向日葵の咲かない夏【道尾秀介】


超個人的感想
ネタバレ有り


理由のわからない不快感がずっと続いた。
解説で「好き嫌いの分かれる内容」というようなことが書いてあり、たしかになと思った。
私はあんまり好きじゃないかも…。
でもなんでずっと不快感が続いたのかわからない。
ずっと不快感が続いた本に初めて出会ったからむしろ忘れられない本になった。


小説の中でもミステリー小説は一番に好きで、私はわくわくしながら読む。早く次のページが読みたい!早く!早く!!という感じ。登場人物が狂ってるのも大好き。わくわくする。

でもこれは…
わくわくしなかった(._.)
不快感…

作者が意図してそういう風に作っていたのかもしれない。そうだったらいいな。そうだったら、作者の思いどおりに読めたってことでしょ。嬉しい。

じゃあもし作者がそういう風に作っていなかったとしたら、何が引っかかって不快感を抱いたのかな。私なりに考えた結果、この本を妹から勧められたってことが大きい気がする。



妹は私と全く似ていない。
妹は基本的に何を考えてるのかわからない。考えてないのかもしれない。常に無表情ってわけではないし、怖い顔というより割りと優しそうな顔をしてると思う。底抜けに明るい風には見えない。かといって話してみると底抜けに暗い感じでもない。良くも悪くも穏やか。冷静。嬉しいときも悲しいときも取り乱したりしない。あと、かなりのディズニーオタク。

そんな妹に対して私は勝手に、ほんわか(*´꒳`*)和やか(*´꒳`*)比較的平和(*´꒳`*)汚くない(*´꒳`*)な小説が好きなのかと思っていた。

そんな妹からこの本を勧められた。
「早く話したいから読んで!」ってわくわくした顔で言うからさ…
びっくりしたよ…
最初の方はグロい描写、ホラーな描写が多いから読み始めた当初は本当にびっくりした。
グロいの無理って言ってたやんけ…
これがんがんグロいやん…
しかもホラーやん…おばけでてくるやん…
途中からへんな性的趣向の人も出てくるし…
お姉ちゃんとしては複雑だぞ…
という気持ち(´・_・`)

以前イニシエーションラブの感想で盛り上がったことがあったから、また感想で盛り上がりたいと思ったのかもしれない。本の感想で盛り上がるのって楽しいもんね。私も楽しかった。

でもなんか…
私は不快感が続いたし、この本で盛り上がろうと思ってたの?って複雑な心境だよお姉ちゃんは…

私が読み終わったあと、「どう思った?最後、本当にミチオくん一人になっちゃったと思う?」と聞かれた。早く共有したい!わくわく!みたいな顔で。
たぶん妹の心に残った部分はミステリーの部分なんだろうなぁ。
でも私の心に大きく残った部分はホラーの部分と登場人分の性癖の部分だったから、なんというか、わくわく話せなかったよおおぉ そんなわくわくした顔しないでよおおぉ

妹は最後、ミチオくんが本当に一人になっちゃったのかどうか、もしかしたらそれすらもミチオくんの物語なんじゃないか、と思って、ネットで探ったらしい。真面目だなぁ。

ちなみに私は本当に一人になったんだと思った。書かれてあることが真実なんだと思った。家が火事になったけど、間一髪でミチオくんをお父さんとお母さんが助けたんだと思った。お父さんとお母さんは死んでしまったけれど、ミチオくんはミカと同じように他の動物をお父さんとお母さんに見立てた。ミチオくん的には家族との幸せを手に入れることができましたとさ。おしまい。

確かにいろんな推測ができるよなぁ。だってミチオくん、現実と幻想の区別ついてないじゃん。もしかしたら、小説の主軸になってるあの事件、ましてやSくん自体が幻想なのかもしれないし。家族も、幻想かもしれないし。

ミカがトカゲだとわかったとき、もしかしたらお父さんとお母さんも存在してないのかも、と思った。ひとりぼっちの子どもなのかもしれないって。じゃあどうやって生きていってるのか、とかまではわからないけど。





岩村先生の性的趣向が、ほんと、だめだ、妹に読んでほしくなかったというか、知らないで欲しかったというか…

あと死体の足を曲げるお爺さん。気持ち悪すぎるよ…反対側に折るなんて……こわすぎる





人とお勧めしあう本はちゃんと選ぼう。。。

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