『鬼滅の刃』コラボで『グラブル』を始めるユーザーに向けて、既存ユーザーからの話をまとめてみる

先日、『グランブルーファンタジー(以下、グラブル)』と『鬼滅の刃』のコラボが発表。『グラブル』ファン『鬼滅の刃』ファンともに、SNSでざわざわしていました。

こういった大きな発表には多数のリプライがつき、山ほど引用RTされるのはもはや定番。
いかに『グラブル』のコラボが素晴らしいかをアピールする人もいれば、『グラブル』のつらいところを挙げる人もいました。『グラブル』プレイヤーからすればどちらも理解できる話なのですが、客観的に見ると個々のツイート自体はなんらかの一要素についてだけ語っているため『グラブル』や『鬼滅の刃』に対する既存ユーザーの感想が全体像として見えてきにくい印象。
そこで、主にTwitterでつぶやかれている話をベースに『グラブル』のコラボや『グラブル』自体について書いていこうかと思います。

なお、この記事では『グラブル』なぞ知らん。という人に向けてなるべく噛み砕いた内容。また、自分はそこそこ『グラブル』をプレイしているけれども間違っても上位層ではありません。その点を踏まえて読んでもらえれば。

コラボのクオリティは期待できる

公式Twitterなどで言及されているとおり『グラブル』がほかの作品とコラボする場合、基本的にはコラボクエストが用意されます。
『グラブル』のコラボクエストは、主に会話パートとバトルで構成。会話パートはフルボイスだというのが慣例です(コロナの影響で収録が遅れている可能性はあり)。会話パートで表示されるコラボキャラの立ち絵は既存のものの流用ではなく、『グラブル』サイドの描きおろし。過去の立ち絵はいずれも原作のファンから高い評価を受けています。
『鬼滅の刃』コラボ用の立ち絵もコラボイベント開催の発表と同時に公開されており、そのクオリティは公式Twitterで公開されたとおり。

自分は『鬼滅の刃』フリークではないので立ち絵についての感想は書きませんが、Twitterを眺める限りでは好評なようです。

そしてコラボイベントのストーリーが原作ファンから高い評価を得ることが多いというのも『グラブル』の特徴。
近年でとくに好評だという印象を受けたのは『コードギアス』コラボですね。プロローグこそ原作をなぞっていたのですが、ある時点でコラボイベントオリジナルの展開へ。その結果、大きな悲劇が回避されているだろう世界線“幸せな『コードギアス』”を作り上げました。

こちらの『コードギアス』コラボは“いつでも遊べる過去のイベントクエスト”になっており、『鬼滅の刃』コラボから始めた人でもプレイできます。ですから『鬼滅の刃』も『コードギアス』も好きという人の楽しみを削がないように物語の詳細は語ることは避けましょう。

さて『鬼滅の刃』コラボイベントもIF展開だという前提での話になりますが、『グラブル』プレイヤーかつ『鬼滅の刃』ファンが気にしていることがあります。それは煉獄さんがプレイアブルキャラクターという発表があったこと。

原作では……だった煉獄さんですが、『グラブル』の世界では最後まで!? ということがあり得るかもしれません。

コラボキャラ入手にガチャは不要

しばしば初心者を不安にさせたり勘違いさせたりして、そしてそのたびに『グラブル』プレイヤーから指摘されている話ですが『グラブル』ではコラボを含めたイベントキャラはガチャで手に入れるものではありません。

多くの場合、イベントクエストを進めていけばイベントキャラ、今回の場合は『鬼滅の刃』の面々が手に入ります。
クエストである以上イベントクエスト中にバトルはありますが、そのための育成は必要なし。イベントクエストの物語上行われるバトルは、参加するメンバーがステータスも含めて完全固定。“強力な攻撃を受けたので回復しましょう”といった形で、バトルの手順までサポートしてくれるのでバトルというよりもイベントの演出としての性質が強いものです。ですから、『鬼滅の刃』コラボ開始と同時に『グラブル』を始めたとしてもイベントは最後まで進めることができます。

一点だけ気になるのは、過去のコラボイベントでは周回を前提としたクエストで手に入るアイテムと交換でキャラクターが加入するというケースがあったこと。同様の仕組みが『鬼滅の刃』コラボに盛り込まれた場合は自分のパーティ、つまり多くの場合まるで育っていない面々でクエストに挑む必要があります。
ただ、アイテム交換が必要だったとしても『グラブル』は多くのクエストでほかのプレイヤーと協力することが可能。これにはコラボイベントのクエストも含まれます。協力と言っても事前にチームを組むのではなく、バトル中に“救援要請”というボタンをタップすればほかのプレイヤーは“今、救援が出ているクエスト”が閲覧できるという形式。コミュニティを作らずとも助けを求められるのは、初心者にとって遊びやすい仕組みではないでしょうか。
さらに、イベントクエストでは何戦かほかのプレイヤーに協力するとソシャゲ定番の“ガチャ石”がもらえるため、救援に応じたいプレイヤーはゴロゴロいるはず。まあ、きっとなんとかなりますよ。

コラボキャラは使える

肝心のコラボキャラについてですが、まず現在の『グラブル』でコラボイベントが開催された場合コラボキャラはSSR。ガチャの最高レアと同じレアリティのキャラとして実装されます。必ず手に入るのにレアリティというのは妙な話ですが、『グラブル』ではレアリティによってステータスに大きな差が出ます。つまり、SSRという時点で一定の性能は保証されているわけです。

ただ、SSRといってもそのなかで優劣が付くというのはソシャゲの常。これまでのコラボキャラの性能を踏まえると、おそらく全キャラクターがそろっているようなプレイヤーにとって、煉獄さんがベストメンバーになることはないでしょう。
一方で使い物にならない名ばかりSSRになるのかというと、そうではないはずです。初期のコラボキャラはSRだったので、さすがに……という部分はありますがSSRになってからのコラボキャラはおおむねSSRのなかで上の下から中の中といった性能。

やり込んだプレイヤーでも参戦メンバーを厳選するような高難易度クエストへのメンバーに抜擢されるのは厳しいかもしれませんが、普段日課のように通うクエストには無理なく参加させられるでしょう。

そして『グラブル』はベストメンバーを出さないと負けるギリギリの戦いよりも、メンバーを多少変えてもなんとでもなる戦いの比重が圧倒的に大きいタイトル。もちろんやり込み具合によってギリギリの位置は変わりますが、“ギリギリの戦い”を2回ほど遊ぶ間に“なんとかなる戦い”を数十回は遊んでいるプレイヤーがゴロゴロいます。
また、上の下から中の中というのはキャラクターがそろってからの話。強いキャラを手に入れていなければ、相対的にコラボキャラは自分が手に入れたキャラのなかでも強いキャラになります。それこそ『鬼滅の刃』コラボから始める初心者なら『グラブル』を遊ぶ時間の大半を、無理なくコラボキャラと一緒に楽しめるでしょう。

いつまでもコラボキャラと戦える

また、使えるという話にも通じますが『グラブル』において、キャラクターの基本ステータスがインフレすることはほぼありません。これは、『グラブル』ではキャラの育成がパーティ強化のメインにはなっていないためです。
下でもう少し詳しい話を書きますが『グラブル』では“パーティメンバーの基礎HP+100、基礎攻撃力+100、HP+30%、攻撃力+30%”というようなブーストアイテムをパーティに10個まで組み込むことが可能(ブーストアイテムの強化対象はもう少し細分化されますが、ここでは省略)。そしてこのブーストアイテムをクエストで集めて強化していくことが育成のメインになっています。

ブーストアイテムの充実度による戦力差は大きく『グラブル』を始めたてのプレイヤーがレベルカンストまで育てた煉獄さん10人が敵を攻撃したとしても、『グラブル』をやり込んだプレイヤーがブーストアイテムでしっかりサポートしたレベル1煉獄さんが与えるダメージには遠く及びません。下がブーストアイテムによるダメージ変化の参考画像です(左がブーストアイテムが整っていないとき、右がある程度整ったとき)。

画像1

見方を変えると、これは煉獄さんのステータスが煉獄さん自身のせいで頭打ちになることはないという話。ブーストアイテムはパーティ単位での強化なのでほかのキャラが10倍強くなるほどやり込んだなら煉獄さんも10倍強くなっている。それが『グラブル』というゲームです。

ここまで書いてきたとおり、コラボイベントを楽しんだり、コラボキャラで遊んだりという点において『グラブル』は十分過ぎるものを提供してくれるはずです。一方で、いろいろと大変なことがあるのも事実。ここからはそんな話をしていきましょう。

武器の育成に時間がかかる

『グラブル』の大変さを語る前に、直前で書いたブーストアイテムの話を。このブーストアイテムは『グラブル』内での正式名称を“武器”と言います。武器という単語がRPGに登場すると、個人個人を強化したり得意とする戦い方を変化させたりするものというイメージがわきますが、上記のとおり武器の主な役割はパーティのブーストアイテム。名称と機能が結び付きにくい単語なので、上では武器という名称を伏せたまま役割に触れました。

画像2

上の画像の杖やらクロスボウやらが、パーティを強化する武器です。さて、この武器のうち主なものは恒常的に挑めるクエストの報酬として入手できます。そして、ベースになる武器に別の武器を素材として与えれば、武器の性能を強化したり強化の上限を高めたりすることが可能。ベースが武器なら素材も武器なので、とにかく武器を集めるのが重要です。

ただ、武器を集めて強化するのにかかる時間がとんでもない。
今の時代、ゲームを一本クリアするのに50時間もかかれば時間のかかる方、100時間を超えてくるとよほどの大作と言えるでしょう。
では、100時間ひたすら『グラブル』の武器集めに費やしたとしましょう。そうすると、なんでもできるわけではありませんが100時間前の自分より確実に強い自分になれます。救援要請をしなければ倒せなかった敵が1人で倒せるようになったということもあるでしょう。
ですが、100時間では武器編成のゴールは見えてきません。おそらく100時間だと、武器育成の道のりの長さに気が付くころ。強くなるのに何日、何カ月とかかるのが『グラブル』です。

古戦場は重い

『グラブル』を遊んだことがなくても、耳にしたことがある人もいるだろう”古戦場”。正式には“決戦!星の古戦場”と呼ばれるこのイベントは、『グラブル』に興味を持った人を巻き込みたくない場合にしばしば取り上げられるものです。

古戦場は簡単に言えばランキングイベント。イベント中にのみ戦える敵を倒すとポイントが入り、そのポイントの合計によって報酬がもらえます。そして、全プレイヤーのポイントを比較した順位に応じた報酬も別途用意されています。開催期間は約1週間のうち98時間。限界まで走り続けるならさらに24時間がプラスされ、順位によって報酬が決まる以上目標ポイントは理論上天井知らずと重たいイベントです。そして、ネックになるのが古戦場は個人のポイント取得量を競う以外に2つの要素を内包しているという点。

そのひとつが古戦場は、チームで競うイベントでもあるということ。『グラブル』では“騎空団”というギルドorチームorクラン的なものを結成できます。古戦場ではこの騎空団のメンバーの合計取得ポイントが騎空団の取得ポイントとなり、こちらでも順位に応じて報酬が変化します。

そしてもうひとつ、古戦場は対戦イベントでもあるということもネックになります。古戦場のおよそ半分の日程は毎日騎空団同士がマッチング。上記の騎空団の取得ポイントで競い合い、勝敗によって報酬が変化します。チームによるランキングイベントであり、ほかのチームと勝敗を競うイベントでもあるからこそ、古戦場は重いイベントだと言われているわけです。

掲示板などでよく既存ユーザーから出る話として、『グラブル』はソシャゲの重さではなくMMORPGの重さであるというものがあります。実際、月単位で育成に時間のかかるゲームは、今の時代そうそうありません。また、毎日の参加権的なものの都合で先行プレイヤーには絶対に追いつけない要素もあります。
ただ、『グラブル』の楽しみ方は人それぞれ。ユーザー全員が古戦場を限界まで走っているわけではありません。無料ガチャだけ引く人もいればコラボを含めた面白そうなイベントだけ遊ぶという人もいます。とりあえず『鬼滅の刃』コラボを遊んでから、自分の『グラブル』へのスタンスを決めるのがよいでしょう。

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