友達が死んだ日
こんにちは、俺なんだけど
なんで久々にノート書いてるかというと、結論から言っちゃうと友人が死んで、なんだか俺にとって特別な日になんだろうなと思って
その日のことを書き留めたかったから
とかいいつつそれは昨日で
昨日はもう値落ちしちゃったんだよな
まあ書いてこうかな
9/30(木)
この日は朝から夕方までインターン→講義という流れだった。
とかいいつつ、講義はメールで行われる講義だからインターンを抜ける必要はないんだけど、まあ、めんどくさいからどうせなら抜けちゃおって思考である。
講義の後には、Yから今日本にいるサークル幹部の四人で集まろうと言われていた。
俺のサークル幹部は7人で、2人が留学にいってるから、日本にいるのは5人(Y,M,K,F,俺)なのだけど、まあそのことに俺は別に気づかなかった。
そんなこんなで朝起きてインターンに行く。
渋谷にあるベンチャーでテレアポの営業で、月末だったから、目標達成に燃えているんだろうと思う人もいるかもしれないけど
幸い俺のチームも他のチームもチーム目標は達成していて、個人目標もあと少しという人間が多く、月末にしてはかなり穏やかな雰囲気だった。
そんな俺も一つアポイントキャンセルがあり、個人目標には、あと1アポイントを取らなくてはいけなかった。
同僚に「1アポ取ったら帰るわぁ笑笑」とか言いつつ、俺は普通に結構出来る方なので午前に1アポ取って、軽く個人目標を達成した。
なんでテレアポなんか続けてんだって思うけど、企業の人間と対等に話して何か売り込むのは、なんとなく面白い、俺の話に価値を感じて聞こうとしてるのを感じるからだ。
あとどーせ営業やることになるし、テレアポはその大基礎だからまあやっといて損はない、あとメンタルが強くなる。
午後にも当然+1で取れればいいと思ってたけど、月末はどこも忙しいのもあってアポイントが取りづらい時期なのだ、結果その日の結果は1アポに終わり、16時半になって講義だからと言ってオフィスを出た。
オフィスを出たらメールで講義が始まって、なんだこの講義、とか思いながら、同じゼミの石井がいたり、うざい委員会の運営の岡田がいたりとメンツは面白かった。
講義の後のYの会に向けて、高田馬場駅に山手線で向かった。
ホームを間違えて無駄に遠回りした。
高田馬場駅に着いて、電車で早稲田に行っても良かったんだけど、なんとなく歩いて早稲田に行った。
特に理由とかはなかった、歩くのは苦じゃないし、音楽聞いてれば楽しいくらいだと思う。
そんで早稲田の戸山キャンパスに着いて、図書館、スタバ、色々選択肢はあったけれど、
俺はコロナで暇なときカフェテリアの端っこの机によくいて、YやKと特に連絡もせずに、そこで偶然会ってそのまま話す、なんてことをしていた。
なんとなくその席に座って、なんかめっちゃ眠かったから寝てた。
その前になんとなく今日の会には呼ばれていないKに「お前戸山いないの」ってラインを送って、暇だったら来ねえかなと思ってた。
でも連絡は返ってこなくて、俺に近づいてくるやつが見えて、Kかと思ったけど、ペットボトルを大量に捨てる眼鏡の女だった。
まあそんな都合よく来ねえよなとか思ってると
そしたらMから、授業終わったわ、とラインが来て、カフェテリアの端っこいる、と伝えた。
Mはここに来て話したことはあまりなかったからだ。
しばらくしてMが来て、腹減ったから日高屋行こうぜ、と日高屋に行ってW餃子定食を食った。
めっちゃめちゃに水をこぼしたのを覚えている。
そんなこんなで約束の七時になり、Yが早稲田に到着した。
会って、俺とM飯食っちゃったけどおけ?と聞くと
いやこれからの話聞いたら飯食えねえぜ!と言う。
Yは何かとちょっと大げさな節があるけど、こいつが「お前絶対驚くよ」と言って、俺が「こいや」と構えて待っても、そういう時は本当に俺が驚く話なのだ。
だからこの段階から俺も「なんかほんとに驚きそうだな」とか思ってた
そして他のサークルの部室にいたFも合流し、部室に入った。
部室ノートを見ると、一年は会ってない西川さんが「生きてまーす」と書いていた、まあそりゃそうだろと思った。
そしてYが他の三人を定位置に座らせると、口を開いた。
これマジで、重いんだけど、いやほんとおもいよ、と言う。
俺は話溜められるのが嫌いで、いいから早く言えと言った。
するとYがこう言った。
Kが…亡くなった。
身体がドクンって久々になった、本当にこいつの話は俺の予想を上回ってばかりだなと、冷静な自分が思ってた。
流石に嘘だろと思って「いやいやいやいいやいやwwwwwwwwww」と言ってた。
事の顛末を聞いてるとどうにも本当らしい、でもいまいち疑わしかった、だけど色んな些細な違和感がKが死んだとすると辻褄が合って、嫌だった。
しばらくは笑いながら「んなことあんの!?wwww」と話していたけど、少し落ち着こうとソファに寝転ぶと、静寂が訪れた。重い沈黙だった。
なんだか涙が出そうになった、しばらく見てなかったけど、もう二度と会えないと思うと、悲しかった。
それはYもMもFも、同じみたいで、目が悪い俺でも皆涙目なのが分かった。
しばらくの静寂を経て、俺は「シーシャ行こうぜ」とポツリと言った。
反対するやつはいなかった。
わざわざ新宿にまで行って、遅くまで開いてるシーシャに行って、シチリアレモンと、トーキョーサクラのフレーバーを頼んだ。
シチリアレモンは旨くて、サクラは芳香剤みたいな匂いだった。
皆あまり喋らなくて、左のユーチューバーでもやってるらしい女が意外と考えてやってることだとか
右側のアホっぽい大学生集団がニッコマは意外と偏差値高いとか未だに話しているのを黙って聞いていた。
2時間くらいいた。だけど誰も核心に触れる話はしなかった。
なんだかノルウェイの森の序盤を思い出した。
「残された者たち」という自覚。あのノルウェイの森の主人公たちの気持ちがなんとなく、実感で理解できてしまったことが、辛かった。
シーシャを出て、Yに「帰るか?」と聞くと、「飲もうよ」と言われ、了承した、なんでもいい気分だったのだ。全てを許せそうな、そんな寛大な気分じゃなくて、どうでもよかった。
高田馬場まで戻って、中華料理屋で飲んで、しばらく話してたら涙がまた出てきて、皆泣いていた。
仕方ないから、滅茶苦茶にネタにしてやることにした。
皆涙流しながら、爆笑して、死んだKの話をした。
居酒屋でKに注文任せてたら冷やしトマト頼みやがって、ほんとにしばこうかと思ったこと。
よくわかんねえアフリカの国に行って、音信不通になって監禁されてんじゃねえかって会議になったこと。
しばらく話してたら、終電の時間が来て、Fが帰って、次に終電が早い俺が帰る時間になった。
帰り際、YとMに「生きとけよ、お前ら」と言った。
Yは「当たり前じゃん、死ぬ勇気もないしさ」と言い、Mは「おう」とだけ言って笑っていた、こいつはいつも反応が適当なのだ。
高田馬場駅のホームまで歩いて、一人になって、また涙が出そうだった。
なんだか、誰が死んでも地球は回るなあとか、あいつは煙になったのか星になったんだか、知らないけれど、なんにせよ楽になっていればいいなと思った。
家に帰って、またあいつのことを考えた。
なんだか、アニメとかで見るような「逝ったなあ」みたいな清々しい気持ちで夜空を見上げることなんてなくて
ずっと心に重いヘドロが付いたみたいに、嫌な気持ちだった。どうしても頭が思考をやめてくれなくて、ずっと彼のことを考えていた。
Yに寝れねえよ、とラインした。
それもそうだし、彼女に振られそうなんだけど、と返してきた、こいつも大変だなと思った。
続けて、本当にありがとうと来た。
お前がな、と思いながら、でも返信する気力もなくて、そのまま寝た。
しばらくして何故か目が覚めて、明日のインターンに遅れる連絡を入れて、Yに「おまえこそありがとな」と遅い返信をすると、気づくと俺は深い眠りに入った。
起きたのは8時で、窓の外を見ると台風が来ていて、土砂降りだった。
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