2/18「劇作イベント.12」振り返り記事
タイトル通り、先日行った劇作イベント(12回目)の振り返りを記事にまとめました。
season1同様、参加者してくださった方へは本記事内容を直接お送りしましたが、こちらも折角なのでnoteにも。ですが、この振り返り記事を無料すると参加費払って下さった方に申し訳ないですし定額購読マガジン購読者の方のみ読めるようにしておきます。ご了承下さい。マガジン詳細。どんな感じか覗き見するとまではいかないかもですが詳細まとめましたので。宜しければ。
前回(season1)の振り返りはこちら
1.2.3.4.5.6.7.8.9.10
season2の振り返り記事
11
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season2から全てのプロットが上演する可能性を模索するとしてますが、今回も前回から引き続き議論の幅を良い意味で狭める為に「一幕もんで登場人物も少人数」で始めることに。テーマやシチュエーションは皆さんに決めてもらうことに。決め方はこれまで同様
マガジン購読に感謝致します。
今回の参加者は4名の方々。それと僕と今回もアシスタントの小飴さん併せて6名での開催になりました。
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テーマとシチュエーションも出して貰う。
今回もこの方法も変えず。
変えずにではあるんだけど、上演の可能性を模索するなら出演者枠広げた方がいいでしょうと言うことで、今回も前回に引き続き登場人物を最大5名に。
で皆さんにテーマとシチュエーションを考えていただいて出た案は↓↓↓
◆テーマはこちら
【テーマ】
地方議員or知事
認められたい
ヒーロー
友達といっしよに働きたい
◆シチュエーションはこちら
【シチュエーション】
家
サウナ
すべり台
天国
そして、くじ引きの結果選ばれたのは
◆テーマ「地方議員or知事」
◆シチュエーション「天国」
天国で地方議員or知事って面白いよね、あんの?そんな役職あんの?天国に。ってなって。
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でもテーマ、地方議員or知事とは?
テーマ=主題=作品の中心となる内容として輪郭をもう少し形付けたいなと思って、前回と同じく追加でテーマをクジで引いてみる。
「認められたい」
いい。今他のテーマ案を見返すと、他には「ヒーロー」であったり「友達と働きたい」があったのだけど、このどちらを引いてても別の広がりを見せれたと思うのだけど「認められたい」ってのいいよね。
なので今回の劇作イベントのテーマとシチュエーションは以下で進める事に。
◆テーマ:認められたい地方議員or知事
◆シチュエーション:天国
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認められたい=選挙なのですかね?なんて話の中で、昔、ウチの爺ちゃん(母方の)が地方議員だった時があって、今はもう90超えてるから違うけどあって。その時は議員活動もしっかりしてんだと思うけど、活動より選挙に熱くなってた記憶で。政治の政の字が政(まつりごと)って読むみたいに本当祭りの様に親戚総出でやってた記憶があるので選挙ってのも面白いですよね、みたいな話をしつつ。
今回も、○○なのに●●を出して頂く。
今回の場合は、議員なのに〇〇だったり、認められたいのに〇〇だったり、〇〇なのに議員or認められたいなどを。そして、その結果
【〇〇なのに〇〇】
地方議員なのに世界征服を目指している
地方議員なのに頑張らない
地方議員なのに自由
地方議員なのにドジ
地方議員なのに怖がり
地方議員なのにすぐに人を疑う
地方議員なのに集合体恐怖症
地方議員なのに物を盗む
天国なのに悪人
天国なのにめっちゃしんどい
議員なのに権力がない
天国なのに抗争
認められたいのに認められてる
認められたいのに人が嫌い
認められたいのに人が苦手
知事なのに人望がない
地方議員なのに仕事がない
認められたいのに他の人を認めない
地方議員なのに軽犯罪者
認められたいのに何もしない
地方議員なのに最後にハメをはずす
今回、参加してくれたK君(10歳)が出してくれた集合体恐怖症ってのが印象的でした。これを使えた訳じゃないんだけど、面白いよね。〇〇なのに〇〇を出して貰う時に「相対性なく全く関係ないモノで大丈夫ですよ、思い付かなければ対義語とかからの発想で」等とお伝えするのだけど、ここまで飛んだのを出してくれると面白い。面白いし、そんな柔軟な発想を常に何処かに置いておかないと物語は小さく纏まりがちだから。
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で、「地方議員なのに仕事がない」などから、そもそも天国で議員って必要なのかも含め「どんな仕事してんでしょうね?」などと話し合う。そして「認められたい」ってのは自己顕示欲や承認欲求からくるものだからやっぱり舞台は選挙や投票所などですかね?なんて事を。
そして「地方議員」の地方ってのはどう言うことなんだろうと、この時は死後の世界や天界と言う言葉を使ってたけど、黄泉の国には地獄もあれば天国もある訳で。ある訳でと言うか、事実として話すとややこしいけど、そう信じられてたりする訳じゃない。天国or地獄が死後待ち受けてると。
とすれば天国は死後の世界からすれば「1地方」ですねと。天国は黄泉の国からしたら一つの地方であるよね、と。天国だけの議員は地方議員と呼ばれる事にしましょう!となりました。
そして男女比率もアミダクジで。
◆結果、男0:女5
でも、この時の参加者(アシスタントの小飴さん除く)が全員男性だったので
登場人物の男女比率【男5:女0】
にして考えましょうか、折角ですしと。でも最終的には男版と女版の2種類作れる気がしました。男女混合は問題が多くなり短編では難しそうだけども。
で、選挙があるって事は現職がいるんだよねって話から任期満了って事もあるけど、この時は任期満了だとドラマが生まれづらいなと思ったのであえて言及せずに「解散総選挙的なモノを行わなければならない問題があったんじゃないですかね?だとしたらどんな問題があったんでしょう?」とみんなで考える事に。
ひとまず、まとめます。
天国での地方選挙が行われている。天国で何か問題が起こりそれを焦点にされている様だ。
で一つの懸念として、K君(10歳)が選挙の物語考えて面白いかなって思い「言えば学級委員とか決める話を今考えてるんやけど…」と伝えると「判ってる」と笑顔で。そして、僕自身が子供の頃に大人から子ども扱いされるより対人間として接してくれる方が嬉しかったなぁと思い出して丁寧に説明する事は心掛けながらもこのまま進行することに。そしてその結果、後述しますがK君から素晴らしい案が。
このイベントに参加してくれる時点で一緒に創るつもりで来てくれてるよね、そしてK君だからこそ出る柔軟な考えがあるんだよ、ありがとうね。
…
そしてBさんから「現職が起こした問題として、本来地獄行きの誰かを天国に来させたのがバレたとか」と。
なんちゅう悪いヤツや!
そら選挙行われるわ!そんなモン!!
いいっすね、そうしましょうと。でも、その議員はただ単に便宜を図り本来地獄行きの人間を天国に入れたんではなく、天国へ不法入国させた人間が彼(議員)にとって大切な人だったりするとドラマとして、そして彼の人物像を描く上で良いですねと。
彼にとって、その人が居なければ、天国は天国ではなく虚無な世界だったんだとするならば。不法入国はダメな事だけど、気持ちは判る気がする。
そして、そんな想いから最近の僕のテーマでもある「価値観の違い」みたいなモノも入れ込めたら面白いなぁと。天国(幸せ)って人によっては違うじゃない、そんなモノをココで論じられたらと。だから、立候補者が現職(地獄の人間を天国に不法入国させた人)と新人の2人が居たとして。新人は、現実世界で選挙中に言ってる文言とほぼほぼ同じで良いんじゃないかと。
それと前後してたかも知れないけど、Oさんより「そもそも天国で議員になるのって、面倒なんじゃないですかね?押し付けられるモノなんじゃ(意訳)」との意見が。ああ、学校のPTAみたいな感じだね?なんか皆より良くする為に発言するけど心の中では仕事増えるのを内心嫌(面倒)な感じとか面白いですね、と。天国だから、良い言葉で溢れてるけど実際自身が実行しろって言われると二の足踏むよね。天国って何もしなくてもいい極楽のはずなんだから。
そして、天国の議員の公約とはなんぞやな話に。その流れで罰する事などが基本的に無いんじゃないですか?とOさんであったりBさんが。
そうだよね、僕らの今生きてる現実はさ「悪い奴」がいる前提で刑法であったりする訳で、天国には悪い事せずに人生全うした人だけが行けるんだもんね。
そうだね、そうだね、と。
で、登場人物が5名なのだけど、2人が立候補するならば投票者は3名しか登場しないんだけど。これはどうなのってのも解消されると言うかさ。
投票率の低さが嘆かれる昨今だけども、そもそも投票しないってのは「俺(私)が投票しても変わらない」って人も一定数いるだろうけど、やっぱり一番は「今に不満が特にない」と思う(無知含む)事だと思うんですよ。それが現代日本ではイカンだろ!と憤慨されるんだろうと思うんだけど。そして僕も選挙には行くべきだと思うけど※そして僕も政治を語れるほど知識のない無知で申し訳ない。
でも情勢が不安定な国ほど投票率は鬼高って言う歴然たる事実はある訳で。
「いやだから!日本も今ヤバいんだ!」と憤慨される方はいらっしゃるとは思うけど、今はその話ではなくて「天国の投票率」の話。天国の投票率は鬼低くていいですねと。現状変わらなくていいと思うはず、だって「何不自由ない=天国(極楽浄土)」のはずだから。なにより危機感が皆無。
そしてこれは名言してなかったかもだけど、言わずしても「天国の議員数は1人」と多分共通認識で居たと思います。さっきも言ったけど、良い人と悪い人が共存する世界では「みんなが生きやすい世界」の為に罰則含めたルール作りが必要だけど、天国には罰則自体が要らない。それが天国。
…
でも、現職の天国ではあり得ない事件によって引き起こされた選挙ならば新人の公約は僕ら(観客)が普段目にしてる実現されない公約(綺麗事)とかでもいいんじゃないかと。まぁ今回の場合、治安維持が必要だと訴えるんだろうけど(現職によって地獄の住人が天国に紛れ込んできてた訳だから)
まとめるね。
黄泉の国の地方である天国で選挙が行われる事になった。選挙の理由は、天国唯一の議員(現職)が自身の会いたい人間を地獄から天国へ不法入国させたからである。新人は語る「誰もが安全に住みよい天国を」と。しかし現状に不満のない・危機感を持たぬ天国の住人は選挙に訪れず、投票をしに来た人間は僅か3名であった…
ここでさ、現職がなんで再度選挙に出てんだよ!汚職議員がどの面下げて〜問題があるんだけど、そこは天国。罰則がそもそも存在しない。罰則=悪人を処罰する為にあるもので、天国に不要だからね。まぁでも不法入国させた大切な人は流石に地獄に戻されてるでしょうねと。
でだ。となれば現職の訴えってなんだろうね。敢えて再度選挙に出てくる理由は〜と語ってるとA君が「天国を変えたい話じゃないですか?例え地獄だろうが会いたい人に会える世界に(意訳)」いいね!現状を変えたい、より良くしたいってのは選挙の醍醐味だしね。なにより、
君の天国が誰かの天国とは限らない。
この当たり前の事であり、おざなりにされがちな最近一番興味(僕的に)ある事が語れる。そして、どちら(現職・新人)の意見がどちらも共感出来るモノならば観客の想いも二分されるかも知れない。これいいよね。観た人によって意見が分かれる作品ってのは。
それは「面白かった」「面白くなかった」みたいな事じゃなく「俺(私)はこう思う」「いや、私(俺)はこう思った」みたいな言い合いが観劇後に起こるのは。最高じゃない。中島らもさんが目指した「あーー面白かった!でな、昨日〜」とその場限りの面白さには潔さにも似た「娯楽とはこうでいいだろう」って想いにも共感するのだけど、この時も、そして今の僕には観劇後に観た方々が思い思いに語り合ってくれる作品ってのに惹かれました。
なので、この作品は最終投票の絵で終えましょうと。ラストシーンで結果は語らないでおこうと。その結果がどちらなのかを提示しないで終える事で「あれ、結果どうやったんやろな?」「いや、結果はあっちになるやろ」「いやでも、向こうのほうが私的には」なんて語って貰える気がするから。投票する姿を最後に終劇としましょうと。
※この写真はカッコ良すぎるけど。
「最後の投票姿で結果は伝えず終わるのええっすね!」と盛り上がりました。
…
そして、善人しか居ない世界での正義ってなんだろうと。悪人がいる前提で語られる現世と違い、善人しか居ない世界で語る正義とは。死ぬことのない天国での福祉とは、などを頭の中でグルグル回してると、これ自体で観客の価値観自体もブラす、今ブラすって書きながらブラすってなんだよと思うけど、ブレるんじゃないかなんて話もしてました。現世でダメだとされる事をする人間が居ないのなら、何を守ろうとするのだろうかと。そして何不自由の無い天国に身を置いて尚天国を味わえなかった現職と。
そしてこれも少し前後するかも知れないけど、現職(男1)の訴えは自分勝手に映ると思う。そして新人(男2)の訴えはみんなの為に思える。
でも突き詰めると、現職の訴えは自分勝手に思えても「各々の幸せは違う」と言うみんなの想いでもある訴えであり、新人のみんなの為に一見見えるけどもしかしたら「理想の押し付け」にも思える事であり、今回のテーマである認められたい承認欲求や自己顕示欲からくる言葉にも捉えられますねと。理想(幸せ)の押し付けが本当に幸せなのかは小飴さんが言ってくれた言葉。ナイスアシスタント!
で、これがグラデーションとして物語で観客の印象を変えれたら面白いですねとなりました。Oさんよりこの時に「では最初は新人の訴えが正しいと観客へ提示した方がいいですよね」と構成として大正解とも呼べる提言を。そう、まずは現職が汚職をしてる訳だから対比として新人が優勢であった方が物語を見る指針となる。今回の場合はそこから物語は始まるべき。その中で印象を変えたりしつつ物語を進めていきましょうと。
で、ここまでである程度登場人物と物語の骨格が出来て来たのだけども
◆現在の登場人物
男1…現職議員・汚職で失脚、再選挙で立候補
男2…新人候補・天国を住みよい世界をと出馬
男3…
男4…
男5…
これはね、0から作ってるから途中経過として当たり前なんだけども…
中身0の奴らが3人おる。
なので改めてこの3人(投票者)に言及していきましょうと。そして物語の進め方として、各候補者の演説で訴え内容を聞くより、まずは投票結果の発表からした方がいいよねと。そして、その投票結果でどちらかの勝利が判るのではなく3名の投票で結果が付かない方が良いよねと。
男1(現職)→1票
男2(新人)→1票
白紙→1票
ここから物語を始めれれば、現職・新人共に自らの訴えを再度語らざる得ないですよね、と。でも、イメージ的には本来の選挙と言うより、5人の議論(会話劇)で進む感じにしたいなぁと。そのイメージをこれを読んでる人に分かりやすく言えば
みたいな感じが良いですね、と。天国だから、もっと緩い感じになるだろうけど。
…
で、ここでもう一つ問題が。
なぜ白紙を出した人間がいるのか。
白紙を出した人間にも意志があるはずで、理由と呼んで良いけれど、彼には天国をどうしたいと言う思いがあるんだろうと。
K君になんで白紙出した人が居るんだろう聞くと
「何も考えてなかった!」
良い!良いね!ここ天国だもんね!そんな人いるよね!絶対居るよ!その人の人物構成だけで天国とはどんなところかと言う明確な記号として表せる最高だよK君!なるほどね、天国とは
で過ごせる場所なんだね。
何も考えずに選挙にも来たんだね、その人は。
そして、その人は変わらなくて(現状維持)でいいんだね。そしてココからコンコンコンと釘を打つかの如く人物像が決まっていきました。Bさんだったと思うんだけど「確かに現職が地獄から人を呼んだ事で治安維持に共感持つ人が出てくる気がする(意訳)」だとか、「ストレートに大事な人なら1人ぐらい地獄から呼べる制度は有りなんじゃないかな人も居るはず(現職支持者)」だとかが皆から意見が出てきて人物像が出来上がってくる。そして理想の天国像を語る=幸福論であるよね、とも話し合って。
そして、今これを書いてる俺の為にも再度まとめを書いてみよう。
◆現状まとめ
黄泉の国の地方である天国で選挙が行われる事になった。選挙の理由は、天国唯一の議員(現職)が自身の会いたい人間を地獄から天国へ不法入国させたからである。新人は語る「誰もが住みよい天国を」と。しかし現状に不満のない天国の住人は選挙に訪れず、投票をしに来た人間は僅か3名であった…その3名の投票結果、2人の候補者どちらにも一票づつ入り、残り一票の開票で決まると思いきや、最後の一票はなんと「白紙」であった。理由を聞くと「理由は無い」と言う。しかし、候補者にとって白紙を出した人間を説得する事が自身の勝利であることから、双方の説得が始まる。
で、その説得の中でどちらかに入れた投票者の考えも変わっていくと物語はより輝きだしまよねと言う会話の中から【新人「二度とこの様な事が起こらないように罰則を作るべきだ」】等の訴えは何もやらずにすんだ天国の暮らしを窮屈にされるモノじゃないだろうかと(Bさん)。確かにそうだよね、何不自由ない暮らしに突如襲いかかる強制ほど窮屈なものはないものね。
そして新人に投票した人が「罰則を作ると言う事は監視する必要が出来、今まで不要だった労力がこちらに発生するならば」と意見を変えたとするじゃない。硬い言葉で書きすぎたかもだから「え?君(新人)が通ったら俺らもなんかせなアカンの?ほな、嫌や」でもいいのだけど、意見が変わることもありますねと。そして「白紙」で出した人も周りの意見を聞いてる内に「何も考えずに天国で暮らしていた自分を恥じる」かも知れないよね。テーマである認められたいと言うか、今思うと平等であったはずの天国で下に見られると、誰かにマウント取られると反発しそうだね。
で、Bさんが言ってくれた「天国で仕事が増える事が嫌」であるは、冒頭にOさんが言ってくれた「議員とか役割を押し付けられるのが嫌だったりするんじゃないですかね、こと天国において」に通ずるよね。
この天国(善人ばかり)が前提で語られるより良い世界って面白いよね。現世で政治家が語る「善人しか居ないと思ってんの?」みたいな言葉(綺麗事)がここでも使えそうだし。いやまぁ作品にあまり政治色や意味などイデオロギーを持したくないけど。
…
折角なので、再度・登場人物紹介
男1…現職議員・汚職で失脚、再選挙で立候補
男2…新人候補・天国を住みよい世界をと出馬
男3…大切な人なら1人ぐらい地獄から呼ぶの○
男4…治安悪くなるのは嫌だが仕事増えるのも×
男5…何も考えてなかったがマウント取るのは×
男5のマウント×は簡潔に書きすぎだし、この時の意味合いが違うのだけども
何も考えてない=真っ白は何色にも染まると言うかさ。男1(現職)にも男2(新人)の意見にも振り回される良い立ち位置として居れるよね。現職&新人の考えを引き出せる(作中/舞台上で語れる)要素として最高。改めてK君ありがとうね。
そして、この時は男4が「仕事が増えるのが嫌だと意見を変える」ならば、何も考えてなかった男5が自分も何かしなければならない(今のままは恥ずかしい)と新人を支持するんじゃないかと。作中で結果を出さない為にも意見は変わったりしながら分かれておいた方がいいから。まぁでも最終結論が出なくても途中で誰かに決まりそうになるのは◯。と言うかそんな場面、一旦結論を迎えようとしてからの再議論は欲しい。ドラマを描く要素として。
…
で、
このまま行くと男4の願いとしては「仕事が増えたくない。仕事せなあかんって天国に居る意味ある?」なのだから現職&新人どちらに決まっても仕事が増えるかも知れないじゃない?現職が通れば治安は悪くなるはずだし、新人が通ればルールが整備されて何かしらの不自由を強いられる訳だから。かと言って男4が意見をコロコロ変えて選挙を永遠に続かせたとしても男4にとって不自由じゃない、選挙が永遠に続くなんてさ。男4にとっては選挙に来た事で自身の不自由さを強いられる現実を突きつけられてる状況な訳だから。
伝わってる?
要は、男4は現職・新人どちらも嫌!
だとしたら「男4」は選挙を終わらせる為にも選挙に出馬するしかないんですが、どうしましょうと皆さんにお伝えする。
物語の見え方として現職か新人のどちらがで決まるかと思ってた所に新たな候補者は意外性があって面白い。第三の手として予想してない展開だから。でもなんだろう、男4が出馬する事で投票者が偶数(2人)になる事でどうなんだろうと、選挙結果へのドキドキ感が薄れると言うか、本筋で伝えたい「現職の幸福論」vs「新人の幸福論」がなんか伝わりづらいんじゃないかと。焦点がブレると言うか。
【ラストシーンはやっぱりどちらかに決まったんだろう、果たしてどちらに?】
「私はあっち派」「ほんまぁ?私はちゃうけどなー!」なんて事を観た人に語って欲しいから。
…
如何すべきだろうか、と語ってるとA君が「男5/何も考えずに選挙に来た男」も立候補するのは?と。ええど!ええど!
投票者を1人(男3のみ)にするは最高!
良いよね、もう一度登場人物紹介しとくね。
男1…現職議員・汚職で失脚、再選挙で立候補
男2…新人候補・天国を住みよい世界をと出馬
男3…大切な人なら1人ぐらい地獄から呼ぶの○
男4…現職・新人どちらも嫌だと立候補を
男5…何もしてない自身を恥じて立候補を
男5、アホやなぁ。アホやけど、流石天国。
何もしない人ってのは善か悪かと言われれば善なのだろうし、失敗もないだろうけど、成功は絶対ないじゃない。何(挑戦)もしないんだから。彼(男5)はそう生きてきた結果、天国に来たけどそれに気付いて(恥じて)立候補するんだろうね。
そして投票者は、男3のただ1人。
1人だと、ラストシーンが映えるね。1人が投票箱に投票する姿を見せるだけで。
投票時に、ゴーン…ゴーン…と鐘が遠くで鳴ってたりして。賛美歌みたいなのも流れてるのかも知れない。
でも、まだ問題が。
男3は、ずっと現職を支持していた。彼にも心の揺れが必要。観客が彼がラストシーンどこに投票するのか判断できなくなるぐらいの。
男3は、大切な人ならば1人ぐらい地獄から呼んでも良いを支持していた訳で。この人の人物像は?Bさんから「彼も(地獄から)呼びたい人が居たんじゃないか?」と。良い!だから、呼べる制度を作ろうとする現職を支持していたんだと。
そうなんだね、男3にとっての天国は現職と同じで天国じゃなかったんだ。彼にとっては天国で感じるのは幸福感ではなく虚無感でしかなかったんだ。そして今思うと彼は天国の住人(善人)であるから、その制度を表立って賛成出来ずにいたんだと思う。思うんだけど、彼は現職に投票していた。良心の呵責に苛まれても、それでも逢いたい人が居たんだ。
そして、今、自らの投票で会えるのだ。
最終投票へと踏み出す直前に男3へこんな言葉が掛けられる。
「その制度は、天国を乱す」
極端に言えばこんな奴らが天国へ来る可能性だってある。でも、彼にとって逢いたい人間は大事な人なんだよ。そして、逢いたいその人はそんなに悪い人間じゃないんだ。少なくとも彼にとっては。
そして「その制度は、天国を乱す」との言葉に心が揺れるのは地獄行く可能性有りの野村有志じゃない。そして煩悩溢れるA君やこれを読んで俺(私)も地獄かもと思った君でもない。
天国の住人である善人・男3
善人であるが故に悩み苦しむ彼に語りかけるように鐘が鳴り響き、決断を迫る。もしかしたら、彼は白紙を出すかも知れない、その後にまた話し合いが行われるのかも知れない。でもラストシーンで彼が見せた顔が
写真(ラッパー般若)の様な顔だったら、彼にとっての正解(決意)は決まったんだろうと言うラストになる気がする。
…
そしてこのラストだと作品の答え「この作品は何を言いたかったのか?」なんてのは出てない様に一見思えるけど、「私はこう思ったな」だとか「いや、俺はこうやと思う」なんて事を言ってくれた人の中に作品の伝えたい事に気付いてくれる人が居るはず。観た方がどんな風にも捉えられるラストを描くと言う事は
各々の幸せ(天国)は違う
と言う現職(男1)の訴えを作者もしてると。だって違って良いだろう、違うはずだし。みんな同じ幸せを願ってるなんて考えは傲慢だ。俺も自戒の念を持って言うけど。
確かに集団生活にはルールが必要であって、ルールがなければ成立しない。悪人は罰せられて然るべきで、被害者の気持ちが第一。これは揺るがないけど、揺るがないのだけど。
そんなに逢いたかったら、お前が地獄行けや。
多分、そう思う人も出てくると思う。それも間違っちゃ居ない、居ないけど。
出来れば大切な人とは、この場合、家族でもいいよ。そんな人達とは天国(幸せに)で過ごしたいじゃない。自分勝手なのは重々判ってるんだけど、大事な人なら出来ればね。殺人鬼なら地獄でしゃあない、2度とくんな、やけどさ。もし天国の敷居が超高かったらさ「いや、あの人は天国でいいでしょ!」な人が出てきて諦めきれないじゃない。どんなご馳走も誰と食べるかなんだからさ。頼むよ、神様だよ。
だからこの作品の肝は、天国の敷居の高さ。
この高さの設定値が絶妙(高過ぎず、低すぎず)であれば、観客は善悪、そして常識(価値観)の狭間で揺れてくれるはず。
…
そして、今回男女比率が0:5で、今回は参加者に合わせて男5:女0にしたんだけど、女性5人だけでも面白そうですね。男女混合だと問題が混み合いそうだから短くても中編とかになりそうだけど。
でも、今回の天国のように「善人しか居ない」のが当たり前のように、強制的に登場人物をカテゴライズしてくれるシチュエーションは弄りがありますね。今回だと地獄から天国に連れてくるってだけで問題となるんだから。僕らの今生きてるこの場は善悪が混在してるのに。
シチュエーションを強固な前提を作る場所として捉えるのも物語の広がる一つの手(目)だなぁと学んだ会でした。
…
そんな事を思い返しつつ、今回の振り返りを終えます。ここに書ききれないほど沢山の煌めく案と意見、そして紹介した様に泣く泣く使わなかった案もある。僕自身も二転三転するし、余談も多い。でもその余談だとか使わなくなった言葉(アイデア)達は土台となり新たな意見を生み出すのです。
そしてこの振り返りも含めて誰かの、少しでも思考のお役に立てれば幸いです。ではまた。
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