ライブ配信を見たら想像とは違うものが出てきた話


 こんなご時世、遊びにいくにも勇気がいるし、なんとなく後ろめたさがありますよね。何ていうか、“外出しちゃうぞ~!”なんてうきうきした、100%楽しい気持ちで外に出ることが難しいというか。

 ですが、先日わたくしはライブをみました。ホールでプロが歌うのをみるやつです。こういうふわっとした言い方から何となく察していただけたらと思いますが、ライブをみたのは人生でも片手の指で足りる程度です。本当に音楽コンテンツ方面には疎いです。アイドルにも興味は持ってこなかったし、なんなら音楽とか半年に一回再生する程度(それも3DSとかで再生しちゃう……)。

 そんな人間がライブをみるのはもう本当に珍しいことで、じゃあなんのライブをみたの?という話なんですが、ソーシャルゲームのコンテンツ、【BLACK STAR Theater Starless】(ブラックスター シアタースターレス)(以下ブラスタと表記)というコンテンツのライブです。
 ご存じのとおり、最近は二次元コンテンツがライブをすることが多いですよね。アイドルは三次元・二次元問わずに疎いわたしでもいろんなコンテンツがライブしたりしてるのを知っているくらい。
 こちらのブラスタも2019年の9月から配信されているソーシャルゲームなのですが、ファン待望のライブイベントが2021年の2月28日に開催されることとなりました。コンテンツのファンとしては本当に楽しみで仕方なくて、日が近づくごとにそわそわしてました。

 本当は現地で参加したかったなと思いつつ、ご時世的に心配なところもあり、配信でもライブをみられるというので「じゃあ配信で……」と、配信でライブを見ることにしました。今ってライブもお家で見られるんだなあとびっくりしちゃった。かがくのちからってすげー!

 で、ここからが本題です。

 大抵の二次元コンテンツ、とりわけライブをやれちゃうコンテンツというのはコンテンツのカテゴリが“アイドルもの”や“バンドもの”みたいな、(本当にざっくりした分け方をしますが)【音楽モノ】なんですね。ゲームコンテンツとしてはリズムゲームにカテゴライズされるようなあれです。
 ブラスタもカテゴリとしてはリズムゲームで、「ワルメン応援リズムゲーム」っていうクセのあるゲームなんですよ。クセとか言うな。




 スタート画面からわかるクセのつよさと顔面の圧。治安悪そう~!!!(実際によくはない)

 リズムゲームとは思えない治安の悪さがものすごいブラスタなんですが(アンダーグラウンドへの解像度とその匂わせがなんかすごいんですよ……)、設定としては「ショーレストラン【スターレス】で働くキャスト(ワルメン)を応援する」というもので、キャストのワルメン(キャラクター)たちは全員、パフォーマーかシンガーという立ち位置です。ゲームの設定上は【スターレスで公演をするときはパフォーマーとシンガー、合わせて五人で演じる】なんてきまりもあったりするんです。

 ブラスタ、ありとあらゆる方面で色々面白いんですが、特徴的で面白いところ(気合いの入っているところ)は、シンガーのキャラは声と歌とでキャスティングがわかれているところかな、と(声優さんと歌う人は別で設定されています)。
 アイドル系コンテンツの傾向としては声優さんが歌うという形式のものが多い気がするので、そのへんも珍しいな~という感じですよね。(ブラスタがアイドルコンテンツかって言われるとへへへへ……という感じですが……)(堕ちたアイドルというコピーを抱えているキャラクターはいます。どういうコンテンツ?)

 ライブがとっても楽しみだった反面、個人的にすごく不安だったのも“声と歌とではキャストが別”、“ライブっていう形態でどうこのコンテンツを表現するの?”というところで。
 歌ってらっしゃるシンガーの皆様、そしてMC(ヒップホップをする人をMCと言うってブラスタで知りました)の方も本当にメチャメチャ良くて、普段は買わないCDをつい5枚買っちゃうこともやらかしたくらいなんですが(本当に曲がいいんですよブラスタ……!!!!)、いかんせん題材の“ショーレストラン”が難しくないですか!?というところがあり。

 軽すぎる説明をすると、今回のライブは“ショーレストラン【スターレス】が開催したライブ”というようなニュアンスで、ゲームで楽しんでいるファンとしてのわたしは「パフォーマーとシンガーがいてこそのスターレスの公演でしょ……」というメチャメチャ厄介な感情を抱えていたわけです(シンガーだけの“スターレス”はスターレスじゃないんだよお!みたいな感情でした)。オタクによくあるあれですね。めんどくさいお客です!!!愛したぶんだけ厄介になるのがオタクという生き物!!

 普通のアイドルコンテンツならアイドル(キャラ)がライブをするよ!で終わるんですけど、ブラスタは題材がそのへんややこしいな~というのがあったので(歌って踊るしショーには原典が設定されている(※マクベスだったり忠臣蔵だったり……)し、制約は多いなって勝手に思ってました)、本当に楽しみと不安が結構大きかったんですよね。

 ゲームでの世界観がライブで壊れちゃったりしたとき、このコンテンツを嫌いになっちゃうんじゃないかとか、そういう心配が自分のなかにあったんです。人の心ってよくわからないところでものすごく強烈に働くじゃないですか?思い入れがあったものに裏切られたら、その分の反動が大きすぎるとか。期待しすぎてただけだよっていわれたらそうかもしれないけど、楽しみにしていて期待していないなんてことはないわけで……。愛しているからこそ期待しちゃうわけで。

 だから、嫌いにならないようにハードルはものすごく低く設定してたんです(そもそも配信のライブもよくわかってなかったところがあったので)。歌ってらっしゃるのを聞ければそれでいいかな、くらいに気持ちを設定してました。

 そうしたら。
 そうしたらですよ。

 全部ぶっ飛ばしていきやがった……!!!

 いや本当に、本当に、本気で滅茶苦茶良かったんですよ。想像してたのよりもう、とっても良かった。みて良かった。なんなら本当に現地に行きたかった……!!!
 本当に純粋に、良い意味で想像とは違うものが出てきました。

 ライブ公演が始まる前にパソコンのモニターをみていて、舞台のセットの様子がおかしい(※な~んか治安の悪い看板がちらほら見えるぞお……)なと思ってたんですが(motel とか bar とかの文字が見えるぞ~)(錆びた看板が見えるぞ~~~!?)(えっ路地裏!?治安悪くね!!?)(こんなセット作るん!??)、これたぶんブラスタの主題歌のBLACKSTAR をイメージしたセットだろうな!ってテンション上がっちゃったんですよ。ライブが始まる前から。

BLACKSTAR のMVはこちら。格好いいんだこれがまた。

 セットの治安の悪さに“信頼度”が爆上がりしたのは初めてでした。絶対にいいものみられるぞこれ!になりました。

 早く始まらないかな~!ってそわそわしてたら、唐突に鳴り響くサイレン。上記MVの冒頭で鳴っているやつ。サイレンから始まるライブって何!!!??ここでも信頼度が上がる上がる。

 うわーっ!ブラスタのライブだー!!!って本当にめっちゃテンション上がっちゃったんですよ。お家だったので思う存分呻き声を出せました。やったね。健康にいい呻き声です。

 ここのところ“楽しいイベント”が軒並みつぶれたり、外出不可だったり、陰鬱寄りの生活をせざるを得なかったりした部分もあったので、なんか反動が一気にきたというか、本当にグワッ!てなってしまって。もう「たのし~!!!」ってのたうち回りたいくらいでした。お家でみるライブってこんなに楽しいの……フゥン……いいじゃない……!!!っていう気持ち(開始五分でこれ)。


 配信ライブっていう形態も“ならでは”でよかったな……!!と噛み締めています。てっきり舞台全体を写しての定点観測みたいなものだと思ってたんですが、実際はカメラが切り替わってものすごく格好いいものになってました!カメラワークが良すぎる。上からのアングルとかもたくさん見せてくれて!
 流石に上からのアングルとかはカメラで抜いてくれないと見られないものですし、配信だからこそみられるアングルを出してきてくれたのがとても嬉しい!行けない悔しさは昇華されました。

 細かく書くと本当にクソデカ感情お気持ち怪文書になってしまうのでコンパクトにまとめたいんですけど、シンガーさんたちの歌唱力はもうもちろんのこと、随所に見えるファンへの気配りがもう……!!嬉しい。嬉しかった。

 ブラスタのアプリで公演開始時(※リズムゲーム開始時)に“君に全てを捧げよう”って言ってくれるキャラクター(ケイ)がいるんですが、そのキャラクターの歌唱を担当されている藤田さんが曲の始まりに“君に捧げよう”って言ってくれたりとか。
 ゲームでスキルを発動するときに“俺の歌を聞けーっ!”ってシャウトするキャラクター(晶)の歌唱を担当されている小林さんが“俺の歌を聞けーっ!”て言ってくれたりとか!ファンには嬉しい……!嬉しすぎる……!!

 シンガーさんたちの衣装も担当されているキャラクターに合わせたものだったりして、その衣装もまた絶妙だったんですよ。
 キャラの衣装そのままっていう訳じゃなくて、キャラ衣装をイメージしつつちゃんとした衣装(※)っていうか、コスプレではないというか。何ていえばいいんだろう。とにかく良かったんですよ。
(※ブラスタをみてみたりやってみたりするとわかるんですが、キャラの衣装の大半が肌面積すごいですからね。登場人物、全員ワルメン。だし、登場人物、大抵半裸。みたいなとこあります……。それ服としての役割を全うできてるのか?みたいなすごいのもあったりする)

 でもほんとう、衣装も格好いいし、リンドウの歌唱担当のあじっこさんはちゃんとお帽子かぶっていらして、なんかもう感無量。そんなところまで気を配ってくれるのか!?(帽子って身につける衣装としてはちょっとクセがあるじゃないですか、落ちちゃったりとか……扱い的な方面で……)駄犬でお帽子とられて被られてたのはちょっと面白かった。
 あじっこさん、終始ニコニコしててなんかわたしが嬉しくなっちゃった(?)し……!!
 見たかったやつだよこれ……!ってぐわああああってなってました。チームPのお三方の和やかな雰囲気、チームの雰囲気が出ててよかったな~。

 わたしはキャラクターとその演者さんを結びつけられないタイプなので(どうしても分けて考えちゃう……)、たまに回ってくる自分の知らない別ジャンルの“○○が実在した!!!”みたいな感想にあまりピンときてなかったところがあったんですが、今回のライブで「わ、わかる~!!!!!」になりました。演者さんの技量の高さと演出の素晴らしさで実現する魔法なんだなあれは。自然とこう、「あ、この人は○○なんだな」ってなるというか。すごいね。本当にすごい。

 ライブをみた人にしかわからない話をしてしまうんですけど、Purple Dawnの冒頭のソロのダンスで「あ、モクレン!」ってなった人は多いと思うんですよ。ひらりと紫の布が舞うのもモクレンの舞台衣裳の後ろのひらひら(他に言い方ないの?)みたいでとにかく優美。モクレン自体がダンスがメチャメチャうまい。すごい。つよい。って感じの人なので、ダンスで釘付けにできる人をダンサーさんとしてキャスティングしてくれたのもよかった……。あれは、本当に、よかった。

 他のダンサーさんもなんですけど、気付かせ方が綺麗だったんですよね。「あ、○○だ」が自然と頭に浮かんでくるというか(????)チームBの公演とか本当にチームBじゃん……(五人揃ってガンガンやってる~!!!!!)になっちゃいましたし、ヒースの声とMC(このキャラだけ声と歌唱を同じ方が担当されてます)の井出卓也さんとかもう、ものすごかった。つよいな。本当につよかった(?)誰がどうみてもヒースじゃん(?)リミットバッジ食べてレベル99になったヒースじゃん……!!!
 すごく間抜けな感想になっちゃうんですけど、ラップって本当に歌えるんだな!?(ラップ、早口だから歌えるのがすごいなって)実際に聞くまでラップって本当に歌ってるのか半信半疑なところがありました。どんな感想?

 柘榴のシンガーのしゃけみーさんも声の響き方がとても好きなんですけど、それをリアルタイムで聞けたのがうわーっ!嬉しくて死にそう!みたいな感じで。しゃけみーさんの柘榴さんぽい立ち居振舞いがありがたくて!!!もう!!もう……!!!アアーッ!!!(声にならない声)なんでこんな楽しいものがこの世に存在してるのかわかんなくなってきた。小道具に傘もってたのもよかった……(他のチームの曲ごとの小道具の使い方めちゃくちゃよかった。天才の発想)。

 二次元コンテンツのライブ、というとキャラクターありきのものになるので、パフォーマーさんたちにも全く手を抜かないキャスティングだったのが本当に良くて!(今回はライブでしたから、シンガーに注目が集まっていたかと思います)
 ライブなので歌が主体だろうと思ってて、でも実際に見たらダンスは格好いいし演出も粋だし、いや~、良いものを見せてもらいました……。こっちの期待に応えてくれようとしてるっていうのが伝わってきたというか、ガチのコンテンツだなって。

 気付けばあっという間にアンコールで、時間ってこんなに早く過ぎるものだっけ?という爽やかな充実感でいっぱいになっていて。よくわからないなりにライブ配信をみて本当によかったな~!って気持ちです。また面白いことを知ってしまった。人生が楽しくなっちゃうな。
 早く今の状況がどうにかなって、ちゃんと騒げる(?)ようになったらな~、なんて思いました。本当に楽しかったから……!

 シンガーさんも、パフォーマーさんたちも、企画・運営、演出担当の方も、特別な体験ができて本当に楽しかったです!ありがとうございました!!の気持ちでもういっぱいです。このライブはもう本当に手放しで褒められる。めっちゃよかった。円盤の発売も心待ちにしております。


 それでは最後にお気に入りイベントのタイトルを張っておきます。

 




 

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