見出し画像

六道の辻

☆全文無料ですが、投げ銭大歓迎です(^O^)/☆

夜ごと井戸を通って冥界に降り、閻魔大王のもとで裁判の補佐をしていたという小野篁。調べてみると、私はもうすぐ彼が死んだ年齢になるらしい。私は頭もそれほど良くないし、不思議な力もないけれど、死ぬ時が来るのは平等だ。

小野篁が冥界に通ったと伝わる井戸があるのは六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ、ろくどうちんこうじ)。そのあたりは、平安京の火葬地であった鳥部野(鳥辺野)の入口にあたり、現世と他界の境にあたると考えられた。そして、「六道の辻」と呼ばれた。「六道の辻」は五条通(現在の松原通)沿いの六道珍皇寺門前やその西方の西福寺付近とされている。

4月のとある土曜日に歩いてみたけれど、特に変わったことも感じなかったのは、単に私が凡人だからだろうか。それとも、地獄の釜が開くと言うお盆になれば、感じることができるのだろうか。

ともかく初めて歩いた六道の辻。誰かとデートしたならば、きっとお互い思い出に残るに違いない。こんな場所でデートがしたいなんて、変わった奴だという感想を持たれるに違いない。娑婆と別れを告げるときには、この道はいつか来た道だと思うのだろう。

ここから先は

0字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?