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【7777】スリー・ディー・マトリックス

※本投稿は筆者の考察の情報整理を目的としており、株式の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではありません。


1.事業概要

 止血・創傷治癒機能のあるジェル(医療機器)の製造・販売。海外比率が高い。※機能については国により承認状況が異なる。

2.ビジネスモデル

 自己組織化ペプチドによる製品を病院または医療機器販売の代理店に対して販売。主要顧客はFUJIFILM Europe B.V.だが、直営の営業部隊による日米欧の各病院へも販売網がある。
 主力はpurastat。日米欧にて内視鏡外科領域における止血材として利用。日本では保険収載済み。欧州ではCEマーク取得、上記に加え後出血予防材(内視鏡外科治療後に生じる出血を予防する機能)としても利用。米国ではFDA認証を取得、上記に加え創傷治癒材鼻の癒着防止材としても利用。
 自己組織化ペプチドには血液と接触することで凝固する止血効果のほか、凝固した状態がECM(細胞外マトリックス)に酷似していることから、細胞の増殖を支える足場として働き、創傷治癒効果があるのではとされている。
 止血材としては、生物由来の原材料がないことから感染性リスクがなく、透明なジェルであることから視認性がある。また、生体適合性・生分解性が高く副作用反応による有害事象報告が極めて少ない。これらを総合すると既存の止血材よりも優位性は高い
 創傷治癒材としては、内視鏡外科治療における創傷治癒効果が臨床現場から蓄積されているほか、米国では直腸粘膜炎治癒材として認可を既に受けている。また、難病である炎症性腸疾患(IBD)治癒適用に向け推進。創傷治癒機能を有した止血材は唯一無二と思われる。
 2024年3月現在では鼻粘膜における創傷治癒効果も報告され、全身における様々な創傷治癒効果への適用拡大が期待される。
 サブはpurabond。製品の中身は同じものだが、適用が心臓血管外科領域耳鼻咽喉科(ENT)領域における止血材として利用。
 その他として、粘膜隆起材や産婦人科における癒着防止材、DDS基材などでも効果が確認されており、自己組織化ペプチドそのもののポテンシャルは非常に高く、今後も様々な方面での製品展開が期待される。

3.財務状況(2024年4月期第3四半期)

 資産57億円(現金12億円、売掛金10億円、製品30億円)
 負債51億円(転換社債型新株予約権付社債39億円、短期借入金3億円)
⇒P/Lの規模・内容からも手持ち現金が十分とはいえず、CBとはいえ固定負債が39億円あるので財務健全性は要注意と判断。バイオベンチャーにおけるCBなので基本的にデフォルトは生じないと思われるが、引き続き注意は必要。 

4.業績・見通し(2024年4月期第3四半期)

<2022年4月期>
売上:1,506百万円 営業利益:△2,736百万円 当期純利益:△1,894百万円
売上は過去最高を更新。ただしコロナ禍の影響もあり計画は大幅未達。売上増による営業利益の改善はない。
<2023年4月期>
売上:2,314百万円 営業利益:△3,158百万円 当期純利益:△2,445百万円
売上は過去最高を更新。計画は大幅未達。心臓血管外科領域や耳鼻咽喉科(ENT)領域における営業拡大により営業コストが急増。営業利益は更に悪化。
<2024年4月期(筆者見通し)>
売上:4,227百万円 営業利益:△1,918百万円 当期純利益:△812百万円
売上は過去最高を大幅に更新、予算達成か。営業先領域の選択と集中により営業利益改善も、四半期黒字化はもう少し時間がかかりそう。米国の伸長が顕著。日本、欧州は着実増。

5.銘柄分析(価格:500円※返金はいたしかねます)

 スリー・ディー・マトリックスの収益構造、将来見通し、個人的な銘柄分析になります。有料ですが、損切り・利確の額に比べれば誤差の範囲と思います。一度購入いただければ、永年更新情報を閲覧できます。

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