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シングルマザーが家を探す④

4月上旬。
国内外でコロナウイルスの感染増加に歯止めが効かず状況は益々深刻になっていた

NYに続いて、
東京のロックダウンはまだかと待ち望む声と
経済への影響を懸念する声がひしめき合い
一体何が正しい判断なのかと戸惑う気持ちを抱えながら
朝の電車に揺られていた

数日前からは大企業がリモートワークにシフトチェンジし始め、通勤の混雑もなく 
通い慣れた駅のホームや電車のはずが違う世界
というか異様な雰囲気でパラレルワールドとはこんな感じなのだろうかと錯覚さえ与えてくる

もう今までの世界じゃない

コロナウイルスの影響で
外出自粛ムード一色の東京 

当たり前に思っていたこれまでの世界を手放すための心の準備が
周りの空気に背中を押され
少しずつ仕上がっていった



私は直感とひらめきで生きている人間のようで、実は違います。

誰にも聞かれてないけどまず私の思考パターンを書きたくなったので

心配症な性格で
まずは何事も散々思慮に励む

悩みに悩んで

悩み抜く

これでもかと石橋を叩く

石?だめ、全然だめー

今時、石なの?鉄骨でしょ!基本!
いつの時代よ!

信用ならんわ!!
という感じで

さらに石橋を叩き

叩き壊してみる


そして川辺に屈んで

シットリと川底に沈んでいく
自分が破壊した石橋を見送る

壊してごめんなさいっ…
わたし、あなたを信じるのが
どうしても怖いのぉぉっっ…

顔を背け手で覆ったりする。

(なんの別れ話か)

それから

100メートル下がる

と、おもむろにナイキのランニングシューズ

からの


ウサイン・ボルトよろしく

猛ダッシュ 


直後


躊躇なく川を飛び越える

スタッと安定感のある着地を披露。

なーんだ、意外に簡単に飛べたわ。

つーか、そもそもあそこ橋いらなくねー?

なんて言いながら

スニーカーを脱いで

涼しい顔でまたおっとりいつもの私

(叩き壊した橋の記憶はない)


つまり、散々思慮しつくし
気の済むまで散々騒いだあげく
振り切ったら開き直って
最後は気合いと勢いと野生の勘。

友人達は、わたしが髪の毛振り乱して石橋を百叩きしている姿を知らず、

みんな最後の川をひとっ飛びしている姿しか知らないので

直感やセンスで生きてそうとか

焦らなそうとか

苦労してなさそうと言ってれるが

そんなことはない。

最後に頼るのが感覚なのは間違いないけど

その前に星一徹みたいな顔して超超ちょー悩む。

白髪とか出てくる。

かなしみ。



#きかれてもない自己開示


話を戻す。

まずは石橋を叩くために

必要最低限の生活のランニングコストを算段した。(これが一番大切なこと。あとでまた書こう)

不動産の友人に今のわたしの収入で借りられるマックスの金額を教えてもらう。

契約にかかるお金、諸々のMAXの予算を立てる。


大体わかったところで


リスクヘッジをし尽くす

見切り発進は絶対ダメに決まってる。

独り身ならいくらでも潰しがきくが

息子がいる。

自分が怪我や病気で動けなくなった場合
休業手当てと今の蓄えでどれくらい暮らせるのか

もし収入がゼロになった場合、どれくらい生活を維持できる体力あるのか 

考えつく限りの最悪の想定を出し尽くして向き合う

本当に自立していけるのか

ダメになったら、次の一手はある?

本当にダメな時、路頭に迷う暇なんて不要。

潰しを利かせる選択肢は多ければ多い方がいい。

なんなら、
地元や地方に移り住むシュミレーションから
母子寮
寮付きの雇用先
区の補助制度
都営住宅
ひとり親の支援

ありとあらゆる生きる手段を見直し調べ上げた

この作業、本当胃がやられる

まず、ネガティブを調べるのはきつい。

最低最悪な事態を想定してから 
計画を立てるのはマジで辛い。

超貧しくなるの?惨めになる?

社会派のドラマとかに出てきちゃう感じのスラムチックな母子家庭…になるの?

息子は卑屈にならないかなぁ…泣きそう

とにかく悩みすぎて
眠れないし、食べられない

寝ても覚めても算段することばかり考えに考えた


脳みそが糖分を求めているのがわかり、
仕方なく大好きなチョコレートを口にしても

大好物でさえも、美味しくなかった。

算段を重ねまくって、寝不足と栄養不足で肌が荒れ始めたところで

石橋叩き壊した手応えを感じやっと満足した。

算段しつくして、

次の生活が鮮明に目に浮かび始めた。


旅行と自分のファッションや美容をミニマムにして、習い事を削れば

普通に暮らせそうだ

どこまでもシビアに算段した結論は
思ったほど暗くはなかった。

あとは家次第なのだ。
当然家のクオリティが生活する上でのモチベーションを一番左右する。

出来るだけ住みやすい家。

あとは母子二人暮らし、安全な家。

あるのかは探してみないと分からない。



あとは飛び越えるだけだ

ここからスニーカーに履き替える


良さそうな物件を片っ端から問い合わせしだした。

こうなったら全部みてやる。つーか、みなきゃ始まんない。

しかし、
予算中心に探し出して
大きな問題にぶち当たる


室内洗濯機置き場があるか問題


少し前に縦型洗濯機から買い替えたのが
ここに来てネックになった…

ドラム式はベランダに置けない。

壊れます。


低賃料の家はドラム式洗濯機への配慮なんぞ
当然ない。

むしろ、洗濯機置き場すらない確率の高さよ。

今蓄えを無駄に崩してる場合じゃないので、
とにかく

今あるもので暮らせなきゃ意味がないのだ

で、なんとか洗濯機置けそうな物件いくつかを問い合わせした

これが置ける物件が本当に少ない…


頼む。洗濯機ないと男子の子育てなんて
無理。

桃太郎よろしく川へ洗濯なんて無理

コインランドリー生活はワーママには過酷すぎる。

お願いなんとかしてー!!
とかごちゃごちゃ考えてる数分のうちに

レスポンスが

キター!!


最初にレスポンスきた業者さん

マジあげ


レスポンスの速さは業者さんのやる気と
後は、タイミング、ご縁がわかる。

ご縁まじ大切。


やる気満々にやってくれるにこしたことはない。

その日の仕事帰り
即アポ取り完了。

そのあと、保険のために2社ほど別日にアポ取りも済ませた。

さて、やっと動き出し。
一社目は都合よく通勤の途中駅に近い不動産業者。

良い流れ。流れ大切。

とりあえず向かった。



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