見出し画像

レフェリーを2年して感じたこと


 大学のサッカー部には部署制度があり、私は1回生時に審判部に配属されることとなった。

楽な部署を望んでいたので、前評判が悪かった審判部に決まった時は少しガッカリした。

それは完全に間違っていたと今になって思う。

その理由は3つ。

1つ目は、シンプルにレフェリーそのものに面白さを感じているから。

2つ目は、レフェリー側に立って心理的な感覚やジャッジの難しさを感じられたことで、選手としてのレフェリーとの関わり方を良くすることができたから。また、ルールの知識を選手として活かせたから。

3つ目は、特別な出会いや体験を多く経験することができたから。



今日は、レフェリーの心理と、選手としての関わり方でみなさんに参考になるものがあればという想いで綴りたいと考えています。時折、実際のエピソードも交えていきます。

「主審」がメインです。



topic1   抗議について

これはレフェリーと選手を語る上で最初に思いつくテーマの1つだと思います。

ジャッジは人間がするものなので、必ずしも正解は叩き出せません。

そこはみんなわかっています。

ただ、選手は勝ちたいだけです。選手のタイプや性格、または試合の時間帯や状況などにもよりますが、基本的にピッチに立つ半分の選手は怒り狂っています。

ピッチの外でどれだけ素晴らしい人であっても、ピッチという名の戦場ではIQは著しく下がります。動物園の猿山で喧嘩をしていても違和感はないでしょう。

それは選手をしているから理解できます。

だから、

抗議はしていい

と僕は思います。

気をつけてほしいのは言い方です。

レフェリーの人格や尊厳を否定する言葉。これはどんなに興奮していても許されません。

私は、今ではそういう発言になんの躊躇もなく黄色でも赤でも抜けますが、1年前までは自分が我慢してればいいんだと思っていました。


記憶にあるのは、「死ね」、「お前目ついてんのか」、「このサボテン野郎」くらいですね。

サボテン野郎に関してはタイトル上の写真を見てもらえれば理解できるかなと思います。

ちなみにこれらを言われたのは全部高校生からです。和倉ユースという全国から多くの強豪チームが集まる大会でした。

結構繊細なタイプなのでなかなかに応えましたが、おかげで一瞬で感情を避難させるスキルを身につけました。


ただ、もしこのような発言(暴言以外でも必要以上に強く言ってしまった場合も含む)をしてしまった場合、なるべく早いタイミングを見つけて(退場してしまったら泣いて反省するか、猿山に餌やりをしに行ってください)謝ってください。

「さっきは興奮してあんな発言をしてしまってすみませんでした。反省してプレーに集中します。」

これを言うだけで劇的にその選手に対する印象が変わります。ジャイアンが映画だけいい奴になるように、下げて上げられたら瞬間的に無条件でグッと来てしまいます。それが人間心理です。そしてレフェリーは人間です。


怒り狂っていたいならお好きにどうぞと言いますが、本当に勝ちたいならレフェリーは味方に付けないといけません。


均衡した試合であればあるほどレフェリーの1つ1つのジャッジが勝敗を左右する可能性を持っています。

私はそういったことに囚われないように基準をもって最後まで吹くように努めていますが、そうでない人もいるのが実情です。


素直に謝って少しでも有利な判定を勝ち取りに行くのか、その可能性を捨てるのか、よく考えるべきです。


topic2   判定基準について


「レフェリーさっきのなかったじゃん!!」

「これはイエローなんかい!」

よく言われます。これも納得できます。


シンプルにレフェリーのミスであることが多いです。ただ例外もあることをわかってほしいです。


例えばイエローカードは危険度によらず、ゲームコントロールのための「抑止力」を持っています。


試合が激しくなり、怪我人が出そうな時は少し厳しい判定になったとしても選手を守るための道具としてイエローを使う時があります。

正直考えることが多くて悩みます。そもそも基準とは?という話から入らなければならないと思います。

思いつくものとしては、


・ファールだけどお互いにやり合っているから取れない

・同じようなファールだけど、ボールにプレーしようとしていたかと言う観点でカードの有無が変わる

・ゲームレベル的にファールを取るべきではないけど明らかなミスマッチで選手が怪我をしそう


などなど。


これらを状況によって何を取るべきか考えながら総合的に判断してジャッジします。

だから納得がいかないかないときは、ハーフタイムに入る時やプレーが止まった時にレフェリーとコミュニケーションをしてみてください。

それでも納得できなければ不満を露わにするのではなくて、次に自分たちが有利になるためにどうすればいいかという目的を持って接してください。

ただ怒っているよりは確実に状況は良くなります。


topic3  レフェリーあるある


大きく取り上げるほどでもないですが、言いたいところを思いつく限り上げていくので見ていってください!あくまで個人の私見です。


・各チーム相互で出す時の副審はほぼ信頼していない。

・フラッグ上げたなら止まってくれ。取りたくても取れへんねん。

・逆に3人体制でやる時の安心感レベルが神。

・「レフェリー掴んでるよ!」(ほんの一瞬)
 って言ってくるやつは大体イケメンで細身。

・まったく文句を言わない選手は、報われてほしいなと思う。

・一切動いてないのに自分から近寄ってきて邪魔って言ってくる奴、思春期の恋するガキか。


・急に交代でレフェリー!って言われて焦って吹いた時にカスカス音になるのめっちゃ恥ずい。


・自信満々にピッチインしてボール忘れてた時、穴掘って隠れたい。


・オーバーリアクションでアピールしてくる奴、ただただ可愛い。


・ジャッジミスして謝った時にそいつの性格分かる。


・3-0で勝ってるトレーニングマッチで、そんな長くないのにゴールキック遅いってアピールしてくるチームなんなん。対応困るて。


・PKの有無のジャッジは、朝すぐ起きるかスヌーズにしようかの決断くらい迷う。


・レフェリーナーイスって言われたらまあまあ嬉しくて平静を装うのに力使う。


⭐️セットプレーでレフェリー止めてよ!って言ってくる守備側の選手。お前らに止める権利ないねん。フル無視でひたすらに攻撃側の選手と笑顔でコミュニケーション。


・怒ってる選手より高いテンションで叱りつけると意外にもすぐ引く。


⭐️ファール後に、足の裏は当たった当たってないに関わらず、危険なプレーとしてファールだよと説明したらだいたいのやつ☹️の顔する。


・恐ろしくラインアップが速く設定位置が高いチームにはボーッとしてたらブチ抜かれて自分が最終ラインになってしまう。


・キックオフの笛を吹く時、すぐ近くにいる選手だいたい衝撃で肩上がる。


・終了のホイッスル、吹いてる途中の気分でアレンジしがち


今思いつくのはこれくらいです。⭐️のところは理解しておいてほしいです。


まとめ


もう一度念を押しておくと、これはあくまでもレフェリーをアマチュアレベルでかじっただけのやつの意見です。


そしてレフェリングもまだまだ未熟で知識もありません。

アウトプットを行うことと、私の大学のサッカー部に所属する選手に見てもらいたいというところを目的として書きました。間違っているところも多少はあると思います。


質問や疑問があれば是非インスタのDMから飛ばしてください。恐らくパッと答えられませんが、サーチして自分の新しい発見にしたいです。



選手の皆さんも少しレフェリーに注目して見てみてください!



最後までありがとうございました😊







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?