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シアター・ホームステイ備忘録。(犀の角@長野)

お久しぶりのnote。
今年は少しずつでも更新できたらいいなと思います。

今回は2023年1月に参加したシアター・ホームステイについて書いていきます。

簡単にシアター・ホームステイについて説明。
シアター・ホームステイは小劇場ネットワークの企画で、加盟劇場がアーティストの推薦・選定を行い、マッチングした劇場とアーティストが短期滞在(1週間〜)通して相互的に交流を行うことを目的としています。

イメージとしては交換留学みたいな。

私的解釈のイメージ図(絵が壊滅的ですが)

私は沖縄県那覇市にある劇場アトリエ銘苅ベースの推薦を受けて、長野県上田市にある劇場犀の角に1週間ほど滞在しました。

滞在期間中の目的は特に決めておらず、上田の街を見ながら地域の人と話ができたらいいなって感じでした。

滞在1日目 〜飛行機に乗り遅れたよ編〜

1月の長野県の寒さに怯えながらできる限りの防寒をおこない、いざ空港へ。

搭乗時間がせまり保安検査場を通過、搭乗口の一番前の席で待機、優先搭乗が始まり搭乗の順番を待っている途中ふっと意識が途切れ、気がついたのは飛行機が離陸した後でした。搭乗を待つほんの数分で寝落ちしてしまい飛行機乗ることができませんでした。

仕方なく夜の便を取り直し、長野1日目のはずが東京で1泊することになりました。
自分の愚かさに驚いた1日でした。

滞在2日目 〜無事に上田市に到着編〜

朝早くから新幹線に乗って上田へ。
見渡すかぎり、雪雪雪だらけの雪景色。

初めての雪道に苦戦しながら滞在先の犀の角に到着しました。

犀の角は街の商店街の一角にあって、劇場の中にカフェが併設されゲストハウスも運営されています。宿泊はゲストハウスに。

初めて訪れた犀の角の印象は『劇場っぽくないなぁ』でした。

お昼は犀の角スタッフの方に上田を案内していただきました。
犀の角の成り立ちや、地域(上田)での役割、他施設との関わり合い、そして地域全体の取り組みについてお話を聞きました。
ざっくりと行った場所や、お話いただい取り組みについてまとめました。

上田で行った場所
上田映劇
LIBERTE
上田での取り組み
やどかりハウス
のきした
うえだこどもシネマクラブ
うえだイロイロ倶楽部

特に不思議だったのは、「のきした」という取り組み。
「のきした」には街に関わりのある団体や支援機関が協力し合い、さまざまな“困りごと”に対する取り組みが行われています。

やどかりハウスは「のきした」の取り組みのひとつ。
犀の角に併設されているゲストハウスの女性専用ルームを“困った時に泊まれる部屋”として休息・宿泊の利用ができます。
やどかりハウスを利用する方には、暴力被害を受けた方や家庭に居場所がない方、ひとりになりたい方など“困りごと”の大小に関わらず、様々な方が利用していました。

夕方からはうえだイロイロ倶楽部に参加。
地域の子どもたちやゲストハウスの利用者などがごちゃ混ぜに参加して、やりたいことを発見・立案し活動が行われていました。私は「まちなか探検部」と一緒に街の小さな図書館に向かいました。図書館に向かう途中、参加している地域の子どもたちとおしゃべりをしながら、上田の寒さの厳しさについて教えていただきました。笑

犀の角からの風景

滞在3日目 〜女子高校生と恋バナ編〜

朝早くから、温泉に入るべく別所温泉街へ。
ゲストハウスを利用中だった韓国のアーティストの方と一緒に。
普段聞くことができない韓国の内情を聞いたりと楽しい朝を過ごしました。

温泉から犀の角に戻って、発達障害グレーのお子さんをもつ保護者の方々の集まりに参加しました。子どもたちの困りごと、親としての困りごと、を話したり聞いたり。
その場で答えは出ないけど(支援が必要な場合は専門員が案内)、困りごとをシェアする場所に劇場がなっている事が新鮮でした。

劇場は作品を観たり創ったりする以外に“話せる場所”“聞く場所”としても利用できるんだなと漠然に。誰かの居場所になれるんだなと漠然に。

その後はお散歩に、駅前で目が合った女子高生に声をかけて近くのスタバに入って恋バナしたりと、いろんな出会いができた1日でした。

雪景色の中で温泉!

滞在4日目 〜松本へ行くつもりだった編〜

この日も朝から温泉へ。沖縄では温泉に入る機会がなかったのですっかり虜に。

温泉から戻り、この日は上田市を離れ松本市に向かう予定だったのですが、ダラダラと散歩をしていたらいつの間にか夕方に…。
上田から松本まで電車で約2時間。往復で約4時間。終電も考えると…。

とりあえず行ってしまえ!!って事で勢いで松本に。
ついたのが夜だったので、松本に1泊しました。

そんな感じで、特に記事にするような出来事はなかった1日。
でも、のんびりとこの街に住んだ自分を想像しながら過ごした1日でした。

滞在5日目 〜松本散策編〜

楽しみにしていた松本散策。
いろんな方からおすすめの場所を教えていただき、いざ散策開始。
松本で行った場所をざっくりとまとめてみました。

まつもと市民・芸術館
上土劇場
松本市美術館
栞日(カフェ)
松本城
松本で行った場所

特に印象的だったのが、松本市美術館に展示されている草間彌生作品の数々。
常設展示(草間彌生 魂のおきどころ)も行なっており、草間彌生作品を堪能することができました。

常設展示の中で、ずっと本物を見てみたいと願っていた「痛みのシャンデリア」の展示があり、とても感動したのを今でも覚えています。

文化と歴史を感じる松本市、上田とは違った街の活気さに元気をもらいました。
たっぷりと松本を堪能した1日でした。

栞日で食べたハニートーストとココア

滞在最終日 〜初日みたいな最終日編〜

最終日は上田の街をもう一度散策。
川に沿って歩いているとサントミューゼにたどり着きました。

施設の中に入ると休憩場所がいくつもあり、座って談笑する人、勉強をする学生、外の広場には走り回る子どもたち。
街の日常に文化施設が溶け込んでいて、憩いの場になっていいました。
素敵な光景だなー、と最終日ものんびりと過ごしていました。

夜は犀の角で、犀の角スタッフの方が企画した一人芝居の公演を観劇。
観劇後、犀の角スタッフ数名とやどかりハウス利用の女の子、長野で活動する女優さんのみんなさんとご飯を食べに行きました。

上田にいる間、たくさんの場所に行き、たくさんの人に出会ったのですが、誰かと夕食を共にしながら、お互いについて話すのはこの日が初めてでした。

皆さんの上田での生活や、犀の角の活動について個人の思いなど、じっくりと話を聞くことができました。

「こういう会は、来た初日にやるべきだよね」

と、誰かが言っていて、なんだか初日みたいな最終日、そんな1日でした。

犀の角 一人芝居終演後の様子

あれこれ備忘録

私は、私自身の“人間関係に対するキャパシティの狭さ”を課題としています。
コミニュケーションに大きな問題があるわけではないのですが、ある一定の時間以上誰かと行動を共にするのが難しく、複数人が参加するグループワークはとてつもなく苦手です。

犀の角に到着した初日、夜に誰でも参加可能なご飯会があるとお誘いいただきました。いろんな人が参加するとのことでこれからの交流に繋がればと思っていたのですが、ご飯会が行われるカフェスペースに行った瞬間、「あ、私今ここに居れない。」と折角お誘いいただいたご飯会を、逃げ出してしまいました。

夜の上田を歩きながら、なんとか気持ちを落ち着かせて犀の角に戻りました。

何も言わずご飯会から飛び出した私に皆さんは気づいていたと思います。
でもその事を問うことはせず、外は寒くなかったかと聞いてくれました。
とてもありがたかった。

距離を詰めることでコミュニケーションをとるのではなく、相手にとって心地のいい距離でコミュニケーションをとることの大切さに気づきました。

犀の角で過ごした1週間は、読み応えのある刺激的な冒険物語にはならなかったけど、じっくりじんわりと私の内側に広がっていく、そんな大切な物語になりました。

楽しかった!!また行きたい!!

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