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八丈島の記録、その壱

忘れないうちに夏の備忘録。

今年の夏は八丈島へ行った。
八丈島を訪れるのは三度目になる。一度目は結婚前の夫と。二度目は三歳の太郎を連れて。そして今回は、七歳になった太郎と三歳の次郎の家族四人。
普段、東京で生活しているわが家の旅行先は「子が自然のなかであそべること」「疲れない移動距離」「あまり混雑していないこと」
この三つが今のステージでは優先事項になっている。
そして八丈島はこのすべてを満たしている。
自然とあそぶとき、親はほどよく緊張感を必要とするためのんびり旅とは呼べないが、子供にとっては貴重な経験となるだろう。

今回は七月二十日から二十二日まで二泊三日だった。毎回、八丈島夏まつりに合わせて遊びにいくことが恒例となっている。
旅のまえに、やはりブログなどに書かれた記事を参考にさせてもらったので少し詳しく記録しておきたい。

一日目。
羽田空港に向かうバスに乗るため、朝五時過ぎには家を出る。あかるく気持ち良い夏の朝。太郎と次郎はそれぞれ自分のリュックを背負って歩く。
羽田-八丈島便はANAのみ、一日三便。機内でもらった飛行機のおもちゃが気に入って、次郎も機嫌良く過ごせた。

朝八時半時には八丈島に到着。
事前に予約していた空港の隣にあるレンタカーを借りて、八丈島植物園へ。ビジターセンターではクイズラリーをしたり、八丈島に住む魚のビデオを見たり。光るキノコも見られる。
旅行先では、生き物でも文化でも、その土地特有のものについて子と学ぶ機会を必ず持ちたいと思う。
東京では見ることのできないパワフルな植物のなかを歩いて、キョンを観察。小さなキョンは人を見ると寄ってきた。生き物が好きな子どもたちはのんびりした散歩を楽しんでいる。
お昼は魚八亭さんへ。テーブルにお手製の「おいしい魚」「食べてもおいしくない魚」「食べられない魚」に分類されたお魚図鑑?が置いてあり、面白い。太郎とあれこれ言いながら眺める。
そのあとは底土の海へ。八丈ブルーと呼ばれる、ただ明るいだけではない深い暗みを持つ透明な青。以前よりも海がこわいと感じる。初めて来たときに飛び込んだことは、もちろん子には言わない。年を重ねて大切なものを得て、自然のこわさに慄く。波際で磯遊びをした。

海のあとは、毎回宿泊しているリードパークリゾートホテルへ移動。食事は美味しいし、露天風呂もあってこちらは親の楽しみ。
夏のあいだ、星空鑑賞会を開催してくれたり、マリングッズを借りられるのもありがたい。
夕方は、ホテルのまえにある牧場をゆっくり散策した。旅先での日が落ちるまえの散歩。何気ないひとときが思い返すといちばん印象に残っていたりする。
夜ごはんを食べたあとは八丈島夏まつりへ。
小さな島の小さなお祭りであるが、このお祭りの雰囲気が好きで、ここに来るときは日程を合わせるようにしている。地元の人と観光客とが混ざり合い賑やかな夏の夜を楽しんでいる。
子供たちが親の出店の手伝いをしている姿も見られた。太郎は光るおもちゃを、次郎はラッパをくじびきで引いて喜んでいる。