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関係人口事業に関わって

私は、この事業に関われてとても良かったなと思います。
でも正直、後悔も多々あります。

交流の仕方のギャップ
 まず、地域の人とのやり取りは、一番現場として学びが多く、想いを持った人とたくさん出会えたことが充実していました。
 一方、これが事業としての活動ということもあり、これまでは大学生という身分で地域の人と接していたから私らしく仲良くしながら会話をすることが地域での私の楽しみでしたが、自然と堅苦しくなっていました。気づかぬうちに自分から心の壁を置いていて、学生の時はあんなに気軽に地域に入っていたのに、今はどこか距離を感じる。仕事なのだから当然のことなのですが、そのギャップに違和感を感じてしまいました。お金をいただいている以上、付き合い方は心の中で調整せねばならぬことだと感じました。

事業の振り返り
 事業全体の振り返りとして、3地域にも共通して言えるのが、関係人口の「きっかけ」を作ることができたことだと思います。地域側にとって地域それぞれの「関係人口」としての関わりしろを知る「きっかけ」。関係人口側にとって、興味のある地域・分野に入る「きっかけ」。
 本事業の果たすことは、福島県県南地方の関係人口を増やすことですが、達成できたかと言われるとまだ半分にも満たない最初の段階です。
 しかし関係人口って無意識に増えていたり、見えるものとしてなくても実は知らないところでたくさんいるものだとも思います。移住人口よりも観光人口よりも目に見えにくい存在、数字に表しにくい存在、だからこそ結果が見えにくい。
 どんな関わり方をしているのか、町にどれくらいの頻度で訪れているのか、町に訪れていなくてもどれだけ信頼関係が構築されているのか、が関係人口の質なのだと思いました。
 加えてもう一つ大事なのは、地域に関わる人が、どれだけ地域を想っているか。結局、「想い」が何事においても大事なのだと思います。その「想い」が地域に向いていなくても、自分の心を熱くさせる「コト」が行動の原動力になるし、
これを関係人口に繋げるのであれば、その「コト」が地域とどのくらいマッチしてるのか、あるいは「コト」=「地域」にどれだけなっているか、それが結果「関係人口」に繋がるのだと思います。

地域との信頼関係 
地域の方針と「関係人口」の関わりしろがどのような相乗効果を生むのか、地域側との認識のすり合わせが必要なのだと実感しました。しらかわ関係案内所の私たちが勝手に関係人口の推進をしていても意味がなく、関係人口と直接かかわるのは地域の人であるし、環境を整えるのも最終的には値域の人なのだということ。まず事業を進めるうえで、私たちと地域側の信頼関係が大切でした。
 これができたのか?と言われると、まだ半分かなと思います。

矢祭町
矢祭町に関しては地域おこし協力隊が動き始める手助けをしましたが、その後どう動いていくかは協力隊次第です。引き続き、協力隊の皆さんの活動の応援・発信をすることは私たちができる継続的な関りであると感じています。
川谷地区
 西郷村川谷地区との信頼関係としては、川谷学区を元気にする会の皆さんとの協力を中心に行っていましたが、正直あまりまだ相互の信頼関係が大きくはないかなと思います。
 なぜなら「関係人口」の理解がまだ得られていないと感じるからです。「関係人口」が地域の課題と結びついていない、あるいは活動方針と結びついていない。移住人口を集めることが一番の川谷学区を元気にする会の目的で、だから関係人口は今僕たちの活動にはあまり考えなくてよい分野、捉えられていると感じます。ここは本事業の期間等を考えないとすれば、もっと理解を得てもらえるよう工夫して伝えていく必要があると感じます。

移住人口を増やすことと関係人口を増やすことは完全に別なのか? 
 私は、地域に色んな関わりしろを掲示することが地域の魅力を発信することにもつながり、そこから移住したいと思う人も出てくると思うので、完全に別ではないと思います。ただ、関係人口を増やすって、具体的にどんなことをすべきなのかはイメージしにくく、多様性の生き方が地域の方にとってあまり身近ではないことも挙げられます。例えば地域おこし協力隊として地域に関わっている方はこれまでも様々な地域で協力隊として活動されてきて、これが本人の生き方でもありますが、3年後にはまた別地域に行くと言った際に、この人をどうにかこのまま地域に住んでもらえるようにせねば、と地域の人はなりがち。ずっと地域にいる人にとっては地域に定住することが当たり前だから、その考え方は理解するのがなかなか難しいです。
 移住してなくてもずっと関わってくれてる人、が地域にいないのかもしれません。まずは、移住・定住してなくても地域にずっと関わり続けてくれる人を地域に作っていく必要はあります。だから、関係人口の関わりしろは私たちから提言し生み出していく必要もある地域もあると思います。

白河市本町
 本町の方との信頼関係は未来の準備室として強くなってきていると個人的には思います。本町にEMANONがあることがまず大きいのですが、学生インターンとの交流や高校生との交流をする店主の方は特に信頼関係は大きいのではないか、と思います。また関係人口として町に関わる人もいるから、イメージもしやすいと感じます。本事業で関わっていただいた店主のお二人と今後ワクワクする企画を一緒にやっていけたらなと思うと同時に、結果色んな関わり方をしてくれる人を生み出せたらいいなと思いました。

関係人口を説明するのが難しい
  関係人口とは簡単に言うと何か?とよく聞かれました。田中輝美さんや総務省の言葉を借りると、観光以上、移住未満の関係の人のことを言います。
 形では分かるのですが、具体的にはイメージしにくいです。
 ある時、地域との活動に接点がない友達に“関係人口とは何か”を説明したら、「じゃあ、遠距離恋愛ってことだね」と言われました。まさに分かりやすくまとめてくれたなと思いましたが、恋愛ってとても多くの人が興味・関心を持つものだと思い、この表し方が一番理解されやすいなと個人的に思いました。
 関係人口、という言葉でいつも多用するのですが、結局分かりにくいなと思います。そして行政チック。もっとなじみやすい言葉はないのかな…と本事業をやっていて思いました。

業務面の振り返り
 私は、半分学生という立場で担当に就き、左右もわからぬまま進めてきまいた。最初に丁寧に多くのことを教わり、だいぶイメージや知識は増やしていけたと思います。でも、なかなか全体的に都度進捗を客観視することができなかったなと思い、室長とたまに車とかMTG時で本質的な考えを言ってくださるたびに、気づかされる日々でした。本質的な事業の進め方、を考えるよりもまずは自分が言われたことを期限内に、より効率的にできるかを気にしていました。

 また、県南地方振興局とのやり取りはもっと多く出来たなと感じ、今回情報共有がきちんとできておらず振興局の担当者を困らせてしまった部分が多々ありました。特に情報共有の部分で、最初から定期的に連絡を取ったり、イベント等何か進展があった時には必ず逐一報告する、など出来たことは多くあったはず。でも意識が回っていなかったです。まずは委託主から頂いてる仕事だということ、を念頭に置き、そのうえでどれだけこの事業が関係人口の創出にどれだけ本質的な活動ができるかを振興局の方に説得する、ことが求められている業務内容であったと、やっていた中でやっと理解しました。

まとめ
 業務面、交流面で反省や思ったことがありましたが、改めて関係人口を考えることは面白いなと思いました。3か月じゃやっぱり短すぎるし、もっとやりたいこともたくさんあります。
 今後どうなるかは分かりませんが、個人的に関わった3地域とは今後も関わり続けるし、自分ももっとグレードアップして地域に還元できるよう学びたいと思いました。

記事を見た方に伝えたいこと
結局事業を進めるうえで、地域の人とどれだけ信頼関係になれているか!が鍵です。


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