基本動作の戦略を変えたい!

基本動作は患者さんの回復過程において、最も重要であると普段感じています。
それはもちろん歩行だけではなく、寝返りや起居、起立なども含んでいます。

今日は私の尊敬する冨田先生の文献を紹介したいと思います。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/42/8/42_42-8_066/_pdf/-char/ja

動作の分解の話が掲載されていますが、回復期病棟で考えるとより上位の動作はADLになるかと思います。
そのため、下位の動作は寝返りや起居、座位、起立–立位、歩行になるかと思います。

片麻痺や骨折など麻痺やopeによる侵襲が加わることで、麻痺側・術側への恐怖心(無自覚な)により固定され適切な感覚が入りにくかったり動作の構えが適切に行えなくなったりします。


そういった方に腹部の収縮を促すため起居動作を選択した場合、「頭を上げて」「お腹に力を入れて」など誘導すると思います。

しかし、腹筋を過剰に働かせたり上肢をより努力的に働かせてしまうと動作の戦略が限られてしまいます。
間違ってはいませんが、無自覚に動作に先行し恐怖心などがあると潜在的に身体を固定的にし柔軟な動きが行えなくなってしまします。

基本動作は、発達の過程から考えても教えられて学習するものではなく無自覚に筋緊張が立ち上がり動作を行うものです。

経験論になってしまいますが、起居や起立が非麻痺側に偏ったパターンの患者さんはADLを行う上でも動作パターンが限られ、より固定をしバランスを崩さないように戦略をとっています。

文献より抜粋

ネガティブ な発想や取り組みはサブリミナルな変化で自己保存の過剰な反応を引き起こし身体に消極的,回避的な構えや戦略をとらせてしまう。林は身体機能(情動)から感情(記憶)を生みだし脳 機能(理性)と結びつける前頭前野─線条体─視床─ A10 モ ジュレータニューロン群─大脳辺縁系の連合をダイナミック・ センターコアと呼ぶことを提唱し,ポジティブな発想が運動効果や運動学習の質を変えることを強調し成果をあげている。」

恐怖心を無くすには、無自覚な知覚(支持基底面と身体とのやりとり)を通して努力的でなくより分節的な動作を促していく必要があります。

まとめると、

①基本動作での構えを意識すること

②恐怖心などネガティブな因子を少なくし構えを変えていくこと

以上を意識することで基本動作の質は向上するかと思います。

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