ微積分の復習ができたってことです。多分。ただ、この『あかほん!』に触れて思っちゃったんですよ。

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